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「宇宙のやばい天体」想像を遥かに超えた世界

宇宙には、想像をはるかに超えた世界が広がっています。
この宇宙の極めて想像し難いスケールを感じて頂ける一助となれば幸いです。


天体、宇宙には、大小様々な天体が数多く存在しています。
今回は、その代表的な天体をご紹介しながら、まずは、その想像を絶する大きさと存在感を感じる旅にご招待します。

デススター

映画『スター・ウォーズシリーズ』に登場する架空の宇宙要塞・人工天体です。
架空ではあるものの、人類が作り出せる可能性のある天体としてエントリーしました。

直径120km この天体の両端まで、光のスピードで0.0004秒 1/2,500秒を要します。

冥王星

太陽系内の惑星であり、準惑星に区分される天体です。
西暦2006年までは太陽系第9惑星とされていました。

冥王星の最大の衛星カロンは直径が冥王星の半分以上あり、それを理由に二重天体とみなされることもあります。

直径2,370 km この天体の両端まで、光のスピードで0.008秒 1/125秒を要します。

太陽系の中で地球に最も近い自然の天体であり、人類が到達したことのある唯一の地球外天体でもあります。

太陽系に存在する衛星の中で5番目に大きい天体です。

惑星に対する衛星の直径比率で言えば、月は地球の約1/4であり、ガニメデが木星の約1/27、タイタンが土星の約1/23であるのに比べて桁違いに大きいのが特徴です。

直径3,474.3 km この天体の両端まで、光のスピードで0.011秒 1/91秒を要します。

イオ

木星の第一衛星で、太陽系の衛星の中で4番目に大きく、また最も高密度の衛星です。
イオには400個を超える火山があり、太陽系内で最も地質学的に活発な天体です。

直径3,643.2 km この天体の両端まで、光のスピードで0.012秒 1/83秒を要します。

水星
太陽系第一惑星で、太陽に最も近い公転軌道を周回する惑星です。
水星は、太陽系惑星の中で、大きさ、質量ともに最も小さい惑星です。

その大きさは地球の38%に過ぎず、木星の衛星ガニメデよりも小さい惑星です。

直径4,879.4 km この天体の両端まで、光のスピードで0.016秒 1/63秒を要します。

ガニメデ

木星の第三惑星で、太陽系に存在する衛星の中で大きさ質量ともに最大の衛星です。
金属の核を持っており、磁場を持つことが知られている唯一の衛星です。

また、地球の海よりも多くの水を保持している可能性がある内部海を持っています。

直径5,262.4km この天体の両端まで、光のスピードで0.018秒 1/56秒を要します。

火星

太陽系第四惑星で、地球型の惑星に分類され、地球の外側の軌道を公転しています。
地表には酸化鉄(赤さび)が大量に含まれているため、赤く見える天体です。

半径が地球の半分であり、質量は1/10に過ぎないため、重力は地球の40%ほどしかありません。
また、火星の大気は極めて薄く、地球の1/1,000以下です。

直径6,794.4 km この天体の両端まで、光のスピードで0.02秒 1/50秒を要します。

金星

太陽系第二惑星で、地球に最も近い公転軌道を持つ惑星です。
地球型惑星であり、太陽系内で大きさと平均密度が最も地球に近い惑星です。

金星は、地球の姉妹惑星と言われますが、地表面の大気圧が地球の92倍、気温は460℃に達し、さらに硫酸の雲に覆われており、地獄の惑星としても知られています。

また、スーパーローテーションという秒速100メートルを超える風が吹いています。

直径12,103.6 km この天体の両端まで、光のスピードで0.04秒 1/25秒を要します。

地球

太陽系第三惑星で、我々人類を含む多くの生命体が存在する天体です。
岩石惑星であり、地表面の71.1%は液体の水で覆われています。

また、地球を取り囲む大気は、酸素を20.9%含み、他の太陽系惑星には見られない特徴があります。

直径12,756.274 km この天体の両端まで、光のスピードで0.04秒 1/25秒を要します。

ケプラー10c

地球から見て、りゅう座の方向に約560光年離れたところにある、ケプラー10という恒星を公転している太陽系外惑星です。

ケプラー10cは、巨大な地球型惑星ではなく、揮発性物質を多く含み地球の7倍程度の質量を持つと考えられています。

直径29,944 km この天体の両端まで、光のスピードで0.1秒 1/10秒を要します。

海王星

太陽系第八惑星で、太陽系の惑星の中では一番外側を公転しており、太陽系惑星中、質量は3番目に大きく、地球の17倍の質量を持ちます。

太陽系のガス惑星としては最も密度が高い惑星で、太陽からの距離が遠いため、海王星の外側の大気は、太陽系で最も温度の低く-218 ℃ほどになります。

直径49,528km この天体の両端まで、光のスピードで0.17秒 1/6秒を要します。

天王星

太陽系第七惑星で、太陽系の惑星の中で木星、土星に次ぎ3番目に大きい惑星です。
天王星は、主にガスと多様な氷で構成されています。

天王星の赤道傾斜角は約98度、つまり黄道面(こうどうめん)に対しほぼ横倒しに倒れています。

直径51,118 km この天体の両端まで、光のスピードで0.17秒 1/6秒を要します。

土星

太陽系第六惑星で、太陽系の中では木星に次いで2番目に大きな惑星です。
巨大ガス惑星に属する土星の平均半径は地球の約9倍に当ります。

平均密度は地球の1/8に過ぎないため、巨大な体積の割りに質量は地球の95倍程度です。
土星は恒常的な環を持ち、9つが主要なリング状、3つが不定的な円弧になっています。

これらはほとんどが氷の小片(しょうへん)であり、岩石のデブリや宇宙塵も含まれます。
知られている限り82個もの衛星を持っています。

直径120,536 km この天体の両端まで、光のスピードで0.4秒を要します。

木星

太陽系第五惑星で、太陽系の中で大きさ、質量ともに最大の惑星です。
地球との比較では質量は318倍、直径は11倍、体積は1,321倍ほどあります。

木星は約10時間という猛烈なスピードで自転しており大きな遠心力を生じるため、赤道付近が、直径よりも7パーセント程度(9,275km)膨らんだ楕円球の状態にあります。

