今日は父の誕生日。

昭和の亭主関白を具現化したみたいな人。
酒飲みで、ヘビースモーカー。

だけど私がしようとすることに、
父はいつも何も言わない。

大学行くって決めたときも、就活ろくにしなかったときも、母と将来のことで喧嘩したときも、仕事辞めるときも、一人で海外行くときも、ニートで家にいたときも、急に東京行くって言い出したときも。

何も言わないって、たぶん難しい。

帰省してまた家を出るとき、
父の作業スペースと化した居間の戸を引く。
「じゃあ行くね」
そういうと父はいつも言ってくれる。
「はい。気をつけて」

今年、ついにスマホに変えたらしい。
家族LINEに父が加わった。
いつも言ったことなかったけど初めて伝えた。
「誕生日、おめでとう。」

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