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バーこみみ 3


わたしはアルコールを口にしないのに
この酒を飲み交わす謎の場所に足を踏み入れた
変わり者だ



そして目の前に置かれた氷の入った液体はウィスキーというものらしい


店員と思しき人から勧められ
言われるがままに注文した



BARと呼ばれる場所は静かでジャズっぽい音楽が流れていて、店員が何やらシャカシャカしている


そんな絵を勝手に想像していた


しかしこの店は何かが違う
その違いがわからない


いや、その事自体がおかしいのではないか
いま感じているこの違和感すら
わたし自身が勝手に作り出したのかもしれない



瞼を閉じて呼吸を整える


どうやら
頭の中のわたしはひどく混乱しているようなので
目の前のウィスキーとやらを飲むことにしよう




グラスを持ちゆっくり顔へ近づける
野生の勘というやつか


知識のない人間でもこれは少しずつ飲むことが正解だと感じ取った



人間は見知らぬ場所では動物的感覚が目を覚ますのかかも知れない
などと仮説を立ていた


実にくだらない

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