職業訓練の多様化とスーダンのSDGs(2019年8月号)

※本記事はIDCJ SDGs室がこれまでのメールマガジンで取り上げた特集です。掲載内容はメールマガジン発行当時の状況に基づきます。

職業訓練と聞くと皆さんは何を思い浮かべますか?
スーダン(※)の職業訓練は、日本と同様に、就職に繋がる技術の習得を主目的としています。これまでは日本の中学校に相当する基礎教育の修了者を対象に、3年間の技術訓練が政府によって提供されてきました。
内容は、製造業に必要な機械加工や電気、溶接等、伝統的な工業系の技術が中心です。都市部ではITのコースもありますが、どのコースの訓練生も多くは男性です。
また、3年間の訓練を修了しても就職先が見つからない場合がみられます。

他方、女性を主な対象とする職業訓練は基礎的な縫製や食品加工が中心で、援助機関が提供する不定期な短期コースが主流です。障害者や失業者といった社会的弱者を対象とする職業訓練は日本のように法整備はされておらず充実していません。

スーダン政府は、SDGs達成に向けた行動を公約しています。SDGs達成のための社会変容として、持続的で平和なコミュニティの創設や国内格差の是正とともに、女性の教育への投資、就業と雇用機会の創出を挙げています。

2016年に始まったJICAの職業訓練システムの強化に係る技術協力プロジェクトでは、労働市場のニーズに応じた職業訓練の多様化を通じて、就業が困難な人への就業・雇用機会の増加を支援しています。
女性訓練では従来の基礎的な技術の習得にビジネススキルの習得を導入し、より実践的な訓練を提供することで、就業機会に繋がる職業訓練を目指しています。

※スーダン:2019年4月11日にクーデターが発生し混乱が続いていたが、8月17日に民政移行期間(3年3か月)の軍部及び文民による共同統治のための暫定憲法の調印式がハルツームで行われた。平和的な民政移管の実現が期待される。

参考:
SDGsの各ゴールについて解説:
□Goal5「ジェンダー平等を実現しよう」

**********************************

IDCJ SDGs室では、毎月1回発行しているメールマガジンにて、SDGsの基礎からトレンドまで最新情報を配信しております。メールマガジン登録ご希望の方は、以下よりご登録ください。購読は無料です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?