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ゲーミング長屋#2「クソゲー」 | 森田一郎の毎日戯文 #29
ドーモ、森田一郎です。
さて、所は江戸、ときの頃は、そうですね、私にもさっぱりなんですが、町方に七色に輝く長屋がございました。
これがゲーミング長屋といって、なんでも中に住んでるのはゲームオタクばっかりだってんで、町人の中でも評判でしたそうです。
そんな長屋に住んでおります一郎、昼餉をかきこんでDX Racerに横になっておりますと
「テメェ表に出やがれ!!」
外からのっぴきならない怒鳴り声が聴こえてまいりまして
「上等でえ!」
何やら喧嘩のようです。無視して昼寝するわけにもいかないので外に出ますと大家さんがため息して
「旦那、どうしたんです」
「また弥七と与太郎のやつが取っ組み合いしてンだよ」
「はあまたですか」
この弥七と与太郎というふたり、仲が良いんだか悪いんだか、何かにつけて喧嘩喧嘩です、性能は「ペケ匣」がいいだの、いや「遊戯所」のほうが限定タイトルがいいだの、喧嘩するために喧嘩しているようなありさま
「おいおいお前ら今度はどしたの」
「こいつが大江戸運命2をクソゲーってんだよ!」
「てめえこそ天守閣伝説をクソゲーって!!」
「まあまあまあ」
「大江戸運命2なんかコンテンツの水増しと銭掴みばっかりじゃねえか!」
「ええ!?天守閣伝説こそチーターまみれだしプロジェクタイルで弾は当たらねえしで地獄じゃねえか!」
「まあまあまあ、そんな事ないでしょうよ、クソゲーならあなたたち遊んでないでしょう」
「いや、与太郎の言うのはほんとうだよ、なあ与太」
「おうよ弥七、どっちもクソゲーよ」
「どういうことなの」
「誰がクソゲーを嫌いだなんて言ったィ」
「そうだ、俺らはクソゲーだと自覚して楽しんでんのよ」
「人から言われると頭にカーッと来るけどな!」
「な!ダメな所のあるゲームほど愛着が湧くってもんよ」
「もう好きにしてくれ」
またあした。
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