今年度の入試日程はどうなっているか?改めて今年度延期案に賛成します。井出進学塾

こんにちは、井出進学塾です。
今年度の入試がどうなっているか?・・・なかなか、関心のある人以外には伝わっていないようなところがあります。

くわしく、そしてわかりやすくまとめられているブログ記事などは、たくさんあります。(一番下に、参考記事として紹介させていただきます。)

ここでは、この問題に関心のない方にも伝わりやすいように、あえて、私の主観を中心にお話しさせていただきます。

もちろん、賛同できないという点も多々あると思います。また、専門性が欠けているという指摘もあるかもしれませんが、そこらへんはお許しください。

もともと、誰もが教育行政や文部科学省のしくみについて、専門的な知識を持っているわけではありません。
では、そういう人は意見をいってはいけないのか?・・・といえば、それもちがいますよね。そういうところも問題提起したいと思います。

話をもどしましょう。
まず、私の意見としては、最初から・・・

今年度1か月延長案に賛成です

(最初から・・・といっても、塾のスタッフ2人に言っていたというだけですが・・・)
私がイメージしていたのは、改元のとき長期連休がありましたよね。あれを、先の方に伸ばし、ゴールデンウィーク明けに高校・大学の入学式、というものでした。
3か月休校期間があったのだから、それをとりもどすために、1か月延期が妥当なところと考えますし、今でもそう考えています。(「3か月延期」だと、とりもどしていけませんからね。もっとも、今後のコロナの第2波、第3波で状況は変わってくるかもしれませんが、それはまったく別の話です。)

(「9月入学」については、賛成でも反対でもありません。どちらかというと、「今年度延長案」と完全に切り離すべきという問題意識を持っています。)

そして、「今年度延長」の基準というか先導として、新しく始まる大学入学共通テストと、各都道府県の公立高校入試の1か月延期に賛成です。

これは、共通テストそのものの延期に賛成というよりも、それに合わせ国公立の2次試験、またしっかりした私立大の入試日程も後ろにずれるので賛成ということです。それにより、標準的なカリキュラムで勉強している公立高校の高校生のうち、本来、追いつけるべき人が追いつける状況が保証されます。しかるべき大学に挑戦する機会を・・・ということです。

言い方は悪いですが、誰でも入れるような大学のことは、どうでもいいです。その人たちがどうでもいい、ということはないですが、国の教育行政として、どこを重視すべきか?・・・という話です。

ここまでの行政の動き

私としては、当然、ほっといても1か月延期になるだろう、と思っていました。今でも、わりとそう思っています。そうせざるをえないはずですからね。

先に「9月入学」の話をしておきましょう。
実はいまだに、この問題に関心がある人以外の大多数の人に、その意味が伝わっていません。ほとんどの人は、「9月入学」について、遅らせるというイメージしか持っていません。
5月になって、文科省が9月入学に移項するとしたらのモデルを提示し、そこで初めて、保育園でいうと今の年中さんのうち8月生まれまでが、来年の9月に新1年生になる。これはモデルの中の1つなので、ほんの1例なのですが、「遅らせる」のではなく「早める」のが9月入学だと、そこで初めて知った年中さんの保護者さんも多くいたようです。(今でも、このことは当事者の方々以外、あまり認知されていないと思います。)

私としては、この文部省の発表で、9月入学論はおちつき、今年度延期案が本格的に議論されるだろう、と一瞬、安心したのですが、そうはならなかったですね。
「今年度延期」に賛成するほうからすると、旗色の悪い状況が続きました。

象徴的なのが、高校に対して行われた「令和3年度大学入学者選抜に関するアンケート」です。ここで、共通テストの日程は当初どおりを希望する高校が過半数、ということになってしまいました。
このブログでは、数字とかエビデンスとか、そういうものを出す方針ではありませんが、全高校生が、今1学年で大体100万人ちょっと、ここ数年センター試験の受験者数は50万人ちょっと、およそ半数程度が共通テストを利用する、ということになります。半数以上は共通テストの日程など、あまり関係ないので、こういう結果になってもおかしくはないでしょう。

ここは、決して多数決で考えるべきことではなく、何を重視するかです。国として、教育のしくみを重視しないでどうするのだ、ということです。

ともあれ、この数字も頼りに、文部科学省は共通テストの日程は変更せず、という方針を出しました。

現時点での、共通テストの日程

ここで予想外の展開をみせます。
6月19日公表「令和3年度大学入学者選抜実施要綱」の内容です。

ここでは、
①「第1日程」 1月16~17日
その2週間後に ②「第2日程」 1月30~31日
そのまた2週間後に ③「特例追試」 2月13~14日
の3回に分けて、共通テストを行うと発表されました。

確かに、日程は延期されていないようです。
しかし、これは実質的な延期といってよいでしょう。

従来の追試は、本試の1週間後に行われていました。
今年度でいえば、1月23~24日に行われるものでした。

最終ラインで比べますと、今回の第1入試の2週間後+2週間後で計「4週間後」の特例追試、本試の「1週間後」に行われる通常の追試、・・・
実際に大学がこの結果を使うとすると、その差3週間の延期ということになります。

