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家族が病気と診断された・・診療看護師歴8年のエキスパートが教える患者視点の病院の選び方


早期発見と早期治療が大切な人の命をつなぐ


家族が病気と診断された・・ショックで言葉もでませんよね。それと同時に、『1%でも可能性があるなら治ってほしい!』と願う方が大多数ではないでしょうか?

こんな時のために、何をポイントに病院を探したら良いのか?誰でもできる病院情報の入手方法について解説します。

あなたは今、家族が病気と診断されたら、どうやって治療する病院を探しますか?『命に関わることだから良い病院で治療を受けてほしい・・けれどどこの病院が良いかわからない・・結局診断されたクリニックの先生にお任せして病院を紹介してもらう』という方がほとんどだと思います。

もちろんその方法も間違いではありません。その一方で、お任せした病院にいざ行ってみたら、『待っている患者が多くて必要最低限の診察しか行われなかった』、『手術は数カ月先まで埋まっていると言われた』などの声を耳にすることがしばしばあります。

病気は『早期発見と早期治療』が重要だと言われている中で、必要最低限の診察や手術まで数ヶ月待っていたら、本人や家族はいっそう焦燥感に駆られることでしょう。

では逆に、自分たちで病院の情報を集めて自ら病院を決め、クリニックの先生には決めた病院宛に紹介状を書いてもらう、このやり方はどうでしょうか?家族の命を託すわけですから、自ら病院の特色を理解したうえで自分に合う病院を選ぶ、こちらの方が不安も減って治療に専念できるものです。

私が38歳の時、妻がクリニックで再検査をしたところ、腫瘍が6センチもある大腸がんと診断されました。まさに寝耳に水の出来事でした。当時私は医療機器のメーカーで働いていたため、仕事柄周辺病院の特色を把握していました。そのため、がんの告知を受けた直後に妻と相談して、私が良いと思う病院で治療を受けることを決めました。そして、クリニックの先生には決めた病院を伝えて、速やかに紹介状を書いてもらったのです。

妻と決めた病院は、患者視点の姿勢を強く持っており、迅速な診断(ステージ4)と治療方針を打ち出し、最短で手術を行いその後抗がん剤治療を開始しました。まさに、早期診断と早期治療のお手本というべき非の打ち所のない一連の流れでした。その後、3年の闘病生活を経る中で、本人の努力と複数回の手術を行った甲斐もあり、妻は奇跡的にがんを根治できたのです。

しかし喜びもつかの間、妻に再び病が襲います。今度は急性心筋梗塞でした。この時は、自宅で起こり発見が遅れたことで蘇生処置も遅れ、妻は亡くなりました。

この生と死を分ける2つの出来事から、『自分たちで病院を選ぶ』ことと『早期発見と早期治療』が重要であることがご理解いただけると思います。

この記事では、家族の生と死の両方を経験した私が、『早期発見と早期治療を受けるには』に注目して、医師不足を打開すべく先見性をもった投資をしている、患者視点の病院の選び方について迫ります。

それにあたり、診療看護師として8年の経験をお持ちのエキスパート、木村広大さん(以後:木村さん)にお話をうかがいます。診療看護師は、医師の代わりに一部の医行為ができる資格で、医師不足の打開策として国から期待されています。

この記事を読むことで、患者視点の病院を選ぶために「候補の病院に、診療看護師がいるかの確認をしてみる」ことと「病院に直接聞くのは躊躇しちゃう!という方は、近隣の都道府県が設置している医療安全支援センターで相談してみる』という今日から誰でもできる2つの方法を知ることができます。

家族が病気と診断された時に自分たちで病院を選びたい方、安心して家族を任せられる病院を今から決めておきたい方は、最後まで読んでください。

診療看護師 木村広大さん

世界的に見ても日本の医師不足は深刻、国は打開策としてチーム医療を推進

少子高齢化社会に突入した日本では、医療業界においてもマンパワー不足が叫ばれています。高齢者が増える一方でそれを支える働き手が足りない。国は、早期発見と早期治療を含む医療の質を担保するために、チーム医療の推進を掲げています。チーム医療とは、多種多様なスタッフがそれぞれの高い専門性を活かして、お互いに連携し補完し合いながらみんなで患者さんをサポートする、という考えです。

この考えは、2009年に厚生労働省が「チーム医療の推進に関する検討会」を発足したことで始まりました。現在では、病院以外にも消防や自治体などさまざまな関係機関と連携する動きが広がっており、マンパワー不足を補うべく日々取り組みが続けられています。

出典:チーム医療に関する検討会 報告書 厚生労働省

その一方で、現在も日本の医療が抱えている根本的な問題の一つが、医師不足です。その根拠の一つとなるデータがあります。データは「人口あたりの医師数」という指標をもとに、OECD加盟国を対象に各国の医師数の状況を比較しています。


出典:医療関連データの国際比較ーOECD Health Statistics 2021およぼOECDレポートよりー清水麻生

それによると、日本は人口1,000人あたり2.5人の医師数で、38カ国中33位という順位となり、世界的に見ても少ないことが示されています。では、医師不足が起こるとどのような問題が医療現場で起きるのか?また患者側に立って考えた時にどのような影響があるのか?

