不安感は保安官に任せよう
僕たちは、不安感を抱くことがある。
「もし、こうなったらどうしよう…」
「ここでこんなことが起きたら…」
「想定外のことに出くわしたら…」
「ちゃんと動けるかなぁ…」
一度でも、不安感が顔を出すと。
ソイツはなかなか離れない。
どころか、べったり貼り付いてくる。
やめてくれ。
僕の日常を支配しないでくれ。
そんなとき。
僕は、あの人に連絡する。
「もしもし?急で悪いんだけどさ、またアイツが出たんだ!手を貸してくれないか?」
「Hey!ブラザー!そろそろ来る頃だと思ったゼ!任せときナ!」
「ん?横にいるのは誰ダ?
あぁ、読者ネ。ヨロシク!
え?ミーが誰かだって?」
「ミーは、
不安感保安官サ!!!!!!」
「ミーの仕事は、不安感に襲われたユーのハートを安全に保つことサ!」
「ユーに悪さする不安感っていうバケモノから、大切なユーのハートをガードするのがミーの仕事だゼ!」
…多少、喋り方に癖はあるが。
不安感保安官が来ると、不思議と心が落ち着いてくる。
「ミーが来ればもうダイジョーブ!心配ムヨーネ!」
「さっそく、お仕事始めるヨ。」
「まず、深呼吸シテミヨー?」
僕は大きくゆっくり呼吸をする。
時間をかけて。
たっぷりと。
あぁ。これだけで幸せだ。
じんわりとした幸福感が、全身を包み込む。
ふと、隣に目をやると。
不安感保安官も一緒に、深呼吸している。
だが、息を吸い込む音と息を吐く音が異様にデカい。
「ぶほぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」
「ほぉおぉおおおぉぉぉぉふうぅぅぅぅ!!!!」
僕は思わず吹き出す。
そんな僕を見て、不安感保安官はニヤッと笑う。
「ユーは、いつもここで笑うネ!」
「そんなオモシロイ?」
「でも、これでミーの仕事終わりネ。」
不安感保安官の仕事は、笑わせること。
笑わせることで、心の安全を保ってくれているらしい。
「また、不安感がやってきたら、いつでもコールしてくれよナ!」
「“どこにでもあるドア”で駆けつけてやるゼ!」
…それを言うなら“どこでもドア”だろ。
それに、ドアなんかなくてもいつでも会えるじゃん。
「ユーは、テキビシイ!」
「それもイイトコロ・ジョージア・マウンテンバイクだゼ!ベイベー!」
…相変わらず、口調はウザイが。
ありがとう。不安感保安官。
あと、いい加減、呼びやすい名前を教えてくれ。
みなさんも、どうしようもない不安感に襲われたときは。
不安感保安官を呼び寄せてみて。
きっと、オカシな言葉と優しい心で、元気にしてくれるはず。
では。また。いつか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?