直径142,984 km この天体の両端まで、光のスピードで0.48秒を要します。

プロキシマ・ケンタウリ

ケンタウルス座の方向に4.244光年離れた位置にある赤色矮星です。
太陽系に最も近い恒星として知られています。

プロキシマ・ケンタウリは赤色矮星であるため非常に暗い恒星です。

直径は太陽の約7分の1ですが、質量は8分の1ほどあるため、平均密度は太陽の40倍にもなります。

直径214,550 km この天体の両端まで、光のスピードで0.7秒を要します。

1光秒

光が1秒間に進む距離です。
光は、距離にすると、1秒間に299,792.458km進みます。

この距離は、地球7周半の距離であり、地球と月との距離に近いものです。

太陽

人類が住む、地球を含む太陽系の「物理的中心」であり、その質量は、太陽系の全質量の99.86%を占めており、その直径は地球の109倍にもなります。

表面温度は6000℃、核融合反応が行われている中心温度は1,500万度に達します。

直径1,392,000 km この天体の両端まで、光のスピードで4.6秒を要します。

シリウスA

おおいぬ座で最も明るい恒星の1つ、太陽を除けば、地球上から見える最も明るい恒星です。

地球との距離は約8.6光年ほどであり、地球に近い恒星の一つでもあります。
太陽の約2倍の質量を持ち、光度(明るさ)は太陽の約25倍にもなります。

直径2,000,000 km この天体の両端まで、光のスピードで6.7秒を要します。

ベガ

こと座で最も明るい恒星で、七夕のおりひめ星としてよく知られています。

自転周期が12.5時間という高速度で自転していて、その速さは遠心力でベガが自壊する速度の94%に達していることが判明しています。

直径3,286,500 km この天体の両端まで、光のスピードで11秒を要します。

アークトゥルス

うしかい座で最も明るい恒星、寿命の後半を迎えた赤色巨星であり、太陽と同等の質量ながら大気が膨張し、巨大化が進んだ状態にある恒星だと言えます。

直径35,342,000 km 0.35億km この天体の両端まで、光のスピードで1分57秒を要します。

アルデバラン

おうし座で最も明るい恒星、冬のダイヤモンドを形成する恒星の1つでもあります。
アルデバランは、木星の数倍の質量の惑星を持っています。

橙色(とうしょく、だいだい)に輝く巨大な恒星であるため、すでに太陽半径の44倍まで膨張している状態です。

直径61,402,000 km 0.6億km この天体の両端まで、光のスピードで3分20秒を要します。

リゲル

オリオン座の恒星の1つで、冬のダイヤモンドを形成する恒星の1つでもあります。

地球からは約860光年離れている青色超巨星(せいしょくちょうきょせい)で、太陽の12万から27万9000倍の光度(明るさ)を持ちます。

質量が非常に大きいため、中心核での水素の核融合は既に終了し、現在はヘリウムからなる中心核が収縮している段階にあります。

そのため、半径は太陽半径の79倍から115倍まで膨張しています。

直径110,000,000 km 1.1億km 0.74AU この天体の両端まで、光のスピードで6分7秒を要します。

天文単位

天文単位は、長さの単位で、記号としてはAUと書きます。
正確には、149,597,870.7kmの長さを1AUまたは1天文単位と言います。

太陽から地球までの距離を1天文単位、AUとしています。
宇宙空間があまりに広大なため、太陽系のものさしとして定義されました。

149,597,870.7km 1.49億km 1AU この距離を進むのには、光のスピードで8分19秒を要します。

ピストル星

銀河系の中心方向の、いて座の位置にある、太陽系から2万5000光年ほどの離れた五つ子星団の中にあります。

ピストル星は、ピストルの形に似た星雲の中にあるためこの名称で呼ばれています。

この恒星は、太陽の約160万~600万倍の光度(明るさ)を持ち、直径は太陽の約300倍とされ、これは、ピストル星が太陽の位置にあるなら火星の軌道の近くまでの大きさです。

また、300万年前に誕生し、誕生当時の質量は太陽の200倍以上、現在も太陽の27.5倍の質量を持つと考えられています。

直径425,770,000 km 4.3億km 2.8AU この天体の両端まで、光のスピードで23分54秒を要します。

太陽~木星の距離

太陽系第五惑星である木星までの距離を、ひとつの基準としてご紹介します。

778,412,010 km 7.8億km 5.2AU この距離を進むのには、光のスピードで43分23秒を要します。

アンタレス
さそり座α星、さそり座で最も明るい恒星です。
アンタレスの直径は、太陽の600倍ないし800倍にもなり膨張が進んでいます。

質量は太陽15倍程度ながら、明るさは太陽の6.5万倍に達し、非常に大きな直径と太陽よりはるかに明るい光度(明るさ)、そして表面温度が3800℃での赤色超巨星です。

