素人の考古学―神奈川県横浜市緑区北門古墳群見学
JR横浜線沿線にも多くの遺跡があったが、都市化が進んで残っているものが少なくなった。
北門古墳群は、鶴見川の支流である恩田川南岸の丘陵上に位置している。標高はおよそ40m。古墳はこれまでに円墳5基が知られているが、この古墳群の中をJR 横浜線が通っており、すでに一部が破壊されている。
●北門古墳群(横浜市指定史跡)。
横浜線十日市場駅から10分ほどの丘陵地。
6c後半~7c前半の横穴式石室が5基あったがほとんど消滅している。
5基ともほぼ墳丘径16mで幅2mの周溝を持つ。
1号墳は、墳丘の径約16m、その外周に幅2m ほどの周溝がめぐらされていた。埋葬施設は、南東に開口する泥岩の切り石積み横穴式石室で、その全長は4.8m。 この古墳がつくられた時期は、埋葬施設や埴輪の特徴などから6c後半と考えられる。
1号墳からたくさんの埴輪が発見され、円筒埴輪、人物埴輪。馬型埴輪などが出土。女子は島田髷風の髪型だったらしい。
北門1号墳の埴輪は粘土に含まれる鉱物・焼成・作風などから、埼玉県鴻巣市の生出塚埴輪窯跡でつくられたものと判明した。横浜の埴輪たちの多くは、意外にもはるばる遠隔の地から運ばれてきているようだ。
横浜線は横浜市と東京都との境界を走っているので、沿線の遺跡の発掘や保存は譲り合って中途半端な気がする。
以上
小兵衛
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?