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フローラル-合成香料の花の香りの仕組み-

花の香りは香水の世界で基本とされ、様々な香りを作るうえで大切な要素になります。

様々な花の香りがありますが、どれでも精油が取れる分けではありません。例えば、3大フローラル(ローズ、ジャスミン、ミュゲ)に含まれるミュゲ(すずらん)は、香水によく使われるもので天然の香料と思われがちですが、殆どが合成香料になります。
天然のミュゲから精油を抽出しようとしても、実際のミュゲの香りと同じものができません。そのため、各香料会社は様々な自社オリジナルのミュゲの合成香料を販売しています。

そういった合成香料は香りの元となる原料から科学的に抽出される成分を分析し、その成分を科学的に合成することで単一の香りの要素(単離香料)を生成します。ただ、現在の科学技術では元となる原料に含まれる香りの要素(※)を全て合成する技術はありません。
※植物などの香りは、複数の香りの要素から成り立っている

実際に花の香りの合成香料を作るにはGC(ガスクロマトグラフィー)により、植物などが発散した香りをそのまま分析し、出てきた香りの要素の数値にあわせて香りを作ります。
本物の花の香りそのままを再現することは、現在の技術では不可能ですが、その花に近いニュアンスの香りができます。

では、今回の核心である合成香料の花の仕組みについて触れてみたいと思います。
全部話すと科学的な話しになるので、ザックリとした話しとなります。

合成香料の花の香りの多くは、それほど多くない単離香料の組み合わせによりできています。
バラやミュゲ、ジャスミンなどの合成香料も同じで、これらを作り上げている香りの原料は重複したものが多く、フェニルエチルアルコールやシトロネラール、インドールなど約10種類程度の単離香料です。これら数種類の単離香料の組み合わせや割合の違いだけで、全く違う花の香が出来てしまうことには驚きです。

花の匂いはそもそも昆虫をおびき寄せて、花粉を運ばせる為に有ります。そうすると、昆虫をおびき寄せる花の香りの成分は殆ど同じなのも頷けます。
もしかすると花それぞれで香りが違うのは、昆虫にも香りの好みがあり、好みの花の香りによってくる昆虫が雄花雌花で行き来することで、受粉が成功しやすくなるからなのかもしれません。

余談ですが、花の香のにあるインドールと言う単離香料は『うんこ』の匂いです。
うんこの匂いにはインドール、スカトールなどがあり、スカトールもジャスミンなどに含まれます。
臭い香りは極微量配合される事で香りに深みがでます。
ムスクも麝香鹿から取ったそのままの状態では獣臭で良い香りとは言えませんが、何倍にも薄めて香水などに使われるのは、このような理由からなのです。

これが、合成香料の花の香りの仕組みになります。
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