直径946,150,000 km 9.5億km 6.3AU この天体の両端まで、光のスピードで52分49秒を要します。

ベテルギウス

オリオン座にある恒星で、オリオン座の中ではリゲルに次いで2番目に明るい恒星です。
地球からの推定距離は、652光年です。

仮にベテルギウスを太陽系の中心に置いた場合、その大きさは小惑星帯を超えたあたりにまで及び、地球や火星の軌道を超え、木星軌道をも超える可能性があります。

ベテルギウスは1,000万年も経たないうちに急速な進化を遂げており、おそらく10万年以内に超新星爆発を起こしてその一生を終えることが予想されています。

直径1,234,000,000km 12憶km 8.2AU この天体の両端まで、光のスピードで1時間6分43秒を要します。

たて座UY星

たて座にある赤色超巨星で、太陽系から約5,100光年の距離にあるとされています。

太陽の1,000倍以上の大きさを持つこの恒星は、2018年の段階において、観測できる恒星の中で最大の恒星になります。

たて座UY星は、既にコアでヘリウム核融合を始めいる寿命の近い赤色超巨星です。

直径2,376,500,000km 24億km 15AU この天体の両端まで、光のスピードで2時間13分26秒を要します。

太陽系~海王星の距離

太陽系第八惑星であり、太陽系において最も太陽から離れた惑星です。
海王星と太陽までの距離を、ひとつの基準としてご紹介します。

454,400,000km 45.4億km 30.1AU この距離を進むのには、光のスピードで25時間15分43秒を要します。

M87ブラックホール

おとめ座の方向にある楕円銀河に存在する天体であり、太陽質量のなんと65億倍もの質量を持つ超大型ブラックホールです。

2019年に観測史上初めてブラックホールの撮像が行われ、このM87ブラックホールの姿が明らかになりました。

そして、ブラックホールの事象の地平面の周囲にあるとされた光子球と、直径約1,000億kmのブラックホールシャドウが確認されました。

事象の地平面直径400億 km 267AU この天体の両端まで、光のスピードで37時間3分46秒を要します。

TON618ブラックホール

地球から104億光年離れた場所にあるクエーサーに存在すると考えられている
観測史上最大の、超巨大ブラックホールです。

質量はなんと、太陽の440億倍という異次元の質量を誇っています。

このブラックホールが生み出す事象の地平面の大きさは、太陽系でもっとも外側に位置する海王星の公転軌道を上回る大きさに達します。

太陽系そのものが飲み込まれるほどの大きさということになります。

事象の地平面直径1,182億km 790AU この天体の両端まで、光のスピードで109時間31分13秒を要します。

ここからは、変わった天体というか、驚くような特徴を持った天体をご紹介していきます。

LBV 1806-20

という天体で、地球から4万5000光年の距離にある恒星です。
太陽の4,000万倍明るい、観測史上、宇宙で一番輝いている星です。

最も明るいので、大質量で短命な星です。
これまで最も明るい星は、ピストル星で太陽の600万倍なので、およそ、その記録を7倍上回るものです。

この星は誕生してから200万年ほどの星で、大きさは、少なくとも太陽の150倍はあると考えられています。

こういった高光度、大質量の星の寿命は、数百万年~数千万年というとても短いのが特徴です。

ちなみに、赤色矮星とかだと10兆年とかいうものも存在します。

クエーサー

地球から、非常に離れた距離に存在し極めて明るく輝いているために、光学望遠鏡では内部構造が見えず、恒星のような点光源に見える天体のことです。

このクエーサーの平均的な明るさは、銀河系の1,000倍にもなります。
これは、太陽の10兆倍の光度にあたります。

クエーサーの正体として最も有力な説は、クエーサーは大質量ブラックホールをエネルギー源に持っている、というものです。

クエーサーの強力な光度は、
