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Mipox社長から見たIAの魅力

IA Innovation Program とは?

森山:Identity Academyは『金融のリスクマネジメント思考を駆使してこれからの意思決定をデザインする学校』というミッションの下、これまで大学生向けにマネーリテラシーを教えてきました。マクロ経済、企業分析、そして起業など、主観と客観を行き来しながら約4カ月に渡って集中的に課題に取り組んでもらいます。今期は学生により実践的な課題に向き合ってもらいたいという想いから、長い構想期間を経て、「Identity Academy Innovation Program(以下:IAイノベーション)」というプログラムを起ち上げました。これは実在する企業からリアルな経営課題をヒアリングし、それに対して(秘密保持契約をしっかりと結んだ上で)25人の学生たちが2カ月間で新しい事業アイデアを提案するという課題です。

渡邉:なかなかチャレンジングな課題ですよね(笑)。

森山:はい(笑)。そんなチャレンジングな課題の対象企業として最初に手を挙げていただいた果敢な冒険者が御社でした。実績もなく、つかみどころもないこのプログラムにGOサインを出していただいた理由や、私たちに期待していたことはなんだったのでしょうか?

戦略コンサルには出来ないこと!?
それは忖度のないフラットな視点

Mipox株式会社 代表取締役 渡邉淳

渡邉:私たちは『塗る・切る・磨く』をスローガンに掲げ、クライアントファーストで様々な課題に応えてきました。その結果、何十年もかけて研磨に関わる多種多様なプロダクトや知財を積み重ね、専門的な業界の中ではトップシェアを誇るプロダクトも数多くあります。とは言え、それ以上に時代のスピード感というものは速い。私たちとしても、自分たちのものづくりの知見をフルに活かして「時代を追う」のではなく「時代を創る」ことができないかと常々思っていました。

森山:会社として既に安定的に利益が出ているにも関わらず新しいことに挑戦しようとするモチベーションはどこから来るのですか?

渡邉:昨日までは必要とされていたものが今日からお役御免になる、ということがこのインダストリーでは日常茶飯事です。世界中で毎日のように新しい技術が生まれています。だからこそ、これからの時代は、お客様への価値の提供だけでは企業成長は望めないと思っているんです。そこで私たちも多様な価値観を持つ社員とのディスカッション、また外部の戦略コンサルに新規事業の相談をしたことがありました。ところがそこから出てくるのは、良くも悪くも私たちの業界サイドに寄り添ったアイデアだったんです。業界にいる身としては嬉しいですし、私たちが目指すところには近づけるかもしれないんだけども、どこかワクワクしない。「世界を変える」ようなジャンプができない感じと言いますか。

森山:IAの学生たちは、金融や経済を専門とする学生だけじゃなく、理系の博士課程の学生や医学部生、芸術系の学生まで多岐に渡っています。そして何より若い。Z世代の最先端をいく学生たちです。

渡邉:まさにそこが今回IAイノベーションに期待したことでした。学生たちは私たちに媚を売る必要がないじゃないですか(笑)。だから、本当に彼らが「今」面白いと思っているもの、研究していること、見えている世界を中心に議論を始めてくれます。私たちに忖度せず、フラットな視点で「彼らが行きたい世界」を見せてほしかったんです。

ここまで濃い密度で学生たちと
触れ合う機会なんて存在しなかった

IA代表理事 森山博暢

森山:実際に今回の2カ月間、そして最後の学生たちからの提案を見ていかがでしたか?

渡邉:まずですね、アイデアとプレゼンの質の高さと物量に唖然としましたね。どこにこんなプロ顔負けの精鋭たちが隠れていたんだろうと。当たり前ですが、弊社も優秀な学生を採用したいのはやまやまで、これまでも就活イベントや展示会をはじめ、なんとかして学生たちとの接点を持とうと尽力してきました。ところが事業領域が法人向けであることや、技術面に特化した専門集団として発信していることもあり、ビジョンや魅力がなかなか学生に伝わりづらいんです。仮に接点が持てたとしても、こちらからの一方的な会社の宣伝をするだけで、彼らが何を考えているのか、私たちの会社をどう思っているのか、というのは最後までわからない。ずっと手応えのなさを感じていました。

森山:少子化で学生たちも減っている中ただでさえ彼らに見つけてもらうのも難しいと思いますし、さらにトップ層の学生となるとハードルは高いですよね…。

新規事業提案プレゼンテーションの様子

渡邉:はい。ところがIAイノベーションは、普段私たち側からではなかなかアクセス出来ないような学生たちが2カ月間、寝る間も惜しんで私たちの会社のこと、事業のことを考えて議論をしてくれる。恐らくここまで濃い密度で学生たちと触れ合う機会は、これまでに存在してなかったと思います(笑)。まずそれだけでとてつもなく価値がある時間でした。

森山:オフラインはもちろん、SLACKやZOOM上での学生たちの議論が連日連夜止まらなかったですよね。

渡邉:そしてまた質問の精度が高い!忖度がないからこそ、技術面や戦略面においてもズバズバと疑問を投げかけてくれました。時には私たちがスパッと答えられないこともあったくらいです。逆に彼らとのコミュニケーションを通して、自分たちの考えが及んでいなかった領域が浮彫になって社内モチベーションも猛烈に上がりました。このコミュニケーションを通じて感じたのは、学生たちの反応というのは、実は私たちの鏡でもあるということ。私たちが情熱的に事業を語り、本当に世界を変えられると信じている技術を見せることで、彼らも同じ量だけパッションとアイデアを出してくれるんです。こんなにポジティブなスパイラルを生む採用広報活動はないですよ。

ただの学生ビジコンでは終わらない。
何かが本当に実装される予感

Mipox株式会社の皆さまとIdentity Academyの学生たち

森山:今回最終的に学生たちからは厳選された3つの事業アイデアが出てきましたね。

渡邉:従来の学生向けのビジネスコンペであれば、絵に描いた餅のようなふわふわとしたアイデアの発想コンテストになっているものが非常に多いという印象を持っていました。今回のIAイノベーションもきっとそうなのだろうと。ところが蓋を開けてみれば、各アイデアの市場規模、技術的なフィジビリティ、潜在顧客へのデプスインタビュー、知財関連のMTGまで2カ月の間に既に終えていて、仮に事業を始める場合の初年度の動き方まで提案されていました。じゃあもうやっちゃえばいいじゃんって(笑)。

森山:(笑)。実際何名かの学生は本気でアイデアを実装させたいと思っているようです。

渡邉:私たちとしてはこんなに嬉しいことはないんですよ。自分たちの技術を本気で面白がってくれる若者がいる。それであれば好きなだけうちの会社を使い倒してほしいと思っているんです。どうかこの2カ月で終わらずに次に繋がる大きなプロジェクトにしていきましょう。

森山:ぜひ!本日はありがとうございました。

渡邉:ありがとうございました!

Mipox社長から見たIAの魅力まとめ

  1. 忖度のない鋭くフラットな視点

  2. トップ学生と濃密に触れ合う採用広報活動

  3. すぐにでも実装できる情熱と現実性

関連URL

Mipox株式会社 公式ウェブサイト
https://www.mipox.co.jp/

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