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NHKの番組に出演しましたーー「あさイチ」「あしたも晴れ!人生レシピ」

「甘いもの依存を卒業した女性」として、NHKの番組に出演しました。

NHK「あさイチ」(2022年5月2日放送)
NHK「あしたも晴れ!人生レシピ」(2022年3月18日放送)

わかりやすい&心に響く放送でした

この番組で紹介されていた「甘いもの依存を卒業するまでのプロセス」がとてもわかりやすい上に、甘いもの依存を卒業した彼女(と言っても私なんですが)のストーリーが心にしみました。
そこで、放送された内容をほぼそのまま文章にしておこうと思います。

お気づきかと思いますが、
この記事では「出演者としての私」と「視聴者としての私」のうち、視聴者としての私が色濃く出ています。
私自身の人生の一部を切り取って、ここまで客観的に取り上げられると、「映像の中にいる私」は私自身の手から離れてしまう、ということです。
それが「作品をつくること」の別の側面なんだなぁと実感。
不思議な感覚です。
もちろん、映像の中にいる私も私自身の一部なので、放送を見るのは愛おしくもあり、気恥ずかしくもあり、うれしくもあります。

素敵なディレクターさんとの出会い

この放送の番組ディレクターさんがとっても素敵な方で、取材の仕方(私への寄り添い方、切り取り方)にとても感銘を受けました。

「甘いもの依存からの卒業」が NHK「あさイチ」で放送されました。 私のインタビュー映像に番組ディレクターの声が入っていないこと、気づいたかなぁ? 私、気づいた時、目ン玉飛び出るくらい驚愕しちゃいました。 だって、それって、 番組が視聴...

Posted by Shiho Ide on Tuesday, May 3, 2022

さて、やっと本題です。
甘いもの依存からの卒業ストーリーをお楽しみください。

甘いもの依存からの卒業

ぎゅうぎゅうのお菓子箱

―――井出志穂さんの自宅の片隅には、お菓子がぎゅうぎゅうに詰まった箱。そこには大好きな甘いものがギッシリ詰まっており、子どもを寝かしつけた後や、モヤモヤイライラすることがあった時に爆食いしていました。

でも、それは以前の話。
今、このお菓子箱に入っているものは家族のものがほとんどです。
なぜなら、イライラした時にお菓子を爆食いする甘いもの依存から、井出さんは卒業したからです。

管理栄養士 豊永彩子さんとの出会い

甘いもの依存で苦しんでいた井出さんは、ダイエットがしたいと思っていても当然うまくいかず、
落ち込む →甘いものに依存する →太る
 ↓
落ち込む→甘いものに依存する・・・
の悪循環だった。
そして、「もう自分ひとりでは、これ以上できない」と思った時に、管理栄養士 豊永彩子さんと出会う。

管理栄養士 豊永彩子さんは、管理栄養士としてのアドバイスだけでなく、「なぜ食べてしまうのか」といった心理面のアドバイスも行っている。
井出さんは豊永彩子先生の個別カウンセリングを受講した。

豊永彩子アドバイス①「自分のクセを知る」

誰でも食事のクセ、食べ方のクセがある。
まず、そのクセのパターンを自分で知ることが大切。
自分が甘いものを「なぜ、どのように食べているのか」を知り、衝動や無意識の行動を意識化する。

①好きな食べ物リストの作成
豊永彩子さんは井出さんに好きな食べ物をリストアップしてみることをすすめた。あんなに甘いものが好きだった井出さんは、ありったけを書くつもりだったのに、13個書いた時点で手が止まってしまった。

井出さん:
「1位と2位は、このお店のこの人たちのつくった大好きなものだからゆずれないと思ったけど、でも、あとのものは、あったらうれしいけれど、なくてもいいかな」

このリストを作成する目的は、自分の中にある欲求を整理するために、棚卸しするために行うという。
こうして、自分の欲求を整理していくと、なんとなく食べていたもの(ムダ食い)がなくなって、自分の本当に食べたい物が自然と明確になるのだ。

②食事の記録をつける
自分のクセを知るためには、食事の記録をつけるのも効果的だ。
井出さんは食事記録をつける中で、甘いものが食べたくなる原因に思い当たった。

「夜、何にイラつくんだろう。家族に合わせないといけないのが嫌なんだな。私だけの集中時間が全然ないって不満に思ってる」
(井出さんの食事記録より)

クッキーモンスター現る

そんな時に現れる甘いものを食べたい気持ちを、クッキーモンスターと名付けました。
疲れた時やイライラした時に、のっそりあらわれて、グワーッとお菓子をむさぼっちゃう厄介なヤツ!

