高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【231】

妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
映画化芝居化・・・その他いろいろ作品化できればなんでも
なんて途方もない夢を観ています

高山の作品から
随筆「

2016/12/30 

父と母と兄と僕で今はマンションに住んでます。


古いマンションですから広いわりに安いです。


兄はアルコール中毒鬱でまあ、仕事してないけど手がかかる。

ここに移った時は広島から引き上げて。父がもう一度会社を何とかしようとしてました。

一度酷い倒産してて未だに色々あります。


その父が最近一気に衰えてます。

足腰が立たないとか多少のボケもありますね。


昭和十七年生まれですから七十の半ばですからね。


それと数年前に脳内出血やっててそれも影響してる。

一気に悪くなってて自分自身驚いてます。

ある意味歳を取れば当たり前の事かも知れないんだけど、僕には未知の世界で戸惑ってますよ。

僕はトンネルの仕事してるけど家庭に未だに残る借金とかをいれてますから貧乏です。

その辺りは借金のやり方が不味かったのと色々重なってます。後で僕は知って驚いたことも多くて上手く書けないですね。

まあ、それは良いとしまして父とはこの数年まともに話したりしなくなりました。


こっちも忙しいしまともに話すのは甥っ子が来た時ですね。


僕は何処かで倒産の時の父のめちゃくちゃ振りに振り回されて。ひどい目にあったのを憎んでる。


だけど、今回は父と僕の関係が良かった頃の話しします。


なんと言うかそういう物を残して置きたいんですよ。


兄との関係は諦めてるし、自己中過ぎるのに腹が立ちます。


元々このマンションは三人で暮らす為でしたし、兄は何度も縁を切ると言ってきて、こっちは必死に新しい会社で作業員からやり直してたのにです。


うちの会社が倒産してある会社が父と伯父さんと僕と、もう一人親戚の伯父さんを入れてくれました。


僕は三十代だったし、数ヶ月給料出てなかったから作業員のほうが良いと言いました。


トンネルは作業員は儲かるからね。


最初は地元で小さな掘削現場を伯父さん数人の作業員でやりました。


大変でしたが1日二万二千円貰えるから面白くてね。


伯父さんが所長でしたね。


それから鳥取の大きなトンネルに行くけどけっこう知ってる人も多くて儲かった、し現場の雰囲気は良かったです。


伯父さんは所長で僕は最初は雑工やってました。

途中から入ったからそれで良いと思ってましたね。

周りの作業員とは最初は揉めたりもあったけど、年上の人を知ってて何かと言えば可愛がってくれました。


それは多分会社が倒産して作業員になってるのを可哀想に思ってくれたんでしょうね。


雑工から掘削に入りました。掘削になるとお金が上がります。


班長が見てて空きが出来たから入れです。

これは嬉しかったです。


一通り出来たけどフルで本格的ダイナマイトを使う現場に入るのは初めてでしたが、体力だけはあったしとにかく稼いである程度借りたお金を返したかった。


毎日必死でしたが、その代わり休みになると鳥取でも兵庫に近くて姫路に遊びに行ってました。


京都にもその頃に行ってますね。


とにかく稼いでお金を返して、しかし遊びもしてでした。


こんなに貰えるんだでしたよ。


体力的にはしんどかったけど、三十代だからもう一度花を咲かそうです。


夜になるといくら水分取ってても急にこむら返りになったりしてね。


疲れと汗でそうなるんですよ。


それでも充実してた。

しばらくするとコンクリート打設が始まって工事長からそこの班長やれです。


掘削は一つは終わりかけてて人間もすこし減らしてた。

それと何故僕が班長かはコンクリート打設の免許持ってるからと機械に乗れるのが僕だけだからです。


えー!?ですよ。だって年上ばかりですし僕は作業員で良いよです。


しかし、工事長が譲らず班長用のヘルメットを渡して来ました。伯父さんは全く知らなくてお!お前が班長か!ですよ。


班長になると班長手当てが付くのと上手くやれば請け負い仕事になるので儲ける為に動きましたし年上とか関係なくどんどん言いましたね。


失礼な言い方はしなかったけど次は何とか率先して動きました。


コンクリート打設のほうが機械に頼らない所が多いために体力的にはキツいんですよ。

防水シートも張るしとにかく動きました。


大きなセントルって言い方をするんですが鉄製の方枠をレールで動かしながらコンクリート打つんですよ。


確か二百リューベ以上だったらからかなりの量でしたね。


コンクリート打ってて時間が経つとどうしても硬くなって上まで来ないんです。


これを元請けと見ててある時どうしても硬くて上がらないし色々やっても無理だからこれ以上はセントルが壊れるから辞めようでした。