大質量ブラックホールを取り巻く降着円盤のガスや塵が、ブラックホールに落ち込む時の摩擦によって生み出されていると考えられています。

この物理過程では、落ち込む質量の約50%をエネルギーに変換することが可能で、核融合によるエネルギー変換が質量の数%にとどまるのに比べて非常に変換効率が良い。

10の40乗 W というクエーサーの平均的な光度を生み出すには、大質量ブラックホールは1年あたり恒星を10個飲み込む計算になります。

現在知られている最も明るいクエーサーの場合には、毎年1000太陽質量程度の物質を消費しているだろうと考えられています。

HD 140283

HD 140283は、地球から見ててんびん座の方向に約200光年離れた位置にある恒星です。

ワープ9.9で1か月ほどかかる距離です。

その極めて少ない金属量から、宇宙の年齢(約138億年)に匹敵するか、宇宙そのものより歴史が古いと考えられている天体として知られています。

誤差は、8億年ほどある可能性がありますが、宇宙の年齢を超える理由としては、宇宙誕生のメカニズムが、そもそも予想と違うものであるか、更に大きな誤差を産む要因が存在するのかの2つですね。

かに座55番星e

地球から40.25光年の距離にある、太陽と似た恒星「かに座55番星A」の周りを公転する太陽系外惑星です。

かに座55番星eは、質量は地球の7.8倍、直径は2.04倍であると推定されている地球型惑星です。

地球より大きいにも関わらず、平均密度がほぼ同じです。
質量の5分の1が、水などの軽い物質でできている可能性があります。

かに座55番星eは、恒星からわずか233万km(0.0156AU)離れたところを
17時間41分で公転しています。

水星の公転半径が、5,791万kmであることを考えると、水星よりも、25倍も恒星に近い惑星だという事になります。

恒星から極めて近いため、表面温度は1760℃もしくは2150℃という非常な高温となっています。

強烈な重力によって、2,000℃もある水が、拡散性のある液体である、超臨界水で出来た海が表面を覆っている可能性もあるそうです。

かに座55番星eから、自分の恒星である、かに座55番星Aを見ると、地球から見た太陽の60倍も大きく、3,600倍も明るく輝いていることになります。

これだけ恒星の近くで公転しているので、恒星に対しての内側と外側で、引っ張りあう状態が起こっていると思われます。

もう一つの可能性として、かに座55番星Aは、炭素惑星、炭素と花崗岩でできた惑星であるという仮説があります。

この場合、表面は黒色の黒鉛で覆われていて、内部にダイヤモンドで出来た層を持つと考えられています。

ダイヤモンドの全量はかに座55番星eの質量の1/3を占め、地球質量の3倍もの量に達するダイヤモンドが存在することになります。

J1407b

ケンタウルス座の方向約430光年彼方の若い恒星J1407に、ある惑星です。
J1407bは、木星の10~40倍の質量と考えられていて、これだけ大きいと、褐色矮星(かっしょくわいせい)の可能性もあります。

30個以上も重なる環の全体の直径は約1億2,000万kmにも及びます。
これは太陽~金星の距離よりも大きく、土星の環の200倍という大きさです。

公転と逆回転しているらしいので、惑星間衝突の結果、この巨大な環が形成されたのかもしれません。

もし、この天体が土星と同じ位置にあったとしたら、その環は、月よりも大きく見えてしまいます。

マグネター

マグネターは、中性子性ですが、極端に強い磁場を持ち、その磁場の減衰をエネルギー源として大量の高エネルギー電磁波、特にX線やガンマ線を放射します。

マグネターである、SGR 1806-20 は、地球から5万光年の距離にあり、いて座の方向に位置します。

中性子性とは、恒星が寿命を迎え超新星爆発した際に、生まれる天体です。
中性子星は、質量が太陽程度、直径20 km程度、大気の厚さはわずか1 m程度で、中性子が主な成分の天体になります。(中性子が主成分ってやだなw)

