「憲法の統治機構」という話
「憲法の統治機構」という話
憲法とは「国民(基本的人権が保障された主権者)が定める民主的統治機構の定め」です。
その憲法が、主権者たる国民の基本的人権を保障しなくなったら、どうなるでしょうか。
少し考えてみましょう。
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ようこそ。門松一里です。静かに書いています。
いつもは、
「あまり一生懸命になるな」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n081dd28c9a6c
とか、
「沈黙」という話/「東アジアの思想」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n416e39d84b94
を書いていますが、本当はノワール作家です。
という話(ik)を連載しています。
こちらは調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。※虚構も少なからず入っています。
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何を言っているのか理解できない人のために、例を出します。
エドヴァルド・ムンクの『叫び』は誰でも知っているでしょう。赤い空はこの世のものとは思えません。
では、なぜ「この人は叫んでいるのか」を答えられますか?
「精神的に不安になった」ということは予測できるでしょうけれど、実はこの人(ムンク自身)は叫んでいません。「叫びを聞いている」のです。
状況として、ノルウェーのオスロのフィヨルドでは実際に赤い空を見ることができます。それによく観察してみましょう。頬を押さえているのではなく、手で耳を塞いでいますよね。
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状況と観察から答えを導くことはできますが、多くの人はその地域が限定された常識やその時代の印象でしか判断しません。「考えていない」「学ぼうとしていない」のです。
学ばなければ、ムンクが「叫びを聞いている」のにもかかわらず、変な人が「叫んでいる」ことになってしまいます。
不安な人がいたら助けるでしょう。けれど、そうした常識や印象をもっていると除外してしまうのです。
そして、政治です。ナチスはムンクの絵画を退廃芸術だと否定しました。けれど、ムンクが亡くなったあと国葬をしています。
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その憲法が、主権者たる国民の基本的人権を保障しなくなったら、賢人の「叫び」を聞くこともなく「叫びを聞いた人たち」も否定するようになり、やがて誰も「叫びを知らない」状態になります。学ばなければ、いずれそうなります。#警告
"「勉強する」しか独裁を防ぐ方法はない"
政治は主権者である国民のための政治でなければならないのに、学んでいないがために代表者に主権を奪われてしまう。実に滑稽ですが、現実です。チャーチルのいうとおり民主主義は最低で、その主権者は「蠅の王」なのです。#blackjoke #独裁者の部屋
cf.
田中泰延「だれも学ぶ方へ手を出さない」
「独裁者の部屋」
https://www.nhk.or.jp/jp-prize/dictator/interview03.html
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ウィンストン・チャーチル「この罪と災いの世界で多くの社会のあり方が試されてきたし実験されていくだろう。誰もが民主主義が完全であるとか考え尽くされたとは思っていない。実際、民主主義は最悪だ。これまで試されたすべての社会のあり方を除けばだが」
https://winstonchurchill.org/resources/quotes/the-worst-form-of-government/
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