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黄昏のアドマイヤ

普段、あまり高速道路で遠出をすることがない人は知らないかもしれないけど、

日本のSAには【アドマイヤ自販機】というものが存在する。

この特別な自販機でしか買えない「ミル挽き珈琲」なるものが私は大好きだ。

自販機のカップコーヒー目当てに無駄にSAに寄ってくれる仕事仲間には感謝してもしきれない。




【アドマイヤ自販機】には内部に高精度カメラが搭載されていて、

なんと豆を挽いて最終的にカップにコーヒーが注がれるまでの様子が外の画面に生中継される。

SAでホットコーヒーを飲もうと思ったら突如豆挽きライブ映像が流れ出すのだ。

しかも自販機の中は夕方5時の我が家のごとく絶妙に散らかっており、それが妙な連帯感と臨場感を演出する。




この自販機の弱点を挙げるならば、コーヒーの出来上がりまでに1分以上かかってしまう点だろうか。

しかし【アドマイヤ自販機】の本領もここにあり、待ち時間中はなかなかの音量でコーヒールンバが流れ出す。

爆音のコーヒールンバで小躍りすることによって、体感10秒ほどで熱々の出来立てコーヒーが手に入るのだ。

ボタンを押してから豆を挽いて淹れてくれるまでのアミューズメント感がパない。




かたや自販機の筐体左側に注目していただきたい。

ここには挽きたての豆の匂いを存分に楽しむための穴が空いており、
視覚(ライブ映像)・聴覚(爆音コーヒールンバ)・嗅覚(筐体左穴)を満遍なく楽しませてくれる謎機能を実装搭載。

サイズ展開もビックサイズ(L)・ジャンボサイズ(LL)の2つを採用するというややこし仕様。

なんなんだ【アドマイヤ自販機】、SA自販機界では他の追随を許さないスーパーでハイパーな自販機である。




そんなわけで私はアドマイヤの文字を見ると必ずと言っていいほど1杯買ってしまう。

ここ数年、西への出張が減り、しばらく見かけることもなかったんだけど、最近では中央道・東北道でもよく見かけるので買ってしまう。

ブレンド・シングルそれぞれ2・3種類のラインナップになっていて、バナナ味やら抹茶系の色物まで取り揃えていらっしゃる。

色々飲んでは見たんだけれど、鈴鹿のアドマイヤで大当たりのモカを飲んだことがあって、それ以降はモカだけを買っている。

しかしそこはアドマイヤ。結構味にバラつきがあり、全然美味しくないことも割と多い。

でもこの日のモカは結構良かったな。湖がキレイで空が青かったせいかもしれない。











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