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【60歳一人旅】#22 旅の醍醐味 リエカ🇭🇷クロアチア

昨日クロアチアの港町リエカに来た。
近隣ホテルは1万円を超えるところがほとんどで、やむ得ずドミトリーを選び半額以下で宿泊した。
ドミトリーはくつろげないイメージがあり、基本予約時に敬遠してるのだが。
とは言っても今回は、他の旅行者と交流を持ちたい若者達の部屋じゃなければ良いなと思っていた。
自己紹介が始まって旅の情報交換と称する旅自慢が始まる。知らん顔もできず、60歳のつたない英語のおじさんが、汗をかきかき説明する。考えるだけで自由を奪われる気になる。
若者達も別におじさんの話が聞きたいわけじゃないし、おじさんと交流したい訳じゃない。あくまでも社交辞令で若者同士の交流や情報が欲しいのだ。
大きいイビキをかいて睡眠妨害をするわ、トイレじゃ大きい音を出すわで、迷惑なおじさんと思われながら過ごすのもイヤだし、気遣いが面倒と悪いイメージばかりある。

古い話になるが、二十歳の時にバイクで北海道を一人旅した。夏シーズンは繁忙期の為相部屋になる。殆どはバイク好きな人達の集まりになってしまい、夜な夜なバイク話に盛り上がっていた。そこまでバイク談義が好きでない自分にはかなり迷惑だった記憶もドミトリーを敬遠する一因と思う。

前回ナポリで初めて利用した時は、18〜35歳までの年齢制限を知らずに予約してしまい、制限のない部屋に変更してもらった。
そうは言っても結局宿泊してたのは、ドイツ人の女性2人と、ミラノから来た男二人だ。4人は20代の若者だ。
女性は夜遅く到着して朝しか顔を合わせてないので、男二人としか顔を合わしてない。
男達も特にアジアのオッサンと話したそうではなかったし、出掛けてしまったので、挨拶だけして夜も背を向けて寝ていた。
朝、朝食から戻るとちょうど自己紹介中で楽しく盛り上がっていたが、自分は楽しい時間を邪魔しない様に、知らん顔をしてチェックアウトの準備をしてた。
彼らもアジア人のオッサンに邪魔されずホッとしたろう。
気遣いが大変だ。

結局今回のドミトリーライフはチェックインのタイミングが近かったトルコ人の若者と少し話しただけで、後は人は夜遅くのチェックインだったし、大人の人達だったので良かった。

昨夜も早寝したので朝も早起きだ。8時になっても誰も起きる気配がない。
朝の気持ちのいい時間を充実したいので、財布とタバコを持って朝食に外へ出た。
現在タバコは吸わないのだが、39歳で禁煙して以来、20年振りにタバコを買った。
トルコもギリシャも喫煙率が相当高く、何処でもタバコに火をつける。
ギリシャのアンギストリ島で綺麗な景色を観ながら吸ってみたくなりつい買ってしまったのだ。
最初はヤニ臭さが口に残り1本吸うとその後ずっと吸いたくならなかったが、イタリアに入って少しずつ慣れてきて、ビールやコーヒーを飲んでるその場の雰囲気にタバコがいいアクセントになった。

旅行後も吸い続けるつもりはないので期間限定の行為ってところで家族には黙っていたが、妻に写メを送ったら、タバコを持ってる手が写っていて、バレてしまった。
怒られる訳ではないが、未成年がコソコソ悪い事をしてバレた時の気まずい気持ちになり笑えた。

朝食は昨夜ピザを買って美味しかったパン屋でチョコクリーム入りパンを買った。
昨夜ビールを飲んだカフェバーへ行くと、コーヒーを飲む人達で賑わっていた。
アメリカーノを飲みながらの甘いパンはこれまた美味かった。食後はゆっくりとタバコを吸いながら、カプチーノを飲んだ。
老人達は皆顔見知りの様で、おしゃべりしながらコーヒーやビールを楽しんでいた。

犬の散歩途中の人など常連客のいい店だ


そう言う現地人の日常を見ながら、その場に少し溶け込んでいると、本来の旅の楽しさが湧き上がってくる。
もちろん観光地を回って遺跡や博物館を見るのも旅行の楽しみではあるのだが、ただ大して興味もない観光地を見て周り、何の印象にも残らないのだったら、この朝のゆっくりとした時間と、カプチーノとタバコの味は、ずっと忘れる事が無いだろうと思う。
この雰囲気を味わえただけで3時間バスに乗って、リエカまで来て良かった。
自分が求めてる旅の醍醐味はこう言うものという事をあらためて感じた。

旅の前半にいくつかモスクを見たが、見れば見るほど、どのモスクがどうでと記憶が曖昧になって来たので、どうしても見たかったスレイマン皇帝とヒュッレム妃が眠るモスクとブルーモスク以降は見るのをやめた。

チェックアウトが11時だったので、ギリギリまでコーヒータイムを味わった。

チェックアウトしてから、旧市街を通り過ぎブラブラ歩いていると、強力に暑くなってきてる。デパートに入って涼もうとしたが居場所がない。
港の方に来て港越しに街が見えるカフェに入りクロアチアビールを頼む。
クロベチコでいい?と店員の女性が聞いてくれる。昨日も飲んだやつだな。
この小さい街にでは外国人観光客で儲けようなどはなく、居心地がいい。会計も明瞭で何処でも注文して品と一緒に伝票を持ってくる。
ビールを飲みながら港の向こうに見えるリエカの街を眺めて目に焼き付けた。

港にあるカフェでクロベチコを飲む


バスの発車時間が16時だったので、少し早めの食事をとってバスを待つ。
クロアチアはイタリアの物価に比べて3-4割安くかんじる。写真のハンバーガーで7ユーロだ。イタリアなら15は取られそうなボリュームだった。

Gurmanskaはハンバーグ風の郷土料理らしい

その後バスに揺られる事3時間、無事ベネチアに到着。
途中、クロアチアに入る時はスルーだったパスポートコントロールが、反対にイタリアに入る際は警官がバスに乗り込んできて、パスポートと入国目的を確認された。
パスポートの写メしか持っていなかった男は、バスを下ろされていた。

そして値段とバスの到着時間と場所を考慮して、ベネチア最後の夜は、またまたドミトリーになった。

今夜のドミトリーはどうだろうか?
少し心配だ

帰国する日まで、まだまだ旅は続く

2024年7月16日

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