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「外車は壊れる」を考える

 「外車が壊れる」に対しドイツ車ユーザの私は、確かに壊れる?がそれを含めて楽しんでる。その合理性や、性能を重視した考え方が好きだから。
 今回は私が好きなドイツ車の故障に対する考え方を語ってみようと思う。

形あるものはいずれ壊れる前提の設計、壊れた時どうするかが設計されている

 「壊れる」にも段階があると思う。ここでは、壊れたを自動車に求められる機能が満たせなくなった状態と定義する。

 例えば、お腹痛いけど我慢して授業を受け続けて、顔が真っ青になって教室で倒れてしまう。この倒れた時を壊れたとする。その場合、お腹痛くなってきて「保健室に行きたい」と言った時はまだ壊れてはいない。

 お腹痛くなってきた時を検知するセンサが無く、倒れた時のセンサしか無ければ当然システムは気付けない。お腹が痛くなってきた時に保健室に行ければ、薬を飲んで授業に復帰したり、休んだ後に早めに帰ることもできる。つまり、早い段階で気付いた方が選択肢が残されている。

 軽傷な状態で気付ければ整備工場へ移動する余裕がある。また、深刻な後遺症を残す事なく、最小限のダウンタイムで元の性能を取り戻せる可能性が高まる。

 ドイツ車は故障にすぐ気付けるように各種センサが取り付けられ通知してくれる。通知後にはディーラへ連絡がいくシステムもある。整備工場に行き故障診断システムを接続すると、エラーダイアグが表示され故障部位の特定方法例が表示される。故障を特定し必要な部品を取り付けし修理した後、修理履歴をコントロールユニットに書き込む。これにより、次回以降の故障診断のヒントになる。
 なお、センサを初期化したり、交換した情報を書き込まないと正しく機能しないセンサもあるため、キャリブレーションなどが必要になったりする。

 当然ながらセンサを沢山つけるということはセンサおよび測定システム自体が故障するリスクがある。また、早めに検知するということは、咳が出てだるい時に病院に行った時のように風邪なのかCovid-19なのか判断できなかったりして様子見だったりする。
 それでも、車の重大な部位が守れる可能性が高まるのであれば、故障に早く気づき家族の安全が守れるのであれば、メンテナンスしようと私は思う。そしてその考え方は好きだ。

 思いつく限りでセンサを挙げてみる。
 冷却水が少なくなったら通知してくれるセンサ、点灯したらコンビニで水を買って補充したり冷却水の原液を希釈して補充したりする。
 ウォッシャー液が少なくなっても通知が出る。よく聞く故障は、撥水機能付きのウォッシャー液を入れるとセンサが壊れてしまい、センサはタンクに接合されているため、タンクごと交換となる。
 バッテリの健康状態を監視し交換時期を通知してくれるセンサ。バッテリ交換時にはバッテリの種類や容量を登録する必要がある。電流と電圧を監視し、充電制御およびアイドリングストップを行うか否かも判断したりしてくれる。これは日本車でもアイドリングストップ車には付いている。信号待ちでアイドリングストップして再始動不可になると困るため。
 エンジンオイルレベルを多段で計測し減ると通知してくれるセンサ。レベルゲージを無くしてしまうモデルもあり、オイル交換時に不便だとか。レベルゲージを持たなくても手軽にスタバのドライブスルーの待ち時間でクールに点検できてしまう。
 ブレーキパッドの残量が減ると通知してくれるセンサ。ブレーキパッドと一緒に削れ、ブレーキパッド交換時には一緒に新品交換となる。日本車は物理的にキーキーと教えてくれる。

ほとんどの人はそう考えない。クレームにつながってしまうジレンマ

 コストが許すのであればセンサを取り付け早めに通知した方が理にかなっている。ただ、アラームが付いたら多分クルマに詳しくないユーザはびっくりしてしまう。ディーラには「アラームが付いたのだが大丈夫なのか?」と問い合わせが殺到し営業マンや整備士は対応に追われる。不良品だ!次は買わない!というクレームに繋がりかねない。自社の製品はよく壊れますと自分で言っているようなものだから。

 だから、閾値設定は壊れるギリギリの時に初めて作動してユーザに知らせる。きっとその時に修理しても後遺症が残り、後遺症を直すためには買い替えた方が安い程の高額な修理代を請求される。

 え?ドイツ車?その頃には同額の修理費が既に掛かっているかも知れません。ただ、それが本来かけるべきメンテナンス代だったとも言えます。

まとめ

「外車は壊れる」が、故障は避けられないとして故障した時の対応も含め設計されているシステムが私は好き。

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