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その日、全世界で

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一羽のすずめの小説『その日、全世界で』をまとめて読めます。
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#クリスチャン

その日、全世界で(第4章)

第4章 ありえない話  義母のリハビリセンターでの入院生活が始まり、我が家も落ち着いてきた。由香からのメールも毎日続き、祈ってくれている事も分かっていたので、転院したことと、義母の信じられないくらいの変わりようをメールで報告すると、お祝いしようとメールがきた。  すぐさま、断りのメールをしようとしたら、先に由香からのメールが届いた。  「ボーナスが入ったからおごるよ。みゆの好きなお寿司でも食べに行こうよ。私、高級なお寿司屋さんを知っているから」  断るはずだった私の指が

その日、全世界で(第1章)

第1章 由香の告白  暗いニュースばかりで落ち込んでしまう私が唯一楽しみにしているのは、お笑い番組だ。最近はテレビ番組でなくても、自分の好きなコントや漫才をYouTubeで見ることができるのでありがたい。この世の嫌なことを一瞬だけでも忘れさせてくれるお笑い芸人さんには本当にリスペクトしかない。私にとっては、ありがたい存在だ。  夜11時になると私、田村みゆは床に就く。いつもの通り、私が横になると、決まって左脇のあたりにミルクがやってきてすぐに寝る前のルーティーン、毛づくろ