風になりたい
ないものねだりのヒトという存在は、
自分の都合で?現実逃避で?憧れて?
「〇〇になりたい」
と、ふと想うもの。
このコロナ渦の退屈の中で、
私は時間をもてあますことを経験した。
いつからだろう?
なにかに急かされて、いつもいつも「忙しい忙しい」。
いつ死んでも?すぐ死んでも構わない、なんて、
結構、危うい思考に至るほどに追い詰まっていた。
今思えば、勝手にだ。
館山の海に、夕陽が沈む。
秒針も音もなく、空の色を変えながら。
あっという間の、かけがえのない、短い時間。
ずっと、海と空を眺めていた。
すぐ近くまで夜が迫っていた。
時間は尊い。
だけど、今は想う。
生まれた場所も、帰る場所も、それがいつかもわからない。
「ていねいに生きること」
二度と会えない、今吹く風を感じながら、
たいせつに日々を紡いでいこうと。
私には、あたり前のそれがとてもとても難しい。
風になりたい
あおいあおい風が吹き抜ける あの浜辺に
空を泳ぎ疲れた 白いカモメが羽を休めてる
それはそれは静かな 凪の夜更けに
そっと耳をかすめる やさしい温もり 頬をなでる
先立つ現在よりも昔話が なぜかやさしい
荷物を捨てて ただ風になる
果てなき宙を 吹く風になりたい
たゆたうように 空を漕ぎ続ける
わたしは いま 風になりたい
とおいとおい記憶 寄せては返す波間に
そっと煌めく 波の花が微笑むだけ
失くしてしまったものばかりが とてもなつかしい
すべてを捨てて いま風になる
大きな空を 吹く風になりたい
あるがままに 羽根をはためかせる
わたしは いま 風になりたい
あの日のわたしが いま 背中を押してくれる
めぐる出会いが 教えてくれたの
やさしさの意味を 命の限りを
いつの日にか あなたを包み込む
わたしは いま 風になりたい
荷物は捨てて いま風になる
果てなき宙を 吹く風になりたい
たゆたうように 空を漕ぎ続ける
わたしは いま 風になる
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