劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を見てきた。まあとにかくここ最近のブームは凄く、僕の周りの人間も口を揃えて「凄かった、感動した」とのこと。当初興味がなかった僕だがアニメも漫画もそこそこ見るほうなのでそんじゃ見てみるかとアニメ版からばっちり予習をして本日映画も見てきた。

以下ネタバレ。

今回の映画のメインの見どころとして先に見た人が口をそろえて言ってたのが煉獄さんの男気に対する感動。当然僕もそれを期待しながら見始めた。見終わった正直な感想としては期待値マックスで行った割にはそこまでではなかったかなと。こっと最後はだれてしまった。

映画を見終わって何故僕はそこまで感情移入出来なかったのだろうと考えてみた所、二つのポイントがあった。

一つ目は前編と後編での唐突な切り替えについていけなかったことが挙げられる。

この物語のメインテーマである【煉獄の男気と死】という悲劇を、分かりやすい売りとして物語を作っていくと、どうしても主人公である炭二郎が薄れるため、前半に炭二郎と下弦の鬼との対決をくっつけた感があって、どうにもそこが違和感を感じた。つまり煉獄と上弦の鬼との対決をメインテーマにするには、その前の炭二郎と下弦の鬼との対決が長すぎたと個人的には感じた。

そりゃ主人公である炭二郎を目立たせるために前半にピークを作らなければいけなかったのだろうが、前半の戦いが終わってから唐突に上弦の鬼が出てきたので、なんとなくそこで気持ちがついていけなくなったという感じかな。もう少し前半の戦いはコンパクトに収めて、後半に出てくる上弦の鬼のプロフィール的なものや人物像(鬼だけど)的なものの描写があったらもっと乗れたかも。

二つ目は後半に出てくる上弦の鬼がそこまで極悪じゃなかったこと。やっぱりヒーローものはヒールがとことんヒールであるからこそ盛り上がるんだよ。

アニメ版に出てくる鬼はどいつもこいつもみんな極悪で、マジで半端ない嫌悪感で僕の心を満たしてくれたが、今回の上弦の鬼は悪役というよりは好敵手といった感じで、ヒール感があまりなかった。やられそうな煉獄に対し「死ぬな、鬼になって俺ともっと戦おうぜ」という言葉を投げかける・・

スポ根アニメのライバルみたいな感じでそこまでヒールになれなかった分、勧善懲悪的な見方で見る準備をしていた僕はそこの予想を外され感情移入出来なかった。やっぱりヒールがヒールになり切れないとヒーローも輝かない。

これが僕が今回鬼滅の刃を見に行った正直な感想だ。

とはいえ最後に煉獄のお母さんが出てきたシーンは僕もうるっときた。物語自体は漫画で完結したみたいなので今度は漫画を見てみるのもいいかも。

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