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なよ竹のかぐや姫(竹取物語):現代語訳とくわしい解説(解説動画付き)・・・井出進学塾〔富士宮教材開発〕
こんにちは、井出進学塾(富士宮教材開発)です。
今回は「なよ竹のかぐや姫(竹取物語)」を扱います。
古文導入としてとった動画なので、動詞・助動詞などはすべて、動画の中で品詞分解など行っています。
そのため、長めの動画になっていますので、必要な部分を切り出してご利用ください。
タイトルの次にのせてある時間は、解説動画の再生時間です。
こちらにも、解説動画のリンクを貼っておきます。別タグで開かれるので、パソコンでご利用の方は、こちらの方が使いやすいかもしれません。
また、もう一度見る場合は左下の「もう一度見るボタン」を押してください。パソコンでご覧の方は、カーソルキーの「←」ボタンで15秒巻き戻し、「→」ボタンで15秒早送りができます。
それでは、はじめましょう。
1段落 竹取のおじいさんがかぐや姫を見つけます
「古文基礎」では品詞分解から細かくみていきます。
『今は昔、』という書き出しも正しく理解しましょう。
〔取り扱い個所〕
原文
『今は昔、竹取の翁(おきな)といふものありけり。』
現代語訳
『(この物語の中の)今というのは(今となっては)昔のことでありますが、竹取のおじいさんという人がいたそうです。』
接続助詞『つつ』の用法がポイントです。
大学入試制度改革を意識した新しい現代語訳も提案しています。
〔取り扱い個所〕
原文
『野山にまじりて竹を取りつつ、よろずのことに使ひけり。』
現代語訳
『野山に分け入って竹を取り取して、いろいろなことに使っていました。〔竹を取ることを生業(なりわい)としていました。)』
「係り結びの法則」が出てきます。テストで必ず問われますよ。
しっかり理解しておきましょう。
〔取り扱い個所〕
原文
『名をば、さぬきの造(みやつこ)となむいひける。』
現代語訳
『名前を、さぬきの造(みやつこ)といいました。』
ここでも「係り結びの法則」が出てきます。また、ここら辺からしっかり状況をつかむことが大切になってきます。
〔取り扱い個所〕
原文
『その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。』
現代語訳
『(翁〔おじいさん〕がとろうとしていた)竹の中に、根本が光っているたけが一本ありました。』
存続の助動詞『たり』の重要な役割についてもお話しします。
あまり聞く機会のない話なので、知っているとすごく得ですよ。
〔取り扱い個所〕
原文
『怪しがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。』
現代語訳
『不思議に思って、寄って見てみると、筒の中が光っていました。』
「已然形+ば」は「確定条件」。超重要文法事項です。
この「確定条件」には大きく分けて3つの訳し方があります。
この作品にはその3つとも出てくるので、進学校では1年生の最初のころにこの作品が扱われます。
ここでは、その3つの訳し方も最初に確認しておきます。
最後の文も品詞分解などがテストに出やすいですね。「ウ音便」なども見極められるようにしておきましょう。
〔取り扱い個所〕
原文
『それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。』
現代語訳
『それを見てみると、三寸(9㎝)ほどの大きさの人がいて、たいそうかわいらしい人だったのですが、座っていました。』
2段落 おじいさんがかぐや姫を家に連れて帰ります。
『おはす』という尊敬語が出てきます。尊敬語が出てきたら、敬意の方向も確認する必要があります。『おはす』の活用も注意ですね。
〔取り扱い個所〕
原文
『翁言ふやう、「われ朝ごと夕ごとにみる竹の中におはするにて知りぬ。・・・』
現代語訳
『おじいさんが言います、「私が毎朝毎晩見る竹の中にいらっしゃるのでわかりました。・・・』
尊敬の補助動詞『たまふ』。助動詞『べし』。発音便と「ん」の無表記など重要文法事項が満載(まんさい)です。
〔取り扱い個所〕
原文
『・・・子になりたまふべき人なめり。」とて、・・・』
現代語訳
『・・・(私の)子におなりなさるはずの人であるらしい。」と(おじいさんは言って)、・・・』
カ行変格活用(カ変)動詞『来』の読み方を、完了の助動詞『ぬ』と打消しの助動詞『ず』との識別(しきべつ)もからめて判断できるようにならないといけません。
〔取り扱い個所〕
原文
『・・・手に打ち入れて、家へ持ちて来ぬ。』
現代語訳
『・・・(かぐや姫を)手の中に入れて、家へ連れてきました。』
使役の助動詞『す』。接続からしっかり判断しましょう。
〔取り扱い個所〕
原文
『妻(め)の嫗(おうな)に預けてやしなはす。』
現代語訳
『妻のおばあさんに、(かぐや姫を)預けて育てさせました。』
形容詞『うつくし』のニュアンスを正しくつかみましょう。
現代とは少し違います。
〔取り扱い個所〕
原文
『うつくしこと、限りなし。』
現代語訳
『(かぐや姫が)かわいらしいことは、この上なかった。』
ここでも「確定条件」が出てきます。
辞書を引くのも練習です。
〔取り扱い個所〕
原文
『いと幼ければ、籠(こ)に入れてやしなふ。』
現代語訳
『(かぐや姫は)たいそう小さかったので、かごに入れて養育しました。』
3段落 おじいさんは黄金入りの竹を見つけるようになります
少し意味がとりづらいかもしれません。じっくり読んでいきましょう。
