花物語～ リンドウ“プレイボーイ”

花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・

画像提供：「花ねこ日記」

白と青

2008/11/2(日) 午前 7:32

普通はひとつのお花さんはひとつの色でしょ
同じお花さんでも色違いはたくさんあるし
時間がたてば色が変わる花もあるの
でも最初から二色の花が咲くお花さんは珍しの
たとえば白と青の花がいっしょに咲くリンドウさん

どうしてそうなったのか
リンドウさんにお話をしてもらいましょうね
どうかよろしくねプレイボーイさん
いい名前でしょ・・・プレイボーイって
俺にピッタリだ・・・と白いお花さん

俺は最初から白一色がいいと言ったんだ
白は純粋・・・女の子が大好きな色さ
それが青花さんには分からないんだ
分かりませんリンドウは青か紫と相場は決まってます
だから歌にもなったんですよ

そんな昔の話は知らないよ
今は今
真っ白で明るくパッといこうよ
地味な色じゃもてないよ
もてたいもてたい・・・白さんはそればっかり

私たちは薬用として大事なおつとめがあるのだから
普段は質素におとなしくしてなきゃだめですよ
人の命にかかわることもあるのだから
信頼が一番です
だから青で統一するべきなのです

よく言うよ青さん
現に俺は白だし白が大好きだし
そんな俺の存在を無視して
青一色に統一すべきだなんて
まあ俺も白一色がいいとは言ってるけどね

白花さんと青花さんの言い分はいつも平行線
でも白花さんも青花さんも自分の意見をしっかり言い合ったの
それはとても大事で意見の違いはあっていいしあるのが自然
自分が正しい相手が間違っていると決めつけないで
自分と違う意見を尊重することよね

自然の神様はね
白花さん一色にしようとも
青花さん一色にしようとも考えていなかったの
白花さんも青花さんもいっしょに咲けばいいって言ったの
白花さんと青花さんは今も言い合ってるよ

　　まぐまぐ！「花を歌うかな」'08/10/28 No.1250

藤川一郎
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