「聞くことの誤解を解く:より豊かなコミュニケーションへの道」

聞くこと、これはまさに日常でよく耳にするけれど、意外と誤解をしている人が多いテーマですよね。今日は、この「聞くことの誤解」について、少し注意喚起をしてみましょう。どうしても、日本の夏の暑さと同じで、いつの間にか身についてしまった誤解を一緒に冷房で涼しく解消していきましょう。

まず、「5W1H」です。これは報道やビジネスの世界で事実を明らかにするためによく使われる手法ですね。しかし、なぜかプライベートな会話でも「いつ?どこで?誰が?何を?なぜ?どうやって?」という質問を投げかけることがあります。友人が「今日はちょっと疲れてる」と言ったときに、いきなり「なぜ?どうしたの?」と聞くのは、まるで小さな探偵が事件を解決しようとしているみたいですね。でも、実際には相手はただリラックスして話したいだけかもしれません。これはまさに、日常会話における「5W1H」の誤用ですね。

次に、コミュニケーションの本質についてです。確かに、人と話すことは大事ですが、実際には多くの人が心の中では「自分が話したい」と思っています。これは、料理を作るときに自分の好きな食材ばかり使いたくなるのと同じですね。でも、相手が話をする時間が多いほうが、実はコミュニケーションは上手くいくという研究もあります。なぜなら、人は自分の話を聞いてもらえると嬉しいものですから。これを「お得なコミュニケーション」と呼んでみましょうか。相手の話を8割聞くことで、実はあなたのストックも10倍に膨らむかもしれませんよ。

最後に、本当のコミュニケーションとは何か、という問題です。整理された話は、確かに伝えやすいですが、人間関係を深めるには限界があります。真のコミュニケーションは、ちょっとした昔話や、整理できていない生の感情を共有することから生まれるものです。これは、昔の飲み会が良かったと言われる理由の一つかもしれませんね。アルコールが少し入ると、人は普段よりもオープンになり、話しやすくなりますから。

おまけですが、私がとても失敗するのが説得しようとしてしまうことです。
説得するという行為は、一見して非常に合理的で論理的な手法のように思えますよね。でも実は、それが時としてうまくいかない理由があります。人間というのは面白いもので、納得したいと思う一方で、説得されることに対しては抵抗を感じる生き物なんです。

これをわかりやすく例えるなら、みなさんお好きな寿司ですね。寿司屋さんでお寿司を食べるとき、自分でネタを選ぶ楽しさがありますよね。でも、店員さんが「このマグロ、絶対おいしいですから!」と言って、強引にオススメしてきたらどうでしょう? たとえそれが本当に美味しいマグロだったとしても、ちょっと嫌な気分になるかもしれません。これが「説得されたくない」心理の働きです。

この「他人にコントロールされたくない」という感覚は、自分の意志で決定したいという強い欲求からきています。説得という行為が、相手にとってはその自由を奪うように感じられることがあり、それが抵抗感を引き起こすのです。

だから職員室でも教室でも家庭でも、もし相手を納得させたいと思うなら、説得するのではなく、ガイドするようなアプローチをしていきたいですね。相手自身が納得できるように、情報を提供し、選択肢を提示して、最終的な決定を相手に委ねるのです。まるで、美味しい寿司を前にして「どれにする?」と聞かれるような感じで、選ぶ楽しみが感じてもらえるといいです。そうすると、相手は自分で決めたという満足感を得られ、納得することができますよ。

要するに、聞くことの誤解を解いていくことで、もっと健全で楽しいコミュニケーションができるようになります。もちろん、これは一朝一夕にはいかないでしょう。でも、今日から少し意識を変えてみるだけでも、大きな変化が見られるかもしれませんよ。さあ、今日からは「聞くこと」を新たな視点で見直してみませんか?皆さんのコミュニケーションライフが、より豊かになることを心から願っています。

参考
成功している人は、なぜ聞き方が上手いのか?
著 八木龍平

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