〔取り扱い個所〕
原文
『竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけて後(のち)に竹取るに、節を隔てて、よごとに、黄金(こがね)ある竹を見つくること重なりぬ。』
現代語訳
『竹取のおじいさんは(かぐや姫を見つける前もその後も)竹を取っていたのですが、この子〔=かぐや姫〕を見つけてから後に竹を取ると、(竹の)節と節の間ごとに黄金が入っている竹が見つかることが重なりました。』
『かくて』が、重要語です。
〔取り扱い個所〕
原文
『かくて、翁やうやう豊かになりゆく。』
現代語訳
『このようにして、おじいさんはだんだん豊かになってゆきました。』
4段落 かぐや姫はあっという間に成長します。
〔取り扱い個所〕
原文
『この児(ちご)、やしなふほどに、すくすと大きになりまさる。』
現代語訳
『この子(かぐや姫)は、育てているうちに、すくすくと大きくなっていきます。』
動詞『なる』の連体形と断定の助動詞『なり』の連体形の見分け方(どちらも『なる』です)。
品詞の分類でも、重要事項がつまっています。
『髪上げ』と同じ形でも「名詞」として使われているものもあれば「動詞」として使われているものもあります。
また『とかく』の品詞は何なのか?しっかり解釈します。
〔取り扱い個所〕
原文
『三月(みつき)ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば、髪上げなどとかくして髪上げさせ、裳(も)着す。』
現代語訳
『三か月ほどたつと、(すっかり成長して)ちょうどよい大きさの人になったので、(成人女性となる儀式の)髪上げ(の儀式)などあれこれして髪を上げさせ、(成人女性の正装である)裳(も)を着させました。』
ジブリの映画のシーンの説明も、少しからめます。
〔取り扱い個所〕
原文
『帳(ちやう)のうちよりもいださず、いつきやしなふ。』
現代語訳
『(室内用の仕切りの)帳〔たれ衣〕の中からも出させないで、大切に養い育てます。』
5段落 かぐや姫はたいへん美しい姫でした
『かたち』『清らなり』などが重要語です。
〔取り扱い個所〕
原文
『この児のかたちのきよらなること世になく、屋(や)のうちは暗き所なく光り満ち足り。』
現代語訳
『この子(かぐや姫)の容貌(ようぼう)が清らかで美しいことは世にまたとないほどで、(かぐや姫がいるおかげで)家の中は暗いところがなく光が満ちていました。』
「已然形+ば」=「確定条件」の3つめの訳し方が出てきます。
けっこう大切ですね。
〔取り扱い個所〕
原文
『翁、心地悪しく苦しきときも、この子を見れば苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。』
現代語訳
『おじいさんは気分が悪く苦しいときも、この子(かぐや姫)を見るといつも苦しさがおさまりました。腹の立つことがあったときも、気がまぎれました。』
6段落 「なよ竹のかぐや姫」と名前が付けられます
2つの文でセットです。第4段落の終わりと同じ構成になっていますね。細かいところにも注意しましょう。
〔取り扱い個所〕
原文
『翁、竹を取ること、久しくなりぬ。いきほひ、猛の者になりにけり。』
現代語訳
『おじいさんは(黄金の入った)竹を取ることが長くなりました。(その黄金のおかげでおじいさんは)勢力が盛んな者になりました。』
人の名前など固有名詞は、固有名詞と意識できるよう丸(〇)で囲むといいですよ。
〔取り扱い個所〕
原文
『この子いと大きになりぬれば、名を御室戸(みむろど)斎部(いむべ)の秋田を呼びて、つけさす。』
現代語訳
『この子がたいそう大きくなったので、御室戸斎部の秋田(という人)を呼んで、名前を付けさせました。』
最初はとにかく助動詞だけでも拾っていきましょう。ここでは完了の助動詞『つ』がでてきます。
〔取り扱い個所〕
原文
『秋田、なよ竹のかぐや姫と、つけつ。』
現代語訳
『秋田は、(姫の名前を)名よ竹のかぐや姫と付けました。』
古文超重要語『遊ぶ(遊び)』が出てきます。
古文で『遊び』といったらふつう『音楽(詩歌・韓玄・舞など)を楽しむことです。
〔取り扱い個所〕
原文
『このほど、三日、うちあげ遊ぶ。』
現代語訳
『このとき、(命名のお祝いとして)三日ほど酒宴を開き、詩歌・還元・舞などを楽しみました。』
〔取り扱い個所〕
原文
『よろづの遊びをぞしける。』
現代語訳
『いろいろな音楽の遊びをしたそうです。』
〔取り扱い個所〕
原文
『男(をのこ)はうけきらはず呼び集(つど)へて、いとかしこく遊ぶ。』
現代語訳
『男という男は分け隔てなく呼び集めて、たいそう盛大に音楽の遊びをしました。』
7段落 かぐや姫の評判は高まります
ここも重要表現がいっぱいです。
連体形の用法や、注意すべき「助詞」に着目しましょう。
〔取り扱い個所〕
原文『世界の男、貴(あて)なるも、賤(いや)しきも、いかでこのかぐや姫を得てしかな、見てしかなと、音に聞きてめでて惑う。』
現代語訳
『世の中の男たちは、身分が高い者も身分が低い者も、何とかしてこのかぐや姫を、手に入れたいものだ、関係を持ちたい(結婚したい)ものだと、(かぐや姫の)評判を聞いて(かぐや姫を)思いしたって心を悩ますのでした。』
以上です。ありがとうございました。
コメントなど、いただけると、とてもうれしいです。
執筆:井出進学塾(富士宮教材開発) 代表 井出真歩
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