花物語~うつむき姫

花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・

八重咲きのクリスマスローズ
画像提供:「花ねこ日記 」 http://hananeko.exblog.jp/

うつむき姫

むかしむかしあるところに
まだわかくうつくしいおひめさまがいました
でもおひめさまはいつもだまってうつむいていました
それはおひめさまのおかあさまがなくなったひからでした
いつのひからかおひめさまはうつむきひめとよばれるようになりました

おうさまはうつむきひめがげんきになってほしいとねがっていました
そこでむすめにえがおをとりもどしてくれたものには
おしろとりょうちをあたえるというおふれをだしました
くにじゅうからわれこそはとたくさんのわかものがあつまってきました
おうさまはこれはとおもうわかものをうつむきひめにあわせたのでした

いろんなわかものがいろんなはなしやいろんなげいをみせました
でもうつむきひめはやはりだまってうつむいたままでした
もうだれもうつむきひめのこころをひらくことはできないと
おうさまはあきらめかけていました
さいごのわかものはしずかなうみのようなひとみをしていました

そのわかものはうつむきひめとおなじようにだまってうつむいていました
でもそのごもうつむきひめはそのわかものとあいつづけました
あってもおたがいにだまってうつむいたままです
わかものとうつむきひめがであってからすうねんがすぎました
うつむきひめがはじめてかたくとじていたくちをひらきました

 わたしがうつむくようになったおなじながいねんげつを
 ひたすらわたしのことをかんがえてくださいました
 こころのなかでわたしのためになみだをながしてくださいました
 あなたのこころのこえがわたしにはきこえました
わかものがかおをあげるとうつくしいえがおがそこにありました

 まぐまぐ!「花を歌うかな」'09/3/7 No.1305

2009年ごろ
まぐまぐ!から発行していた
「花を歌うかな」で発表していたものです
そのメルマガはすでに廃刊しましたが
ブログに保存していたものを再掲しています

藤川一郎
京都市北区紫竹北大門町37 葵荘17号
075-493-4676


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