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発達障碍で精神手帳を取得する

心理検査を行っているクリニックを探す

発達障碍か否かを診断する為の心理検査を行っているクリニックは限られていますが、PCかスマートフォンで調べれば直ぐに分かります。2019年の時点では成人用の心理検査はWAIS-Ⅲが主流でしたが、今後は2018年に出版されたWAIS-IVが主流になっていきます。

検査費用はクリニック間でかなり開きがあるようで、安い所では1500円、高い所になると20000円もかかるようです。因みに、私が通ったクリニックは2500円程度と良心的な値段でしたが、その分人気があり、約一ヶ月先まで予約が埋まっていました。

精神障害者手帳の申請をする場合は、クリニックに初めてかかった日(初診日)から半年が経過している必要があります。心理検査を受けた日や、検査結果が出た日から半年では無いので、ご注意ください。また、初診日は障碍年金を受給する際に、何らかの手段で証明する必要があります。


初診日は、簡単な対話による診察と、心理検査の予約で終わる事が多いようです。この時の診察は、精神障害者手帳の申請に必要な診断書の内容に影響するので、しっかりと困っている事をアピールしてください。

その際、変に遠慮して「あまり困っていません」みたいな事を言ってしまうと、その言葉が担当医が書く診断書に反映され、手帳の審査に通らなくなってしまいます。

また、病気の所為で発達障碍に似た症状が出る事もあるので、初診日に採血検査を行うクリニックもあります。その場合は採血検査の料金が診察料に上乗せされるので、少し多めにお金を持って行きましょう。


因みに、私は初診日に「薬は飲まず、手帳の取得を考えている」という話をしたのですが、担当医は執拗なまでに投薬治療を勧めてきました。

発達障碍の投薬は治療を目的としたものではなく、症状を抑える為のものですし、薬が体に合わないと強い副作用が出る事があります。薬を飲みながら仕事を続けるなら話は別ですが、飲みたくないならしっかりと断りましょう。

近くに安く検査を受けられる場所が無い場合は、少し離れた所にあるクリニックで検査を受けて、検査結果が出た後に近所のクリニックに転院し、転院先で診断書を書いて頂く事も出来ます。


転院の際は紹介状か、診療情報提供書を書いていただくと話がスムーズに進みますが、無くても問題はありません。また、前のクリニックで受けた心理検査の結果を持っていけば、再び心理検査を受ける必要は無くなります。



心理検査を受ける

心理検査は非常に項目が多いので、大体2~3時間ほどかかります。クリニックによって違いはあると思いますが、私が検査を受けた時は、個室で、同じ医師が、休憩時間を挟む事無く、ぶっ通しで検査をしました。

私は割と楽しく検査を受ける事が出来ましたが、人によっては途中でしんどくなるかも知れません。基本的に休憩を挟まずに検査を行うようなので、疲れてきたら「休憩したい」と言いましょう。

心理検査の結果が出るまでは、それなりに時間がかかります。私の時は検査ラッシュの時期だったので、約一ヶ月ほど待ちました。クリニックから検査結果が出たと連絡が入り、診察の予約を入れて、実際に検査結果を知るまでに、更に二週間ほどかかりました。



診断書を書いてもらう

心理検査は一度受ければ済みますが、手帳は二年毎に更新があります。その都度クリニックで診断書を書いて頂く事になりますが、手帳を取得する為の診断書には書かなければならない項目が沢山あるので、すぐには出来上がりません。

因みに、私の時は書き上がるまでに一週間から十日ほどかかったので、少し早めにクリニックに行く事をお勧めします。

診断書は保険が効かないので、書いて貰うのに大体5000円ほどの費用がかかります。自治体によっては、診断書の費用を助成金で賄(まかなえ)る所もあるので、役所の保健福祉課で相談してみると良いでしょう。



診断書を役所の障碍福祉課に提出する

初診日から半年経てば手帳の申請が可能になるので、診断書を持って各市町村の障碍福祉課に行きましょう。

手帳発行までの手続きは簡単です。診断書(分厚い封筒に封がされていた)を提出して、身分証(運転免許で良い)を見せて、用紙に住所と名前を記入して、認め印を何カ所か押すだけです。

その際に、縦4cm×横3cmの普通サイズの証明写真が一枚必要になります。また、診断書の助成金を申請する場合は、用紙に振込先の通帳番号を記入する事になるので、通帳を持って行きましょう。纏めると、申請時に必要なものは5つです。

・診断書

・証明写真

・身分証

・印章(ハンコ)

・預金通帳



申請して、約三ヶ月後に手帳の通知が届きます。その通知を持って役所に行けば、精神障碍者手帳を取得する事が出来ます。

障碍者手帳があると失業保険の給付期間を最大300日間まで延長する事が出来るのですが、発達障碍は適応外とする自治体もあるようなので、予めハローワークで確認しておきましょう。

また、手帳の障碍等級と、障碍年金の等級は違います。手帳が無くても年金を受給する事は出来るので、最寄りの年金事務所で相談してみてください。



ドクター・ハラスメント

小さなクリニックなら担当医に「診断書を書いて欲しい」と言うだけでOKですが、大病院の場合は受付で申請書を提出しなければ診断書を書いてもらえないので注意が必要です。

これは私が某県立病院で診断書を書いてもらった時の事ですが、申請書についての担当医の説明があまりにも早口で、作動記憶(ワーキングメモリー)が60しか無い私には憶えきれなかったんですよ。

なので「聞き取れなかったから、もう一度説明してくれ」とお願いしたのですが、担当医はニヤつきながら嫌ったらしい口調で「やっと貴方が手帳を必要とする理由が分かりました」と言ってきたのです。


会社員時代はメモ帳を手放しませんでしたが、退職後、精神科医と話をする時でもメモ帳が必要になるとは思いませんでした。油断と言えば油断ですけど、これは私なりに結構ショックな出来事でした。

医師による患者への心無い態度をドクター・ハラスメントと言うそうです。医者は高学歴で、国家資格と、特殊な医療スキルを持った特別な人間です。若くして「先生」と呼ばれる立場となり、絶対にミスが許されない職場で殺人的な量の仕事をこなしています。

その上、高度な接客の技術まで身に付ける余裕は無いのかも知れませんが、ドクハラなどという略語があるくらいですから、割と普遍的な問題のようです。因みに、この手のハラスメントは病院に限らず、市役所の福祉課や、就労継続支援の作業所でも受ける事があります。

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