密度は太陽の1兆倍以上もあるとされています。
これは、角砂糖1個が10億トンになるほどの密度です。

表面重力は地球の表面重力の1,000億倍以上の大きさがあります。

重力崩壊によって非常にコンパクトに圧縮された結果として、(回転技)
角運動量保存の法則によって元の恒星よりも遥かに高速に回転しています。
中性子星の典型的な自転周期は 30 秒から1/100秒だそうです。

また、中性子星は、中性子のみから構成される大きな原子核と見なすことができます。

超新星爆発によって恒星が収縮して中性子星になる時に、磁場は劇的に強度が大きくなります。
長さのスケールが半分に収縮すると磁場の強さは4倍になる。

中性子星の磁場は、通常でも1億 テスラという強大なものですが、特定の条件ではさらに強い 100億テスラ 以上になりうることが計算で明らかにされています。
このような極端に磁場の強い中性子星をマグネターと呼びます。

10,000ガウス=1テスラ
1テスラは、1cm角の電磁石なら4kg程度まで、1m角なら40t程度までを吊ることができるほどの磁力です。

普通のメモを張り付ける磁石が0.005テスラ=50ガウス
ネオジム磁石が1.25テスラ
MRIが1.5テスラ
人工的に出せる磁場は、最高で28,000テスラ

超新星爆発の10個に1個は、パルサーのような標準的な中性子星ではなくマグネターになると見積もられています。

マグネターが持つ100億テスラ以上の磁場は、例えば地球から月までの約半分の距離約16万kmにある、クレジットカードの磁気記録を抹消できるほどの強さだそうです。

磁気媒体の多くは1mテスラ(10ガウス)程度の磁場でデータが消去されるそう。

ちなみに、10万テスラのオーダーで、水素原子中の電子が磁場から受ける影響と、核の電荷から受けるクーロン相互作用(分子間の結合力)の影響が同じになり、これを超える磁場では電子状態が全く変わってしまい通常の化学は通用しないそうです。

マグネターの磁場は1,000kmの距離でも致死的であり、水の反磁性によって細胞組織が破壊されるとのこと。

ちなみに、この距離では同時に潮汐力も致死的だったりします。

クオーク星

天体が超新星爆発を起こした後に形成される天体の一種である。

クォークが裸の状態で存在する天体で、クォーク星は中性子星より重力が強くブラックホールよりは弱い。

陽子や中性子を構成する素粒子であるクオークが、その結合を維持できないほどの力が加わって、
ストレンジ物質というものに変化するのではないかと考えられています。

クオークを繋ぎとめているのは強い力と呼ばれる、電磁力とは比較にならないほど強い力です。

このストレンジ物質は、中性子星の内部で生成されていると考えられていて、宇宙で最も危険な物質と言われています。

また、このストレンジ物質のみで構成される天体を、クオーク星と言います。

このストレンジ物質の最大の危険性は、感染性にあります。
ストレンジ物質に触れた物質は、すべてストレンジ物質になってしまいます。

したがって、一度作られると、増えることは在れど、減る事はありません。
ブラックホールに落とすくらいしかない。

と言いつつ、クオーク星や、中性子星同士が衝突したり、ブラックホールと衝突したりすると、ストレンジ物質のかけらである、ストレンジレットを大量に放出します。
ストレンジレットは、亜原子粒子より小さい物質ですが、他の物質と衝突するまで、宇宙を何億年も飛行します。

もし、ストレンジレットが一つでも地球に衝突した場合、地球の原子はすべてストレンジ物質に変化してしまい、小惑星サイズのストレンジ物質の塊になってしまいます。

これは、太陽でも同じことで、ストレンジレットが太陽にひとつでも落ちれば、太陽は、小さなストレンジ物質の塊であるクオーク星になってしまうでしょう。

宇宙には、想像を超えた特徴を持つ天体が多く存在しています。
私たちが知る物理法則など完全に無視した天体の存在は、現代科学で、すでに多く予見されています。

宇宙には、我々の知らない物理法則がまだまだ存在しているでしょうから、今後の宇宙探査、宇宙物理学の発展にも期待したいと思います。

読んで下さってありがとうございます。