一石二「鳥」クイズ その9 行動 編②
回答していくだけで野鳥に詳しくなれる&野鳥への愛が深まる、「一石二鳥」のクイズです。今回も鳥の行動にまつわるクイズ。鳥類界の釣り名人とは?鳥がケガをしているフリをする理由は?などの疑問に答えます。問題の後に解答と解説を記載しています。
初めて一石二「鳥」クイズに挑戦いただく方へ
Q1 ガン(雁)は、オス・メス共に巣作りと子育てする種に典型で、見た目がよく似ています。オスかメスかを判別するには、オスのある紳士的な行動がヒントになります。どのような行動?
①歩くペースをメスに合わせる
②背を最大限高くして、護衛のようにふるまう
③メスが座るところにハンカチーフを敷く
Q2 サギの仲間には、水面に鳥の羽や落ち葉などを浮かべる習性をもつものがいます。いったい何のため?
①獲物となる魚をおびき寄せている
②水面に物を浮かべて遊んでいる
③水の流れる速さ・方向を確認し、エサとなる魚がいるエリアを見極める
Q3 鳥の中には、さえずることでメスにアピールするものがいますが、キツツキは他の方法を使います。それはどのようなものでしょうか。
①巣の穴を完璧な丸型にくり抜く
②巣の穴をできる限り大きく開ける
③くちばしで樹の幹をつついて音を出す
Q4 カンムリウズラという鳥は、地面を足で掻いて食料を見つけ出します。しかし…?
①土の中にいたモグラに食べられてしまうことがある
②掻いている間は自分の足元が見えていないので、エサを探すには半歩下がらないとならない
③目立つ行為なので、エサを見つけてもカラスに横取りされてしまう
Q5 小さな鳥たちは、天敵が近づくとモビング(疑似攻撃)を敵に仕掛けることがあります。複数の仲間の鳥が一斉に大きな声で鳴き、天敵の背中を突くこともあるそうです。モビングは集団で襲い掛かることで敵をひるませ、気を散らすことの他に、もう一つ役割がありますが、それはなんでしょうか。
①近くにいる他の天敵をけん制する
②敵が弱って死ぬことがあり、食糧になる
③敵は自分の巣の方へ逃げていくので、敵の住処を把握することができる
Q6 チドリの仲間がケガをしているかのように地面でもがいていましたが、近づくと飛んで行ってしまいました。何をしていたのでしょうか。
①ケガをしたので休んでいた
②脚がしびれてうまく歩けなかった
③巣やヒナから離れさせるために、ケガをしたふりをして相手の気をそらせた
【解説編】
Q1 ガン(雁)は、オス・メス共に巣作りと子育てする種に典型で、見た目がよく似ています。オスかメスかを判別するには、オスのある紳士的な行動がヒントになります。どのような行動?
①歩くペースをメスに合わせる
②背を最大限高くして、護衛のようにふるまう
③メスが座るところにハンカチーフを敷く
解答 ②背を最大限高くして、護衛のようにふるまう
解説 地上を歩く際に、オスはできる限り顔を高い位置にして広い範囲を見渡しながら歩きます。より遠くまで見られるため、天敵が近くにいないかどうかを確認していると考えられます。メスよりもオスの方が体も一回り大きく、メスに連れ添って歩くその姿は、まさにボディガードといった感じです。
掲載したこの画像も、一番手前のガンの方が左のよりも一回り大きく、首をシャキッと伸ばしているように見えるので、オスなのかもしれません。
Q2 サギの仲間には、水面に鳥の羽や落ち葉などを浮かべる習性をもつものがいます。いったい何のため?
