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物理の法則

家に入ろうとした瞬間に上から鳥のフンが降ってきた。
長いスカートの裾を踏んづけて階段から落ちそうになった。
丸めた紙屑をゴミ箱に投げたら外れた。
ビールの入ったグラスを倒して、半分も飲まずに終わった。
グラスを洗おうとしたら手が滑って割れた。
そのグラスを片付けたら指を切った。

先日一日で体験したことなのだが、昔の自分だったら
「はあ〜、なんでこんなにツイてないの!」
と、イライラしたはず。
だが半世紀以上生きてきた私は、そんなことでは動じない。
なぜならこれは全て、物理の法則に則った現象であり、そのルールの中で生きさせてもらっている以上、受け入れていくものだからだ。
物理の法則さま、自然界の法則さま。わたしは一生あなたに従います。

玄関先で鳥のフンが降ってきた時、即座に
「ありがとう。運がつきました。ツイテルツイテルう!」と、一応心の中でつぶやいてみた。
でもその後の一連の流れを見ると、多分運はついてないと思う。
服だけでなくカバンにもついたので洗うのがとても大変だった。

先日、職場でこんなことがあった。
大きめの脚立を折り畳もうとしていたスタッフ、うっかり脚立に指を挟んでしまったらしい。
「痛った!!何これ!なんで?誰がこんなとこに脚立置いたんだよ!!」
と脚立に向かって大声で怒りをぶちまけていた。(ちなみに女性)
脚立だけでなく、過去の誰かにまで怒りをあらわにしていたので、私はそのシーンを見て爆笑してしまった。
だって、脚立に向かって怒ります?
脚立に向かって自分に問うならわかるが。
その後彼女は離婚などしたので、背景を知れば仕方ないとも思えるが、それでも逆らっても意味のないことにエネルギーを費やすのはアホらしい。

「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という言い伝えがあるが、これは迷信ではなく、論理的な理由があると聞いたことがある。

昔は、夜は行灯や蝋燭の光で灯りをともしていたので薄暗く、手元がよく見えなかった。また、爪を切るときは小刀で爪を削いでいた。手元があまり見えない中で危険な小刀を使うと、かなりの確率で怪我をすることになる。そのような注意散漫なことをする人間は、事故に遭って親よりも先に命を落とす可能性が高い。

上の女性スタッフは、ここに通じるような性格の持ち主だった。道の向こう側に知り合いがいると飛び出てしまうような。
結局離婚する前になんだか色々あって違う人と再婚したが、再婚した時にはもう子供ができていた。というよくわからない展開になっていたが、自然の法則には則っているといえるのかどうかわからない。私には。

今日はグラスを割らないように気を付ける。
それから長いスカートを履いた時には特に階段に気を付けます。怖かった〜
ではまた。







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