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今年の言葉

「自分史上、最高に忙しかった年」を毎年、更新しているような気がしますが、それにしても今年は別格でした。そんな一年の忘れ難い言葉を。


「この先生がすごい素敵な方」

NHKニュースなるほどゼミで私の授業と児童へのインタビューがVTRで流れた後、それを見た横山由依さんが発した言葉。この場面、教室で3回、見返しましたよ。「見ろ!ここがこの番組で一番大切なところだ!」って叫んで。児童からは大ブーイングでしたが。

ちなみにこの発言が出る直前の児童へのインタビューでは「人間の先生とAIの先生とどちらがいいか?」という質問に対して、全員が「人間の先生がいい」と答えていました。

2024年もそう言ってもらえる教師でありたいものです。

AIの先生よりもずっと素敵な人間の先生

「そうするとね、湯気が違うんですよ」

LEARN Teachers AcademyとATACで京都を訪れた際、料理研究家の土井善晴先生とお話しする機会がありました。その時、何かの話の流れで、土井先生がチャーハンの作り方について語ってくださったのですが、これが忘れ難いです。

「家庭にあるガスコンロは火力がそんなにないでしょう? だから、家庭でチャーハンを作るなら弱火でじっくり火を通すといいんです。かき混ぜたらお米をつぶすだけです。」

もうそれだけで「なるほど!」と思うことしきりだったわけですが、その後に土井先生がおっしゃったんですよ。

「そうやってチャーハン、作ってみなさいな。そうするとね、湯気が違うんですよ。」

その時の土井先生の顔は、今、まさにその湯気を見ているようなそんな表情で、聞いている僕にもチャーハンの湯気を感じさせるに十分なものでした。翻って、自分が子どもたちに何かを伝えるとき、そこまでの納得感を与えられているだろうかと反省することにもなりました。うん、まずはチャーハン作ろう。

家庭の台所でチャーハンを作っているところ

「MAX、3つ」

青森で前多昌顕先生が長尾中華そばに連れて行ってくださったときのことです。「オススメは何ですか?」と聞くと、前多先生は即答。
「煮干しを感じたいならごくにぼMAXです」
「じゃあ、それでお願いします」
すると前多先生は店員さんの方に向かって一言、

「MAX、3つ」

その言い方がなんだか格好良かったんですよ。こんなに決然とした、確固たる決意と迷いのない信念を感じさせる注文を見聞きしたことはありませんでした。東京に帰ってから「よし、俺もああやって注文するぞ!」と思ったのですが、私が行くラーメン屋はどこも食券制で未だできていません。

今度、青森に行ったときに私もそうやって注文したいと思います。

ごくにぼMAX

「学校の中に『こうでもいいんじゃない?』というゆとりができるといいな」

2019年以来のフル対面開催だったICT×インクルーシブ教育セミナーvol.6での佐藤牧子さんの締めの言葉から。

そうなんですよね。学校ってどうしても「こうでなければならない」「こうであるべきだ」みたいなのが多いのですが、そういう中で「こうでもいいんじゃない?」という発想、もっと出てくるといいな、と思います。佐藤さんの言う通りです。

でも、そんな佐藤さんが私にかけてくれる言葉は「それは進めなければなりませんね」「そのお話は是非受けるべきです」「今、これをしないなんてあり得ません」的なことが多い気が…。私の返事ですか? それはもちろん「はい」と「Yes」と「喜んで」しかありません。

結果、私のスケジュールからは「ゆとり」がどんどんと削られていくのでした。(まあ、それを補って余りあるほどの成果が上がっているからいいのですが。)

学校の「こうでなければならない」「こうであるべきだ」という発想から脱却して「こうでもいいんじゃない?」と考えている場面

「間違いを指摘できたからこそ、勇気があったからこそ、本当の友達なんじゃないか」

私が初めて生成AIを活用して行った公開授業(道徳)における児童の発言。

これは「絵葉書と切手」のお話について考えている中での発言だったわけですが、「間違いを指摘する」「間違いを指摘される」ってやっぱり大切なことなんですよね。それは勇気を必要としたり、決して心地よくないものであったりするかもしれないけれど、でも大切なんですよ。

必要なときに間違いを指摘できるような、間違いを指摘されたときはそれに耳を傾けられるような、そんな人間でありたいものです。とても難しいことですが。

「非有識者連合」

ほんの洒落で言ったことがなぜ私の周りでウケたのか謎ですが、とりあえずステッカーと歌はできたのでした。

非有識者連合のステッカー

おわりに

本当に色々なことがあった1年でした。あまりに忙しすぎて五十肩が治ったことに気づかないくらいでしたが、「今年は結構、頑張ったんじゃないの?」と自分を労いたいような気分になっています。まあ、今年もあと2日ですからね。

ところでタイトルの絵は「『2023年の思い出深い言葉』の絵を描いてください」というプロンプトでAIに描かせたもの。非有識者連合のステッカーもそうなのだけれど、スペルがちょいと違っている辺り、もはや味わいに感じられるようになってきました。

さあ、来年はどんな言葉に出会うことができるでしょうか? 

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