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一石二「鳥」クイズ その8 行動 編①

回答していくだけで野鳥に詳しくなれる&野鳥への愛が深まる、「一石二鳥」のクイズです。今回は鳥の行動にまつわるクイズ。オウムが足を使って食べるのはなぜ?小首を傾げるような仕草の理由は?などの疑問に答えます。問題の後に解答と解説を記載しています。
初めて一石二「鳥」クイズに挑戦いただく方へ


Q1 鳥はアリが群れているところに体を押し付けるようにする「蟻浴」(ぎよく)という行動をすることがあります。何のためだと考えられているでしょうか。

①アリが体を這うことで、リラックス効果を得ている
②アリが羽についている寄生虫を食べてくれる
③アリを刺激することで毒性のある蟻酸がアリの体内から抜け、食べやすくなる


Q2 ほとんどの鳥は、食べるときに足を使いませんが、オウムは足を使って、しかも多くが片方の足を好んで使います。なぜだと考えられているでしょうか。

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①片足だけ長めになっており、口まで届きやすいから
②羽繕いをする足と食べる足とを分けるポリシーがある
③片足だけ使うことで、脳のもう片方を他のことを考えることに使えるから


Q3 鳥は片脚で立つことがよくあります。なぜでしょうか。

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①片脚で立つことは鳥にとって難しいことではないから
②片脚で立つことは難しく、バランス感覚が優れていることのアピールになるから
③片脚を隠すポーズが流行っているから


Q4 鳥が小首を傾げるような仕草をしているときは、どのようなときでしょうか。

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①視覚や聴覚で周囲に注意を払っている
②何かを不思議に思い、考えている
③決めポーズを取っている


Q5 鳥の中には尾羽をくるくる回したり、上下に動かしたりするものがいます。特に頻繁に動かしているときは何のサインだと考えられているでしょうか。

①機嫌がよく、仲間を遊びに誘っている
②体を動かせる=健康であることをアピールし、天敵に狙われにくくしている
③満腹のサインで、尾羽を動かしてウォーミングアップしている


【解説編】

Q1 鳥はアリが群れているところに体を押し付けるようにする「蟻浴」(ぎよく)という行動をすることがあります。何のためだと考えられているでしょうか。
①アリが体を這うことで、リラックス効果を得ている
②アリが羽についている寄生虫を食べてくれる
③アリを刺激することで毒性のある蟻酸がアリの体内から抜け、食べやすくなる

解答 ③アリを刺激することで毒性のある蟻酸がアリの体内から抜け、食べやすくなる
解説 
蟻浴をしているとき、鳥はくちばしにアリをつまみ、それを羽にこすりつけるような行動をとります。アリには「蟻酸」と呼ばれる毒がありますが、攻撃することで蟻酸が抜け、鳥が食べられるようになるそうです。
ただ、鳥はレモン果汁などほかの酸性のものを羽にこすりつけることもあるため、「酸」が何かしらの利益、例えば羽についた寄生虫を取り除くなどをもたらしている可能性も否定できません。


Q2 ほとんどの鳥は、食べるときに足を使いませんが、オウムは足を使って、しかも多くが片方の足を好んで使います。なぜだと考えられているでしょうか。
①片足だけ長めになっており、口まで届きやすいから
②羽繕いをする足と食べる足とを分けるポリシーがある
③片足だけ使うことで、脳のもう片方を他のことを考えることに使えるから

解答 ③片足だけ使うことで、脳の片方を他のことを考えることに使えるから
解説 
鳥には人間のように手がありませんが、オウムは足を「手」のように使って、食べ物を口に運ぶことがあります。このような動作をするのは、鳥類でオウム類だけ。しかも、「利き手」ならぬ「利き足」があるようです。特に左利きが多いそうですが、その理由は分かっていません。
人間の利き手のように、体の片側で作業することは、マルチタスク(複数作業を同時並行すること)やクリエイティビティの促進を示しているといいます。こうした人間のような行動が、オウムにより親しみを感じさせるのかもしれません。


Q3 鳥は片脚で立つことがよくあります。なぜでしょうか。
①片脚で立つことは鳥にとって難しいことではないから
②片脚で立つことは難しく、バランス感覚が優れていることのアピールになるから
③片脚を隠すポーズが流行っているから

解答 ①片脚で立つことは鳥にとって難しいことではないから
解説 
片脚で立つのは、特に足の長い鳥(例えば、フラミンゴなど)に顕著ですが、すべての鳥がします。鳥にとって片脚で立つことは、何か特別な労力がかかることではなく、ごく自然にできることなのです。
その理由は、鳥の脚の構造にあります。鳥の膝は、胴体の近くの脚の付け根辺り、羽に覆われて見えないところにあります。普段からスクワットしているような姿勢になっています。
鳥の体の重心は、このスクワットしている状態の膝下辺りにあり、真っ直ぐに立っているためには、つま先の微調整くらいで済んでしまうそうです。


Q4 鳥が小首を傾げるような仕草をしているときは、どのようなときでしょうか。
①視覚や聴覚で周囲に注意を払っている
②何かを不思議に思い、考えている
③決めポーズを取っている

解答 ①視覚や聴覚で周囲に注意を払っている
解説 
「何?」と問いかけているようにも見えるこの仕草、実は何かを不思議に思っているわけでも、かわい子ぶっているわけでもありません。周りの状況を把握するために、視線を向けたり音をキャッチしようとしているのです。観察している野鳥がこの仕草を取った時、上空を見たら天敵である猛禽類がいた、なんてこともあります。


Q5 鳥の中には尾羽をくるくる回したり、上下に動かしたりするものがいます。特に頻繁に動かしているときは何のサインだと考えられているでしょうか。
①機嫌がよく、仲間を遊びに誘っている
②体を動かせる=健康であることをアピールし、天敵に狙われにくくしている
③満腹のサインで、尾羽を動かしてウォーミングアップしている

解答 ②体を動かせる=健康であることをアピールし、天敵に狙われにくくしている
解説 
最近の研究では、鳥が尾羽を動かす割合は、天敵が近くにいるときに増えることが分かったそうです。これは「きみ(敵)がそこにいることは分かっている。私は健康で動きも素早いので、捕らえようとしたって無駄さ。だから襲ってくれるな!」というメッセージを発信していることの表れだといいます。
私たちは不安で落ち着きがなくなると、爪を噛んだり、貧乏ゆすりをしたり、わけもなくうろうろしてしまったりしますよね。鳥たちはこのように尾羽を動かすほか、首をにゅっと伸ばしたり、鳴き声を発したり、羽をパッと動かしたりします。不安な時や身の危険を感じたときにそわそわするのは、生き物に共通の仕草のようです。


何問正解できましたか?最後までお読みいただきありがとうございます。

ほかの一石二鳥クイズにも、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

過去のクイズはこちらから↓


【このクイズを作成するのに参考にした書籍】

WHAT IT'S LIKE TO BE A BIRD

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