むしろ大学側の方が、「延期しないと言ったのに・・・」と、文部科学省に対して不満が多いでしょう。また、大学への志願書提出の時期などで、これからひともめあるでしょうから、予断はゆるしません。

私としては、3週間の延期は、とりあえずよかった、というところです。
国立大の2次試験は、実質2週間程度の延期になるでしょうが、テンション高く、それまでしっかり勉強してきた高校生の方にとっては、この2週間は大きいです。3か月の休校に比べれば短いですが、ないよりあったほうがいいに決まっています。追いつけるべき人が追いつける状況に、少しでも追いつけた、ということです。(私も勉強を教えたり解説動画をあげたりしていますが、高校生の何がすごいって、3年でそこまで仕上げるところです。)

私立大にしても、「より良質な生徒を確保する」ことと「受験料収入」のバランスの上でのことでしょうが、より良い方向の判断がしやすいと思います。

現場(受験生や各大学)は、ものすごくたいへんでしょうが、ここから先はそれぞれの裁量で最善を尽くしていくところのようにも思えます。
いっしょにがんばっていきましょう。

とはいえ、この日程がこのままいくとはおもえないです。

試験会場となる大学の負担、なにより、これから3つ目のテストをつくれるのか?など、多くの問題があります。
また、第1日程と特例追試まで1か月近くの間隔があります。共通テストの公平性という観点からも、ちょっと考えられないです。文科省の方では、コロナの流行も想定しての日程ちらし、ということですが、解決策にはなっていないでしょう。

これから、どうなっていくか?あくまで予想にすぎませんが、いくつか展開を考えてみます。まず、私の希望としては、・・・

①特例追試に合わせる

特例追試が2月13~14日でいいなら、本試を2月6~7日、追試を2月13~14日にすれば、すっきりしていいのでは、と思っています。

次に、ツイッター上で最近よく目にする意見ですが

②第1日程の問題をサンプル問題とする

第1日程のものでないといけないということはありませんが、どうせ3つつくるなら、1つをサンプル問題として公表すればよいのでは?という意見です。
これは、まことにもっともな意見で、なにしろ大学共通入学テストは新しく始まるテストです。その問題も多々指摘されています。
一昨年前とその前の年にプレテストが行われ、その後、英語民間テストや記述問題の見送りが決まりましたが、それを受けて実際の共通テストがどうなるか?不透明な部分が多いです。
第1日程の時期に公表する必要はまったくなく、これらの議論を通じて、より早い時期にサンプル問題の公表につながれば、それはよいことです。

③共通テストは使わない

これもツイッター上で最近よくみられる意見です。国立大学ではまったく使わないわけにはいきませんが、その配点をグッと下げ、二次試験の結果中心に合格者の選別をしてくところが増えるのではないか?という意見です。
ただでさえ不確定要素の強い共通テスト、そして、その日程。こういう選択をする大学は、けっこうたくさん出てくるようにも思われます。

後、最悪の予想としては、文科省が日程を散らすのも無理と判断し、予定通りの本試日程、その翌週に追試、というパターンです。こういう方向に行かないように注視していきましょう。

高校入試(現中学3年生)について

実はこちらの方が問題だと思います。ですが、あまり議論に上がりづらいところですね。

すでに、東京都など入試範囲の削減を決めたところもあります。入試範囲の削減もとても残念なことですが、先生や生徒の負担を考えればここでとやかく言えることでないので、おいておきましょう。
問題は、自治体レベル、あるいは各学校レベルで、そこまでせっぱつまっているところも多いということです。考えていかなければいけないところです。

私の1か月延期案では、例えば静岡県の公立高校入試は3月の初めにあります。これが4月の初めになるということですね。なんなら、卒業式の後に入試でも、いたし方ないと思います。中学校のフォローが必要なので、新中学1年生の入学が4月半ば以降ということになりますが、それもいたし方ないでしょう。夏休みが短くなった分、少し春休みがのびるということでいいでしょう。

ここまで遠慮がちに書きましたが、やはりスパッと

「今年度に限り1か月延長案」に賛成します。

今後の展開で1か月ですむのか、というところもありますが、最初からこうしておいた方が、対応もしやすいでしょう。

小学校、中学校などでも、進度をとりもどすためきつきつになって、余裕がなくなっているところも多いようです。

小学校6年生のめいっこがいるのですが、(1年生の)ペアの子の世話をしたいのに、先生がひどくて休み時間にやることがいっぱいあってできない、と言ってました。
そういえば先日、1年生の世話ができると楽しみにしていた新6年生の子が、3か月の休校期間に精神を病みかけた、というニュースをみかけました。
こういう話は、本当に胸が痛みます。

まず、1か月。それだけで、だいぶいろいろなところによゆうが出てくると思います。みなさんは、どう思われますか?

以上です。
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執筆:井出進学塾(富士宮教材開発) 代表 井出真歩

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