見出し画像

線維筋痛症の起こり

筆者は出版社に務める会社員。
40手前までに5回転職してきました。
通販カタログの編集、印刷会社の営業、お店の予約サイトの営業などを経て、やっと憧れの出版社に入れた!・・・そんな矢先のことでした。

職種は電子書籍(おもにコミック)の販促営業。正社員として入社。
子どもの頃からずっと漫画好きな自分にはうってつけの仕事だった。
入社3年目までにメキメキと知識やスキルをつけ、他の先輩と同様の業務や、先輩の手が回りきらないコンテンツの制作・販売で独自の売上も築いたりして、仕事はまさに絶好調。

そんな中、同社に10年以上在籍しながらずっと契約社員の先輩(♀)が1人。
ずっと契約社員である理由は、部長と馬が合わないこと、他部署と揉め事を起こしやすいこと、業務上でブラックボックスを作る(ここ重要)ことなどが挙げられるようでした。仮にK先輩としておきます。

そのK先輩がある日から、無断欠勤をするようになった。
何回かとかではなく、ある日を境にパッタリと。
電話にも出ず、LINEをしてもずっと未読のまま。
さすがに心配した同じくベテランの社員数名で家まで行き、ようやくコンタクトを取れたけど、とにかくしばらく出社できないとのこと。

彼女の持っている仕事を、現メンバーで分担しなければならない。
ただ奇しくも、ベテランの先輩の1人(♀)は産休、1人(♂)は子育てのために時短で就業しており、他には契約社員・派遣・バイト・業務委託の人しかいないため、必然的に自分に最も多く分担が回ってきた。
その業務の1つが、某コミック編集部の担当・・・。

我々のすぐとなりの島に席を構えている編集部で、特に編集長が曲者だった(ここ重要)。常にムスッとしていたり、席にいるときは大声で誰かの悪口を言っていることも多く、他部署に対するクレームも多い。部下の編集者たちは苦笑していたが、誰も逆らえない(もう慣れている)状態

そんなコミック編集部との会議でよく話題になっていたのが、配信契約が進んでいない作家さんが多数いる、というものだった。
上述のようにK先輩は業務上でブラックボックスを作る、つまり自分だけが把握していて誰にも共有していないことが非常に多く、会議で言及された配信契約がどうなっているのか、諸先輩方も含め誰も把握していなかった

本人にもまた連絡が取れず、やむを得ず上長の許可を得て、彼女の机の引き出しの中を漁ってみたら・・・ビンゴだった。
何十、いや、百を超えていたかも知れない。
締結前の契約書が大量に仕舞われていた。
そのことを編集部に報告したら案の定、大激怒。

「いない人のせいにしないで、部署の問題なので最後までちゃんと責任取ってください」
と、ごもっともな正論を怒号に乗せていただいた。

自分と派遣さん1名とで対応に当たった。
・作家さんへのお詫び状を作成し、契約書と一緒にお送りする。
・完了したリストを常に編集部に共有(到着前に先生に一報入れるため)。
・作家さんから契約書が戻ってきたら法務に回す。
といった作業を、間違いのないようチェックしながら100人前後の先生に対して行いました。もちろん、日々の業務をこなしたうえでのことなので、ほぼ毎日終電か、終電を逃してタクシーで帰る生活になりました

この頃から、体中に謎の痛みが出るようになりました
元々持っていた肩こりの範囲が徐々に広がり、痛みも体の芯のほうから来る感じで、整骨院に行っても「岩のようにガチガチ」と言われ、休日はほぼ整骨院に通って電気療法や指圧を受けるようになった。
尚、休日出勤も余儀なくされたため、おもに仕事に行く前後に寄っていた。

左半身の凝りがほぐれれば今度は右が、次には首や太もも、凝りだけではなく痺れるような痛みも体のあちこちに現れ、ついには夜も眠れなくなっていきました

この契約書の対応をしている間も、某コミック編集部からは次々と無理難題を押し付けられ、K先輩がやると言ったままずっと放置していた業務など、容赦なく押し付けられた。
K先輩の仕事の尻拭いをする前から深夜残業をすることが多かった自分は、体の痛みがなかったとしても、とてもじゃないがこなし切れない業務量であると、上司に相談もした。
ただ、こちらも上述したように、ちょうど人手不足の時期だったため、上司からは「何とかしてくれ」の一点張り。

常に体中のあちこちが痛く、めまいや立ち眩みもしょっちゅう起こすようになり、何かの病気であると判断した自分は、整形外科を受診した
そこでは、首ヘルニアの疑いがあることや、ストレートネックになっているという診断を受けたが、この痛みはそんな類のものではないことは自分で分かったため、リハビリで通うようなことはしなかった。

ネットで疼痛専門のサイトを発見し、権威があるらしいペインクリニックというところにも行った。そこでは、生まれつきの骨格から来る胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)だと言われ、腰にはヘルニアがあるかもしれないとも言われ、腰にブロック注射を打たれた
しかし、これも的外れだった。痛みが引くことはなく、治療費と時間だけが失われていった
他に大学病院にも行ったが、まったく原因はわからなかった

体中が痛い中でほぼパニックになっており、とにかく痛みが引かないことには日常生活もままならず、友人と飲みに行ってもずっと引きつった顔のままで、まったく楽しい時間を過ごすことができなかった。

そこで、考え方を改めてみた。
自分は激しいストレスを抱え、体の痛みはそのストレスから発生していることにほぼ間違いないのだ。
そう考えると、痛みの症状から原因を特定するよりも、原因をストレスに絞り、ストレスが原因で体が痛くなる病気がないかを探すのが近道ということになる。

早速ネットで検索してみると、すぐにある病名がヒットした。それが「繊維筋痛症」だったのです。

(つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?