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理系だけの環境にいた僕がIAで得たインセンティブ

柴田賢英
電気通信大学 情報理工学域 電子工学専攻


IAに入るきっかけ

 私は理系単科大学の電子工学専攻で物理や実験を中心に勉強しており、単科大なので当然文系学生は0、他大学との交流も特になかったので本当に限られた分野の狭いコミュニティで3年間過ごしていました。一方で、将来はメーカーのエンジニアとして社会の発展に貢献して、ゆくゆくは幹 部として組織の先頭で、社会にイノベーションを起こす漠然とした目標があり、今までと同じような理系の専門的な勉強だけでいいのか...という思いは常にありました。

 そんな中、大学の数少ないビジネス系の授業で代表理事の森山さんのリスクマネジメントに関する講義を受け、最後のちょっとした宣伝でIAを知りました。金融の最前線で活躍してきた人の意思決定論は将来絶対役に立つと思った他、参加している他大学の学生の中で自分がどこまでやれるのかを知るいい機会だと思い、腕試しの意味も込めて参加しました。

理系から見た金融という未知の領域

 幼い頃、父が銀行員だったこともあり金融に興味はあった方ですが、周りの同期生と比べると完全に素人側でした。講義はそんな僕でもついていけるようなレベルからスタートします。外資系金融で20年働いた経験を元に、知識だけを植え付けるのではなく、実際に経験したからこそ出てくる意見や、時には現場の人間ドラマも交えながら教えてくれます。さらに、実際にチームでお金を運用するポートフォリオゲームを同時並行で進めることでアウトプットを促し、実戦的に学べるため、金融に関して素人でも興味を持って能動的に勉強できるはずです。

 また、投資におけるボラティリティなどのリスクを定量的に評価する方法や、PER,PBRといった株価の指標は関数と積分値の関係に似ているなど、金融における意思決定には数学的な考えが至る所に出てきます。この考えを学ぶことで、経済のニュースを見て「なんとなく株価が上がりそう...」という”感想”が、卒業時には動いたお金、株価の指標を定量的に評価することで「この株価は◯◯円上昇するはずだ!」という”意見”に変化します。この金融論の授業で得られる考え方は、将来金融以外の業界に行く人でも、何か重要な決断をするときに役立つと信じています。

  これまで、金融は経済学の一分野で理工学部の自分とは離れた分野だと思っていましたが、勉強してみると理系の考えによく似ていると感じます。自分にとって未知の領域だった金融が、実は理系の経験が活かせる事に気づけたのは大きな成果です。

IAによって自分に起きた変化

 IAの授業では通常の座学と共に、様々な分野の現役で活躍しているトップランナーとのトークセッションがあります。金融の他、ITやコンサルなど幅広い分野のプロフェッショナルと一対一で質問できる、本来は一生に1度もない貴重な機会です。

 その中で共通していたのは、常に先の事ばかり考えていた僕に対して、登壇者は皆 ”今できることを全力でやりきる事” の重要性を説いている事です。また、転職など人生の分岐点に立った時、自分の為に道を選ぶのではなく、社会に貢献する道を考えるなど、情熱を持って仕事に取り組んでいる姿勢も印象的で、勉強になることが多かったです。大企業に新卒で就職し、定年まで全うすることが正義だと思っていた、これまでのキャリア感に、大きな変化をもたらした事は言うまでもありません。

 これまで講師陣について書いてきましたが、もしかしたら最も刺激を受けたのは一緒に勉強した同期生かもしれません。IAには、僕のようなごく一般的な大学生の他に、金融や投資銀行で長くインターンを経験したり、すでに起業している学生など唯一無二のバックグラウンドを持った人が集まります。このハイレベルなコミュニティの中で、周りに圧倒されそうになりながらも、自分に はどんな価値があるのか考えていました。理事の各務さんによると、”価値”とはすなわち”希少性”で、それぞれの専門分野が離れているほど画期的な発想が生まれるそうです。

 東大早慶で8割を占めるIAでは、小規模理系大学に通う自分は希少性の塊であり、価値を提供できるはずと信じることにしました。グループワークの事業提案課題ではその相違を活かして、自分達でなければ生まれ ない提案ができ、希少性の重要性を実感できました。これらは、互いの違いを価値として認識し、自分自身への刺激として利用するコミュニティだからこそできる経験で、これまでの周りの多数派にただ流されていた自分を大きく変えたと思います。

最後に

 今までの経験によって、IAで得られるものは人によって大きく違うだろうし、正直向き不向きもはっきり分かれると思う。その中でも、自分に新しい風を取り入れて変化を起こしたい人、特に研究に没頭している理系学生や地方学生が最も刺激を得られるはずです。前章でも書いたように” 価値”=”希少性”を大事にするIAでは、「自分とは全然違う人が参加してそう…」と思っている人こそ、参加する意味があります。

  IAを通して起こる変化は、ベクトルの大きさを変えるというより、方向を変えるものに近く、卒業後も不安定な社会の中で、その影響を受け続けると思います。参加するにあたり特別な知識は必要ない、必要なのは自分自身を高めたい強い意志だけです。

 もし、identity academyに興味を持ったなら是非参加して、僕が受けたインセンティブを獲得して欲しい!



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