花物語~ コスモス

花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・

画像提供:「花ねこ日記」

コスモスとミツバチ

2008/10/22(水) 午前 9:06

近頃はお米をつくる田んぼに
たくさんコスモスさんが咲いているでしょ
お米が余るからって田んぼをお休みにするの
そこで農家の人たちが相談しあったのよ
お休みした田んぼをお花でいっぱいにしようって

それでこのコスモス畑ができたの
昔はきっとあたり一面稲穂が実のっていたのよ
でも今はコスモスの花を見るのを楽しみに
たくさんの人が来るようになったの
人だけではなくミツバチさんもね

ミツバチさんはよろこんだのよ
コスモスのお花がいっぱいだから
あっちへ飛びこっちへ飛び
それはそれは忙しかったの
でもミツバチさんは忙しいのがうれしかったの

お花畑がないこともあるからね
どこへ行ってもお花がないときは悲しいものよ
だからここのコスモス畑のように
いっぱいお花があるときは一生けんめい働くの
ミツバチさんにとって働くことはしあわせなことなの
あるミツバチさんは仕事をしながら思ったの
コスモスさんはなんてきれいなんだろう
コスモスさんはなんてやさしいんだろうって
ミツバチさんはコスモスさんが大好きになったのよ
そしてコスモス畑がどんなに広いのか上から見たくなったの

ミツバチさんはコスモス畑の上ヘ上へ飛んでいったの
上から見るととてもきれいでとても広いなと思ったの
稲とコスモスの模様がとてもきれいだったの
ミツバチさんは昔からの言い伝えを思い出したの
昔の菜の花とレンゲもこんなにきれいだったんだろうなって

ミツバチさんはずっとお空の高いを飛び続けていたから
もうかなり疲れて木を失いそうになっていたの
でもこのままずっと美しい景色を見ていたいと思ったの
そこへ強い風が吹いて弱ったミツバチさんを吹き飛ばしたの
それからはミツバチさんの姿を誰も見ることはなかったの

でもそのミツバチさんのことはみんなが知ってたのよ
コスモスさんも稲さんも草さんも虫さんも
そしてほかのたくさんのミツバチさんも知ってたの
空の高い高いところまで飛んでいったミツバチさんのことを
みんなはいつまでもいつまでも話していたのよ


  まぐまぐ!「花を歌うかな」'08/10/19 No.1241

藤川一郎
京都市北区紫竹北大門町37 葵荘17号
075-493-4676

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