見出し画像

ヒアリングを情報の吸い上げと勘違いしてはいけない

なぜなら、ヒアリングとは心と心をつなぐ試みだからだ。

真面目な人がよくやるのは、ヒアリングで情報を吸い上げてしまうことだ。質問事項を決めておいて、それに関する答えをパソコンに打ち込んで情報化する。これだと相手の建前だけが並んでしまう。

職人技になってしまうが、もっと高度なヒアリングをしようと思ったら、時間を要さなければならない。何度か収穫のない話し合いを経て、信頼関係が出てきたところで、何気ない話の中に大事な一言が混じってくる。

しかし、その大事な一言ですら本音であることは少ない。本音は大事な一言の裏に隠れている。それを推察しながら、相手の話をしばらく聴いているとあるとき「本音に気づいてほしい」とヒントになる言葉が少しずつ出てくる。そのときにこちらが頭をフル回転させて本音を推察するのだ。

そして、感じ取った本音は誰にも共有してはいけない。あなたのために相手が明かしてくれたものを易々と共有してしまっては、一瞬で信頼関係が崩れてしまう。

とてもデリケートな試みだが、本来ヒアリングとはそういうものなのだ。

よって、ヒアリングを情報の吸い上げと勘違いしてはいけない。