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人生初!ドキドキ!株式運用!

磯 佳江
東京理科大学経営学部経営学科 4年


ご挨拶

 皆様こんにちは、Identity Academy5期の磯かえと申します。Identity Academy(以下「IA」)では、約4ヶ月間、国内上場株に400万円を投資してチームで運用を行うというPortfolio Gameがプログラムの一貫に組み込まれています。ここでは、まだIAをご存知でない方へ、IAに既に関わっている方へ、そして6ヶ月前の自分に向けて、約4ヶ月間の株式運用で私が得たものを書き記します。私がいた千変万化の毎日に少しご興味のある方がいれば、ぜひご一読ください。

目次

  • 後悔

  • 成長

  • 感謝

Chpter1 「後悔」

 株式運用において、唯一後悔していることが1つあります。Chapter1ではこの「後悔」についてお話します。
 このPortfolio Gameの運用期間は約4ヶ月ですが、その間、私たちのチームは収支が大きくマイナスになった際に運用を一定期間止めてしまったことがありました。今まで手にしたことのない額を運用して、かつ今まで見たこともないような額のマイナスを目の前にしたことで、不確実な未来に対しての恐怖感に拍車がかかり、運用を避けるという結果を招いてしまったのだと思います。今考えてみると、チーム収支がマイナスになった理由は主に2点でした。1つ目は、分析の浅さ故適当なバリュー株を絞り込めていないこと、そして2つ目は目先のチャート変動に感情が大きく左右され、投資方針を持つことなく短期間の売買を繰り返していたこと。今思えばこれらは明確ですが、毎秒のように動くチャートを追いかけていた当時は感情のコントロールを見失い、現状把握と振り返りが冷静にできていなかったように感じます。その結果、嫌なものに蓋をするように証券分析を避け、株式運用から逃げるに至りました。そして、ここにおいて最悪だったことは、株式運用を止めてしまったことではなく、運用を止めたことで、チームの、そして自分の成長が止まってしまったことです。今ではこの期間をとても後悔しています。IAの講演会にいらっしゃっていたGPIFの植田理事のお言葉を少し拝借しますが、「最もハイリスクなことは、リスクを取らないことだ」ということを身をもって感じました。お分かりの通り、何もアクションを起こさないと何も生まれません。アクションをとることの重要性を頭が分かっていても、逃げてしまうことを実際に選択してしまえば、それは自分の成長をとめることを意味し、一度成長がとまることが習慣化してしまえば思考も浅くなり、今生きている現実を自分がコントロールすることができなくなり、この現実にただのまれてるばかりで、当たり前の世界をより一層当たり前なものだと無意識に捉えてしまう、何も刺激のない無垢な毎日を過ごすことになります。そのような毎日では、いつか喜びも悲しみも感じない、つまらない人間になってしまうかもしれません。少しでもこの現実を生きる上で何かしらの成し遂げたいこと、希望があるならばアクションを取り続けることは必須事項です。私はこの4ヶ月間に自分の後悔からそれらを学びました。

Chapter2 「成長」

 Chapter2では抱えてしまった大きな収支のマイナスとそれについての具体的な解決策をどのようにアクションしていったのかを記載していきます。
 かの有名なBenjamin Graham著のSecurity Analysisという本にはInvestmentについて以下のように記載されています。” An investment operation is one which, upon thorough analysis promises safety of principal and an adequate return.” この定義付けからも理解できるように、自分のポートフォリオ上の投資流動性がどのくらいであったとしても、投資額以上のリターンを必ず出すための緻密な分析が投資行為には求められます。それを行うことで優良なバリュー株を見つけることができますし、一次的な変動に対してもノイズとして感情のコントロールがしやすくなります。そして、ここで非常に重要なのが「緻密な分析」の捉え方です。人により緻密な分析の捉え方は違うと思いますが、窮地に立たされた私たちのチームでは「リスクを如何になくしていくか」を重要視しました。大きなマイナス収支を抱えている中で、リスクを最低限にしつつ短期間での大きなリターンが必要とされたため、いくつかの経営パフォーマンス指標で国内株約3,000社強をスクリーニングした後に、日々のニュースと投資検討にある企業を照らし合わせる毎日が続きました。例えば、決算発表等のコーポレートイベントが発生する企業を中心に有価証券分析かつテクニカル分析をしてみたり、アメリカCPIの発表がある日には、それに敏感に反応する株式と景気指数にあまり敏感ではない株式を区別してリスク分散を行いつつ、敏感株にウェイトをおいてみたり等、様々な方法を試しました。結果として、全ての試みが成功したわけではないですが分析のパターン母数を増やすことにより総合的な分析力が向上し、結果的に収支が少しずつ上向きになりました。
 初めは手探りで始めた分析ですが、リスクマネジメントを行いリターンを最大限にだすためにも日々の分析は非常に大切な事です。そして、Chapter1でも少し触れましたが、それらの分析アクションを続けることで自分自身への大きなリターンに繋がります。適切なリスク分散を行い、日々その作業を続けることで目の前のチャートの動きに感情が左右されにくくなり、安定したリターンをとることができるようになるのだと思います。

Chapter3 「感謝」

 最後に、Portfolio Gameにおけるチームメンバーの重要性を述べたいと思います。約4ヶ月の短い期間ではありましたが、かけがえのない仲間が出来ました。
 1人で個人投資家として市場に参加することとチームを組んで市場に参加することの差は、①分析手法・思考手法の増幅②コミュニケーション回数にあると思います。先述したように、私たちのチームは収支が大きなマイナスになった際に一度運用を停止してしまいました。ただここで唯一の救いだったのは、運用を再開する際に一緒に戦略を立て実行する仲間がいたことです。運用再開後は様々な分析方法に基づき戦略を各々立て試行錯誤する日々が続きました。毎朝7時からメンバーとミーティングを行い、前日の市場の動きの振り返りと本日のトレードについて議論した日々は、当時は鼻血がでるような状況ではありました。しかし今振り返ってみると、チームで市場に参加する意義は未来に対しての不安の起点であるリスクを仲間と潰していくことで自分では捉えきれなかったリスクの把握に繋がり結果的に1人でもマーケットを見る力が養われること、そしてさらにはチーム内でのコミュニケーション回数を増やすことでメンバー同士の理解が進み、より一層の議論の深まりを達成することができるという点にあると思います。
 一緒に投資戦略を考え実行するチームメンバーがいなければ、私の成長も、チームの収支反発も絶対にありませんでした。ただ集まって時間を過ごすのではなくて、不確実な未来に対してのリスクを一緒に分析し、背負う仲間がいることで結果的に自分の成長にも、心が許せる仲間が増えた事にも繋がりました。余談ですが、今でもチームメンバーとは毎日のように連絡をとっていますし、自分のキャリアからプライベートな恋愛相談まで色々なお話をしています。彼らと時間を共にすることができたことは、かけがえのない経験でした。

終わりに

 少し長くなってしまいましたが、ここまで読んで下さりありがとうございます。Portfolio Gameにおいてチーム・私の葛藤と成長を少しでもイメ―ジしていただけましたら幸いです。最後になりますが、このような経験をさせていただいたIA理事の森山さん、そしてこのコミュニティを私に紹介してくださったSeirinさん、そしてチームメンバーの皆、IAに関わる全ての皆様、約6ヶ月間本当にありがとうございました。Identity Academy5期で過ごした時間は私の一生の宝物です。これからもよろしくお願いします。

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