①獲物となる魚をおびき寄せている
②水面に物を浮かべて遊んでいる
③水の流れる速さ・方向を確認し、エサとなる魚がいるエリアを見極める
解答 ①獲物となる魚をおびき寄せている
解説 疑似餌を使って魚をおびき寄せるこの方法は、まさに「釣り」です。羽や葉っぱだけでなく、実際に魚のえさになる昆虫を使うこともあるそうです。この手法を使う主な鳥として、ゴイサギやササゴイといった鳥が挙げられます。彼らは水面をじっと見つめ、魚が近くに来たところでくちばしをサッと水の中に突っ込んで狩りをしますが、こうした釣りでの狩りも得意なのです。魚をだまして捕るなんて、さすが詐欺、いや、サギのなせる業です。
Q3 鳥の中には、さえずることでメスにアピールするものがいますが、キツツキは他の方法を使います。それはどのようなものでしょうか。
①巣の穴を完璧な丸型にくり抜く
②巣の穴をできる限り大きく開ける
③くちばしで樹の幹をつついて音を出す
解答 ③くちばしで樹の幹をつついて音を出す
解説 キツツキが樹の幹をくちばしですばやく叩くことを「ドラミング」と呼びます。山の中や樹の多い公園などで聞こえる「ココココココ…」「コロロロロロ…」といった音は、このドラミングの可能性があります。キツツキたちは、さえずる代わりにこのドラミングをすることで、メスに縄張りをアピールします。1秒間に10~20回ほどと高速で、この乾いた軽快な音がするのは、より広範囲に響くように中が空洞の枯れ木を叩くからだそう。「枯れ木も山のにぎわい」と言いますが、枯れてしまった樹も自然界では必要なんですね。
バードリサーチさんのサイトで、ドラミングの音声を公開してくださっていたので、よかったら聞いてみてください。
Q4 ウズラ(ニワトリと近縁の鳥)という鳥は、地面を足で掻いて食料を見つけ出します。しかし…?
①土の中にいたモグラに食べられてしまうことがある
②掻いている間は自分の足元が見えていないので、エサを探すには半歩下がらないとならない
③目立つ行為なので、エサを見つけてもカラスに横取りされてしまう
解答 ②掻いている間は自分の足元が見えていないので、エサを探すには半歩下がらないとならない
解説 片脚を後ろにけるようにしてつま先で地面の表面を掻き、落ち葉や土を後方に飛ばします。しかし、頭よりも後方に足がついているため、自分が掻いた部分がどうなっているかをリアルタイムで見ることができないのです(なんとかわいそうに…)。なので、掻いては半歩下がって見て、掻いては半歩下がって…を繰り返さないとならないのです。ああもどかしい!
Q5 小さな鳥たちは、天敵が近づくとモビング(疑似攻撃)を敵に仕掛けることがあります。複数の仲間の鳥が一斉に大きな声で鳴き、天敵の背中を突くこともあるそうです。モビングは集団で襲い掛かることで敵をひるませ、気を散らすことの他に、もう一つ役割がありますが、それはなんでしょうか。
①近くにいる他の天敵をけん制する
②敵が弱って死ぬことがあり、食糧になる
③敵は自分の巣の方へ逃げていくので、敵の住処を把握することができる
解答 ①近くにいる他の天敵をけん制する
解説 集団で鳴き声を出すことで「君たち(天敵)が潜んでいることはこちらはお見通しだ。みんなで厳重に警戒しているんだぞ」というメッセージを、周辺にいる他の天敵にも発信することになります。
多くの捕食者は、相手が気付いていないときに突如襲いかかることで狩りを成功させるので、このモビングによって近くにいる捕食者にそのスキを与えないことになるのです。モビングは、特に鳥たちの繁殖期の巣の近くではかなり攻撃的になります。
ここでは「小さな鳥」と書きましたが、実際にはカラスも、天敵となるオオタカやハヤブサが近くに来た時には集団でモビングします。
Q6 チドリの仲間がケガをしているかのように地面でもがいていましたが、近づくと飛んで行ってしまいました。何をしていたのでしょうか。
①ケガをしたので休んでいた
②脚がしびれてうまく歩けなかった
③巣やヒナから離れさせるために、ケガをしたふりをして相手の気をそらせた
解答 ③巣やヒナから離れさせるために、ケガをしたふりをして相手の気をそらせた
解説 巣やヒナから関心をそらすために親鳥が取るこの行動を「偽傷」(ぎしょう)と呼びます。羽が折れてしまったかのように、片方の羽を地面で引きずるようにすることで敵にスキを見せて自分に注意を向けさせ、卵やヒナに敵が気付かないようにする、あるいは巣から敵を遠ざける、という作戦です。敵が十分に巣から離れたところで、親鳥は何事もなかったかのように飛び去り、こっそりとまた巣に戻るのです。
我が身をあえて危険にさらしてでも子を守ろうとするチドリのこの行動には、心打たれます。
何問正解できましたか?最後までお読みいただきありがとうございます。
ほかの一石二鳥クイズにも、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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【このクイズを作成するのに参考にした書籍】
WHAT IT'S LIKE TO BE A BIRD
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