「スチーマー」ってなんじゃろな | 森田一郎の毎日戯文 #113
毎日戯文とは
ドーモ、森田一郎です。
SNS上でちらっと「スチーマー」という言葉を見かけました。
どうやら文脈上は、Steamを利用してPCゲームを嗜むユーザーのことを指す語らしいことがわかりました。
さて、この言葉がどうも腑に落ちず、なぜ腑に落ちないのかをぼんやりと考えておりました。とは言うものの、べつに腹が立つとかではなくて、「スチーマーってスチーマー本人は自称しないのでは」という疑念があるのです。理由は後述します。
まず、同様の呼称を持つサイトとして「PRO スチーマー」があります。こちらは株式会社デジカが運営するValve公認のSteam国内窓口のような立ち位置のサイト。この「スチーマー」については、商標として用いられることは理解し難いものではありません。
では、この「スチーマー」という言葉はどこから来たのでしょうか。森田の推測では、おそらくPCゲームの隆盛とマルチプラットフォーム展開の増加により、「PCゲーマー」と「コンソールゲーマー」のコミュニティを分かつ境界線が薄らいできた辺りに出自を問えるのではないかと思います。
子供の頃からどんぶりめしの如くPCゲームをかっこんで来た森田にとって、PCゲーム販売プラットフォームとして最も早期に、もっとも広く発達したSteamは「あって当然」のインフラという感覚であり、森田にとっては「俺はスチーマーだ!」と主張する理由が思い当たらないからです。家の蛇口を操作したら水が出るからといって「俺は蛇口ャーだ!」あるいは「俺は大阪市水道局ァーだ!」と主張しないような感じです。
したがって、「スチーマー」という語は、そうしたインフラの外の価値観を持ったユーザーたち、例えばコンソールゲームを中心に遊んでいる方々がSteamの存在に触れ、発生したものではないかと森田は考えます。ただ考慮したいのは、前述の「PRO スチーマー」が語源となっている可能性や、一部PCゲーマーがみずから、何らかの主張をもって「スチーマー」と名乗り始めた可能性です。
そのへん突っ込んだ調査をしてみたいもんですが、今日は疲れているのでこのへんで。あっ、あと変に誤解されるといけないので念の為申し上げますが、私はそうした文化の合流やことばの発生について興味深い一心であります。むしろ“「スチーマー」ってなんだろう、違和感があっておもしろいな”というスタンスでございます。
いずれにせよ、「スチーマー」本人としてはピンと来ない「スチーマー」という言葉。検索しても出てくるのは基本的に蒸気が出る方のスチーマーです。あんまり流行ってる風ではありません。
しかし何にせよ、多くのユーザーがPCゲームに触れる機会が増えた故に発生した言葉だとすれば、これは森田にとってもたいへんうれしいことであります。
またあした。
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