しかし、食事記録の中ではこんな記述もあった。
「寝かしつけ後のクッキーモンスターを途中で食い止めた。クッキー4枚食べたところでクッキーモンスターを観察。満足した感じがあったので、寝た」

井出さん:
「クッキーモンスターは出る時と出ない時があって、出るときは、すごい不満があったり、嫌なことがあってストレスを感じた時に、ワーッと食べるクッキーモンスターが出てきちゃうなって気づきました」

そこで井出さんはストレスを感じて甘いものが食べたくなった時、まず「私は何が不満なのか」をいったん考えるようになったという。
ちょっと考えてみて「寝不足で疲れている」と感じたら、寝転んで一休みしたり、「ひとりの時間が欲しい」と思ったら、別の部屋に行って好きなことをする。
そうすると、「さっきまでの『なんか食べたい!』という衝動から離れる感じ」になるのだという。

豊永彩子アドバイス②栄養バランスを整える

次に井出さんが受けたアドバイスは、毎日の食事を見直すことだった。以前は、カロリーを気にして、肉類は控えめにして野菜中心の食事をしていた井出さん。しかし、今は肉魚卵などのたんぱく質をしっかりとるようになった。
たんぱく質をとる理由は、栄養素をエネルギーとして体内で利用するための体のメカニズムにあると、豊永彩子さんは語っている。

豊永彩子さんの栄養話:
体のなかでは、いろんな栄養素がチームプレーみたいに働いている。体を動かすために必要な栄養が慢性的に不足してしまうと、体のメカニズムがうまく働かなくなって「あれ?栄養素が足りないのかも」と体が思いこんで甘いものや高カロリーなものを欲するようになる。
しかし、たんぱく質を補うことで、鉄分、その他ミネラル分が補給でき、ちゃんと体の中でエネルギーを合成することができるようになり、甘いものへの依存が減る。

自分を責めない

1回の食事に対する満足度が高まった井出さん。それでもやっぱり、甘いものをグワッと食べてしまうこともある。そんな時は豊永彩子さんの助言から、「そんな自分を責めない」と決めている。

井出さん:
「そういう時だってあるよって。
自分の中で田舎のおばあちゃんみたいな気持ちになって、『大丈夫だべぇ。がんばってるべ?』って自分をよしよししてあげる」

豊永彩子さん:
できない自分を否定すると、前に一歩進めなくなってしまいがち。
前に進むためには、どんな自分にも「OKOK!」としてあげることが必要。

豊永彩子アドバイス③自分のやりたいことは何なのか、欲求を知る。

豊永彩子さん:
一見、食事には関係なさそうに見えるけれど、食事以外の欲求が満たされているのかが、食事への依存や欲求と関係が深いことがわかっている。たとえば、仕事のキャリアや家族との時間といった欲求が満たされているかどうかなど。そのため、カウンセリングでは「やりたいことリスト」を書いてもらっている。

井出さんは自宅でヨガを始めたり、子育てに関する論文を大学や地域で発表したいと考えている。

豊永彩子アドバイス④幸福感を大切に。それをしっかりかみしめること。

不満ばかりに焦点をあてるのではなく、毎日の何気ない幸せな時間を今まで以上に大切にしたいと、井出さんは考えるようになった。
たとえば、ケーキ作りが得意な娘の葵ちゃんとの楽しい時間。

井出さん:
「普段だったらこんなにバターとお砂糖を使いたくないって思うけど、葵ちゃんと過ごす時間は楽しいから。それに、ちょっと食べるだけでも満足できるんですよね。とても特別で楽しい時間です。
(葵ちゃんの作ったケーキを食べながら)幸せの味がするー(笑)」

夫の東さんは、甘いものと向き合うなかで妻が少しずつ変わっていったと感じている。「いろんなことにチャレンジするようになった。前向きになったかな」

井出さん:
「クッキーモンスターが暴れてしまっても、ピンチはチャンスで、『今、こうなってしまったけれど、何がイヤだった?』とか『どうやったら、それは良くなる?』と考える機会になる」

以前は『甘いものがないと!』と手が震える感じだったという井出さん。

井出さん:
「ちゃんとたんぱく質をとって、食べることを楽しんで、家族との時間を楽しんでいたら、いつの間にか!私!甘いもの依存卒業おめでとうございます!という感じでした(笑)」


全体を通して、井出さんの表情が印象的だった。(私、まだ視聴者目線でこの文章を書いています)
クッキーモンスターが現れる時の少し苦しそうな顔。
夫の東さんがコメントした後のうれしそうな笑顔。
それがこの「甘いもの依存からの卒業」というストーリーにリアルな立体感を生み、身近な話として多くの人の共感を呼んだのだろう。

この「井出さんの表情」がテレビにうつっている理由は、ひとえにディレクターの力です。(出演者としての私になりつつあります)そして、私自身もこの取材に向けて甘いもの依存を卒業した自分自身を目いっぱいふり返り、これでもかというほど考えて言語化し、取材に臨みました。
取材に関わるお話は、また別の機会にできたらいいなと思ってます。

この記事が毎夜"クッキーモンスター"と戦っている誰かに、届きますように。

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