しかし、元請けの職員はもう少しもう少しなんですよ。


僕は最後は責任は貴方が取るならやるけどです。


無理にポンプでコンクリートを入れようとするからおかしな負荷がかかってるの分かるんですね。

何回目かでガクッと大きなセントルが傾きましたよ。


あー!やったなあです。


こうなるとセントルを直さないといけないしこのコンクリートは補修ですよ。


セントル直すとなると専門を呼ばないといけないしやったなあです。

元請けの職員は青ざめてましたね。


僕はそら見たことかですが責任を僕に擦り付けようとした為に周りの作業員も僕は止めたって証言しました。


セントルを直すのに専門が来るまでセントルを脱型して補修を皆でしました。


時間がかかりましたよ。

伯父さんは僕を怒りましたよ。

お前が分かってるなら意地でも止めたら良かっただろうです。

確かにそうだけど元請けには逆らえないしなあです。

しばらくしたらセントルを修理する連中来ました。


工事長から手元をやってくれと言われまして道具は要らないからでした。


つまり僕のコンクリート班は専門の業者の手伝いだけをしてくれです。


分かったで僕は他の打ち合わせしててコンクリート班の人に手伝いだけをしてと言いました。


少し遅れて中に入ってセントルに上がると揉めてるですよ。

セントルの修理業者が怒鳴ってました。


なんで道具も無しか?と非常に横柄な態度なんですよ。

僕はカチンと来たからいや、こっちは手元をしてくれで道具は要らないといわれたぞです。


そしたら向こうの班長があんちゃん何者かです。


僕が若いからでしょうがヘルメットを見れば線が入ってるって事は班長だって分からないのかです。

お前らなめやがってですよ。


僕も三十代前半で血気盛んでしたし打ち合わせと違うならもっと丁寧に接するべきだろうですよ。


それを最初から見下したから僕のコンクリート班に辞めよう帰ろうです。

言い合いになってもなめてるのが分かったから更にカチンと来ましたね。


責任は俺が取るですよ。


皆をおろして宿舎に戻ろうとしてました。


伯父さんから怒られるのも覚悟ですしコンクリート班を外されても良いって位でした。


そうして戻ってると父とばったり会いました。


父は横浜の本社で部長の肩書きで色々してて現場で会うなんて無かったんですよ。


ところがその時は安全パトロールか何かで来てました。


僕は全く知らなかったしえ!ですよ。


僕が腹を立ててるの分かったようでどうしたのか?です。

僕は父と言うより会社の上司に言うように、話しが違うしああいう扱いを受けるなら俺たちは協力しないと説明しました。


そしたら父がちょっと待っておけでセントルにかけ上がりました。


そして怒鳴るのが聞こえました。


凄い剣幕でお前らなめるなよ打ち合わせはこうだろうです。


それを聞いてて思わず血は争えないなです。


そして戻ると皆に向かって道具は要らないから今回は自分に免じて手伝ってくれです。


そう言われたらこっちも返せないからやるかです。


戻ったら修理の連中は態度が変わってましたね。

ずいぶん丁寧になってた。


コンクリート班の一人が作業着の胸のネームの刺繍を見てたようで高山君のお父さん?と聞いてきました。


僕は苦笑いしながらそうですよと答えたら似てるなあです。


父もまだ五十代でしたしこれが僕の班で無くても同じ行動してたでしょうね。


息子だからとかは無かったはずです。


父が現在のような状態になって最初に思い出すのはこれですね。


あちこちで父を知ってる人からは似てると言われましたね。

血ですね。特に僕が一番似てたようですよ。


色々思うけどこの頃は良かったなと今では思いますよ。父も元気が良くてまだ諦めてなくてね。

二十年近く経ってもあの時セントルの鉄の階段をかけ上がって凄い勢いで怒鳴ってたのを思い出しますよ。


様々な感情が書いてて入り乱れますね。

僕は父のようになりたくもなかったし脳内出血をやる前は口喧嘩してましたよ。

だけど親子なんですよね。


上手く言えないけど親子です。

全てを否定はしませんし一生懸命仕事して会社を作ったけど、何処かで歯車のようなものが狂ったんでしょう。

良い時もあったし離れて暮らしたけど子供には優しかったですよ。

悪い所もあったけど過去を振り返りつつだけど今を見ないとなと思います。

とにかく出来るだけの事はしないとなと思いますよ。

皆老いるんですよね。


いつかは我が身ですよ。


親子の確執は有るけど病人に対してムチ打つような気は全くなくて出来るだけをやっていこうです。


上手く書けなかったですが親子なんてそういう物ではないんでしょうかね。

おわり

高山の作品紹介
次回は 随筆「父2」

「ガーターベルトの女」~映画化のために

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