『クラウドファンディング』 春風亭貫いち

クラウドファンディング......平たく言えば不特定多数の人からお金を集めちゃおう★的なことらしい。クラウドとついているので、私はつい「雲」を連想したが、そうではないらしい。雲のスペルは「cloud」であり、正しくは「crowd」と書いて「群衆」という意味らしい。L と R の違いに未だに翻弄されている。

このクラファンは意外と誰でも出来るようだ。お金を集める趣旨と目標額みたいなものをクラウドファンディング専用のサイトなどで公表すれば良く、目標達成したらこういうものを差し上げます的な返礼品を提示しておくと投資してくれる人も増える傾向にあるようだ。クラファンサイトを見てみると投稿者も多種多様で、老舗クラブハウス存続をしたい人(寄席のクラファンと方針は一緒)や、映画製作の資金集めをしたい人、新製品・新商品開発をしたい人、犬や猫の保護活動をしてる人など実に様々であった。

ここで貫いちは考えてみた「前座の生活を助けるクラファンは可能だろうか?」と。これは集まるだろうか? 集まったらいいなとは思う。目標額は...とりあえず欲を出さずに100万円くらいとしよう。そして前座を貧乏な順にランキング化し、上位者から順に配分していくシステムにしようと思う。返礼品は、もらった前座が二つ目になった時の会3回分程度の無料チケットや、指名制でサインをもらえるというのはどうだろう? もちろん地方に住んでいる方には郵送させて頂くつもりだ。でもこんな返礼品は普通過ぎるかもしれない。真の前座ファンはもっとここでしか入らないものを欲しがる可能性がある。〇〇が汗を拭いた手ぬぐいなどは一部のコアな方々に需要ありと見ている。足袋やステテコなども特定の前座のものは争奪戦になること必至である。切った爪や抜けた髪の毛なども......ーーここまでいくとクラファンサイト運営者から止められるかもしれない。

もし前座の貧乏アピール動画を作るなら私は率先して参加しようと思っている。私の現在住んでいる●●荘を見ればどんな大人だって同情してくれるはずである。とてもどうでもいい話だが、この令和の時代になっても、我が●●荘は下水設備が整ってないことが判明した。ここ数日、ジメッとした日が続いていて、そんな中シャワーを浴びていると......何か臭い! 何か水が腐ってるような臭いがすると思って風呂場の排水溝を開けてみたらーー排水溝の下はコンクリの基礎しかなかったのだ。つまり風呂や洗濯で出た排水は、特に下水管を通って処理場に行き着くのではなく、ただただ家の下に垂れ流しにされていたのだ。これは臭って当然である。私は急いで排水溝の蓋を閉めた。

......はぁ〜〜〜......もうクラファンとかどうでもいいから、次のアパートの契約更新になったら流石に引っ越そうかな……

2021.5.22

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