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独居者の酒酔吟唱 月下独酌 李白

Ichiro Kruso
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夜、天城連山の山間のあばら家で、山月をながめなが独酌する、月見酒である
月夜の晩は東南に位置するので、障子を開いて、喜怒哀感に満ちた人生を振り返り、あるいは老い先短いだろうことなども思いよぎらせ、一方では、聲高に、好きな詩を吟唱する。酒のみ雰囲気を悠然と詠いこまれている「詩」好きである。
そして吟唱する。その点では李白、陶淵明、杜甫、など何かと人生の愁いの中に淡々と酒に陶然と酔う様を詠みこんでいるのが好きである。彼らの詩には彼らの深く色濃い人生を感させてくれるからである。

月下独酌     李白

花間、一壺の酒 独り酌んで、相親しむ無し
杯を挙げて、名月を迎え 影に対して三人となる
月既に、飲を解せず 影徒にわが身に従う
暫く、月と影とを伴い 行楽須らく春に及ぶべし
われ歌えば、月徘徊し われ舞えば影凌乱す
醒ときは、同に交歓し 酔いて後は、各分散す
永く無情の遊びを結びて 邈(バク)たる雲漢に相期す

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