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ゲーミング長屋#3「英語」 | 森田一郎の毎日戯文 #33
ドーモ、森田一郎です。
さて、所は江戸、ときの頃は、そうですね、私にもさっぱりなんですが、町方に1680万色に輝く長屋がございました。
これがゲーミング長屋といって、なんでも絢爛豪華な見た目をして中に住んでるのはゲームオタクばっかりだってんで、町人の中でも評判でしたそうです。
そんな長屋に住んでおります一郎、英語の得意な男でして、洋ゲーをするのに翻訳がいらねえってんで長屋の衆から一目置かれておりました。そんな一郎が天井を眺めながら小指でハナクソを追いかけていると
「トントン」
「どうしたのー、お入りよ」
「ガラガラッ おう悪いね一郎さん、ちょっと頼みがあってよ」
「言ってみなよ」
「このゲームなんだけどよ」
与太郎がふところから取りい出したるは、話題だけど日本語版がないRPG
「チャチャーとこのゲーム、日本語にしてくんないかい」
「できるか」
「えぇー、なんでだい」
「あのねえ与太さん、ローカライズってのはえらい骨が折れる仕事なんだよ。ただ文から文をホイホイと日本語にすりゃいいってもんでもないんだ。権利者の許可も欲しいとこだし。だいいち頼むならゼニもらうよ」
「えぇー、けちんぼ」
「けちんぼも何も、あんたが英語を勉強すりゃいいでしょう」
「ほーら、おめぇいっつもそうだ。勉強すりゃいいってよ、それこそ、できるか!」
「なんで私が怒られてんでしょうね、辞書用意して首っ引きでやりゃいいんですよ」
「おう、どうしたいお前ら」
「弥七い、一郎がケチンボなんだよぉ」
「ケチンボはいけねえなあ一郎」
「面倒が増えた」
そうこう言い合っているうちに長屋中の人間が集まってまいります。
「辞書と首っ引きったってなあ」
「そこまで頑張れねえやなあ」
「だいいち辞書に書いてない言葉が出て来たりすんじゃねえか」
「はぁー」
一郎が大きなため息をついて一言
「あんたら、帰ってくれたら全員にお話のいい海外の無料エロゲーを紹
「帰ろうぜ」
「おう、そうだな」
「日も低いしな」
みんなは競うように散ったのでありました。
後日、長屋の男衆の英語力がめきめき上がったのはまた別のお話。
またあした。
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