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have to と must の違いや、 be going to と will の違い。・・・という話題がよく出てくるけどその件について(井出進学塾)

(注:タイトルからはわからないですが、最終的には新しく始まる大学入学共通テストについての記事です。)

こんにちは、井出進学塾です。
まず簡単に、それぞれのちがいを確認しておきましょう。

まず、have toは主として周りの状況によって「~しなければいけない」。

地元で使っている教科書の例文でいうと、
You have to speak English here.
(あなたは、ここでは英語を話さなくてはいけない。)

これは、ホームステイのアドバイスで、ステイ先のご家庭では、もちろん英語をはなさないといけない、ということを述べています。

mustの方は、話している人が「そうしなければいけない」と思っている状況で使われます。

同じ章の例文で、
You must tell your host mother.
(あなたは、ホストマザーに伝えないといけません。)

これは、ホームステイ中の生徒の、出される食べ物が多すぎるけど、言った方がいいのかな?という質問に対し、先生からのアドバイスです。
言っていいのか?ではなく、伝えなければいけない、ということが強調されています。

見分け方でいうと、主語がyouのときに限られますが、mustは話し手の意思で「~しなければいけない」なので、命令文に書きかえて同じ意味です。
先ほどの例文では・・・
You must tell your host mother. = Tell your host mother. です

また、同じ章に must not を使った文で・・・

Carlo, you must not compare host families.
(カルロ、ホストファミリーをくらべてはいけません。)
などは、まさに・・・
Don't compare host families. と同じニュアンスだとわかりますね。

一方、You have to ~ や You don't have to ~ の文を命令文にすると、状況的にかなり不自然になります。お使いの教科書で確認してみるとよいでしょう。

最近では、自由英作文の問題が多いですが、

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誘われて断る理由を述べる場合、例えばピアノの練習があるから、を表すのに・・・

I must practice the piano.
ですと、自分の意思でピアノの練習をしなくちゃいけない、と思っていることになるので、誘いを断る場合には、相手にちょっと冷たい印象を与えてしまうかもしれません。

I have to practice the piano.
なら、親が厳しいとか、発表会が近いから、というニュアンスになるので、相手に気を使った言い方になります。(もっとも、mustにしても減点されることはないでしょう。)

次に、be going to ~ と will ~ について

基本的には、話している時点ですでに決まっていた予定なら、be going to、その場で思いついたことなら will という認識でいいでしょう。

will というのは基本の助動詞で、助動詞の性質からもう少しくわしく説明できるのですが、それは長くなるので、別の機会に紹介します。

ここからが本題です。

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大手塾や大手教材会社の教材に・・・
have to=must 
will=be going to
can = be able to
などさえ、わかっていれば答えられる問題が多数みられます。

もちろん、これらの問題は販促のため、あるいは勉強したような気にさせるため、にあるものなのですが、今回は、それもおいておきましょう。

また、こういう塾に通ってたのだろうと思われる学校の先生も増えてきて、このような問題も、学校のテストでもチラホラ見るようになりました。
それもそれで、嘆かわしいことではあるのですが、今回は、これもおいておきましょう。

流行のようなものもあります。

最近では、「学校では、have to = must と教えられるけど、本当は have to と must はこんなに違うんだぞ。」というところでアピールしてくる民間も増えてきました。
元々は、民間(塾など)のほうが、have to = must で、できるようになったと錯覚させる手法を使い、学校の先生も、それに合わせざるをえなくなってきた、というのが本当なのですが、不思議な状況です。
私などは、最近、「have to と must のちがいがわからない」という生徒さんに対しては、「同じようなもんだ」と説明しますね。それから、その生徒さんの習得度などをみて、適切な段階でニュアンスの違いも伝えるよう心掛けています。

結論を言いますと、どちらにせよ、いきすぎはよくない・・・ということです。
何の話をしているかというと、

今年度から始まる大学入学共通テスト(英語)

のことです。
民間試験導入の、見送りだけがピックアップされますが、試行調査(プレテスト)をみる限り、センター試験に比べ大きな変化があります。

リスニングの得点配分が増えるのは、おいといて、試行調査の出題方のまま行くとすると、リーディングで文法問題はまったく無くなり、長文問題だけ、ということになります。

これは、かなりやばいことと考えますが、今のところ問題視されているところをみたことがありません。

すでに遅すぎるかもしれませんが、この点も、これから議論されていくことを切に願っています。

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