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新潟産課題解決モデル構築に向けて -ビジネスの鍵を握るマーケティング戦略を学ぶ! 【ヘルスケアビジネスコース#3】

2021年8月5日 (木)、にいがたヘルスケアアカデミー・ヘルスケアビジネスコースの第3回講義が開催されました。

今回のテーマは『市場環境分析と競合優位性/マーケティング』、講師にはライフタイムベンチャーズ代表パートナーの木村亮介氏を迎えました。

本記事では、ヘルスケアビジネスコース第3回講義の様子を簡単にお伝えします。アカデミーに興味のある方、新潟のヘルスケアを良くしたいという思いをお持ちの方、医療課題に対してアクションを起こしていきたいと思っている方は必見です!


『ヘルスケアビジネスコース』 全体スケジュール

2021年7月から始まったヘルスケアビジネスコースは、下記スケジュールで進んでいます。

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講義 『市場環境分析と競合優位性/マーケティング』 -木村亮介氏

■ 木村亮介(きむら・りょうすけ)氏
ライフタイムベンチャーズ代表パートナー

一橋大学商学部経営学科卒業。PwCアドバイザリー合同会社及びKPMGヘルスケアジャパン株式会社にてインフラ/ヘルスケア領域に関するコンサルティング業務に従事した後、独立系シードVC・インキュベイトファンドへ参画し、ispace、Gatebox、Misoca、ベルフェイス、iCAREなど40社超の投資先支援に従事。2017年1月にライフタイムベンチャーズを設立し、ヘルスケア領域を含むプレシード/シードステージに特化したインキュベーション投資を行っている。経済産業省J-Startup推薦委員、ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2018-2021審査員、Healthcare Innovation Hub(InnoHub)アドバイザーを務める。

木村


講義の内容

・市場環境分析と競合優位性
・マーケティング戦略
・初期スタートアップのマーケティング戦略
・初期ヘルスケアスタートアップのマーケティング戦略
・現役シードVCが教えるビジネスプランコンテストの闘い方

講義の様子

本日の講義は、事業の成功には欠かせないマーケティング戦略を、海外の事例や実際に数多くのスタートアップに関わられてきた木村さんの事例もご紹介いただきながら学んでいきました。

アカデミー生の真剣に話を聞く姿からは、新潟の課題解決に向き合う強い熱意が感じられます。これからチームでビジネスプランを作成していくアカデミー生にとって、非常に学びとなる時間でした。

講義のポイント紹介

講義の中で木村氏からお話のあったポイントを、一部紹介します。

■ 木村さんが考える「認識すべき特殊性」
ヘルスケア領域で事業を立ち上げる際に考慮すべき5つの特殊性を紹介します。

1. 規制産業としての制約の多さ
2. エビデンス重視の文化
3. コンシューマー課金の難しさ
4. 産業内部での伝言ゲームの多さ
5. 専門性のある人材の分断

複雑系な経営課題を打破できる事業ストーリーと経営チームが作れるかが鍵となります。

■ 木村さんが考える「意識すべき提供価値」
ヘルスケア業界においては、共通文脈を意識した提供価値の明確化が重要となります。共通文脈としては、患者アウトカムと提供コストの最適化と、人的資源のボトルネック解消が挙げられます。エンドユーザーへの提供価値と、医療保険財政/産業界への提供価値の双方を設定すべきだと考えます。


■ 初期スタートアップのプロダクトリリース後によくある3つの課題
1つ目の課題は、ユーザー獲得の難しさです。プロダクトをローンチした後、無料デザインをオファーしたりソーシャルメディアを運用したり、修正を重ねたりと色々と策を講じても、結果に結びつかないことはよくあります。

2つ目は、やることが増えるということです。スタートアップは、大企業と比べて各部門に分かれていないため、採用・仕入れ・企画・開発・テスト・テプロイ・販促・営業・サポートなどの工程を、全て自分達でやらなくてはなりません。とにかく、やることが多いのです。

3つ目は、時間や情熱の使い方が変わるということです。プロダクト開発後は、組織全体のスループットが向上するため、自分の時間配分が変わり進捗感がなくなるほか、自分が情熱のもてない作業時間が増えることがあります。

以上のような課題に上手に向き合っていけるよう、準備をしていきたいですね。


■ スタートアップ失敗原因の大半は「ニーズがなかったから」
VCから出資を受けたスタートアップですら、その多くが失敗している現状があります。スタートアップは、VCからの「今ユーザーは課題にどう対処しているか」という質問に答えられなければなりません。それは、ユーザーにとって重要な課題なら、何らかの方法で対処しているはずだからです。

また、「ユーザーにどう売りに行くのか」も同様です。潜在的なユーザーはいても、顕在化させられないと意味がありません。予算が見えなければマネタイズもセールスもできないため、ユーザーが割ける予算というのも把握する必要があるでしょう。

ニーズがないものを作らないこと、これは当たり前のようですがとても大切なことです。


まとめ

今回は、ビジネスを作り上げるうえで欠すことのできないマーケティング戦略について学びました。アカデミー生は一連の講義の学びを活かしながら、チームごとに新潟のヘルスケア課題解決に資するビジネスプランを作成していきます。9月25日の発表会までに、どのようなビジネスプランができあがるか楽しみですね。運営メンバーも各チームを全力でサポートしていきます!

木村氏のオススメ本

■ 『図解ポケット コトラーのマーケティングがよくわかる本
 著者:宮崎哲也

■『ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー
 著者:佐藤尚之, 津田匡保 マンガ:おぐらなおみ

■『図解ポケット  ポーターの競争戦略がよくわかる本
 著者:中野 明

■『情報大爆発  ーコミュニケーション・デザインはどう変わるか
 著者:秋山 隆平

このような本も参考に、さらに学びを深めていきましょう!


にいがたヘルスケアアカデミー
受講生:新潟のヘルスケアをより良くしたい!と考えている県内外の方々
主催:ヘルスケアICT立県実現プロジェクト
運営:株式会社BSNアイネット・ハイズ株式会社
後援:新潟県
Twitter:アカデミーの活動や関連情報、新潟のヘルスケア情報や潜在的な課題などを発信しています。

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