「それは、症状ごとに行う確認ポイントの見落としにつながり、見落としにより最悪の場合、合併症が生じる可能性があります」と診療看護師の木村さんは危惧します。

医師不足により症状ごとの確認ポイントを見落としやすくなる

「医師不足が起こると、診察する時に行う症状ごとの確認ポイントを見落としやすくなることが危惧されています。医師も焦るわけではありませんが、多くの患者さんを短時間で診なければなりません。そのため、状況によってはそれ以外の問診や診察が行われないこともあります。」

医師不足によって患者に与える最大リスクは合併症

「医師不足の問題を患者さんの立場で考えると、診療時間が長くなったり、追加の検査や処置が必要になったり、患者さんが飲む薬や点滴を変更したり、最悪は処置が遅れることによる合併症が生じる可能性があったり、それぞれ一定のリスクが考えられます。」

「また近年、医師への業務負担が膨れ上がっており、そのことが過労働につながり、医療従事者側にも悪循環が生じています。そういった背景を鑑みて、医師には医師しかできない仕事に集中してもらおうと、国がチーム医療の考え方を推進しました。」

「そしてチーム医療の一環で、看護師の役割の拡大を推進するべく、期待されている資格が診療看護師です。」

出典:チーム医療に関する検討会 報告会 厚生労働省

診療看護師は医師不足の打開策として期待されている

「診療看護師は、あらかじめ医師と作成した手順書に従い、医師に代行して一部の医行為を行ったり、医師からの直接的な指示があれば、検査や薬の処方の代行入力もできる資格です。」

「診療看護師になるには、看護師として実務経験が5年以上あることが条件です。そのうえで、大学院に入学して約2年間の修士課程で、医学知識や初期医療を学び、それを実践し研究論文を発表します。これらを経て合格し卒業することで資格を得られます。」

「ちなみにアメリカでは、ナースプラクティショナー(NP)と呼ばれ、医師の指示を受けずとも手術以外の医行為ができます。一方日本では、医師の指示のもと診療の補助を行う、という位置づけで運用されています。」

出典:チーム医療に関する検討会 報告書 厚生労働省

『救える命を増やしたい!』の思いで、自ら診療看護師を志願

「私が診療看護師になった理由は、救える命を増やしたいと思ったからです。診療看護師になる前は、薬や点滴だったり、人工呼吸器だったり、『あのときにすぐに行えていたら患者さんが助かったかもしれない』と思える歯がゆい経験が数え切れないほどありました。」

「看護師の仕事の一例を話すと、『患者さんに手で触れて目でみる』という五感を使った看護を行います。具体的には、目の前に容態が急変した患者さんがいた場合、血圧を測ったり呼吸がしやすいように姿勢を変えたり心臓マッサージをしたりと、急変時の対応を行うのが仕事です。その一方で、薬の投与などさらに一歩踏み込んだ対応は、当然ながら医師の指⽰のもとで行います。」

「当時の私は、看護師ができる看護を通じて、患者さんとの寄り添い方が他にあるのではないかと考えていました。しかし、実際には、面会ができず患者さんを亡くされたご家族に、亡くなる直前の様子を精密にお伝えしたりと、できる範囲での看護を行うことしかできませんでした。このように、さらに一歩踏み込んだ看護をするには、医師の指⽰がなければ待つしかない現状もあるのです。」

診療看護師であれば医師の指示を待たずに一部の医行為ができる

「診療看護師は、あらかじめ医師と相談して取り決めた手順書があるので、仮に医師がその場にいなくても一歩踏み込んだ対応を迅速に行えます。手順書には、静脈のルートが確保できず薬が投与できない場合には、末梢留置型中心静脈カテーテル(以下PICC)を留置することや、⼼臓の機能が弱まっている場合では⾎圧や脈拍を調節する薬を⼊れる、など医師との共通見解が書かれています。」

「ですから、もし患者さんの容態が急変しても医師の手順書がある場合僕が迅速に対応することができ、その結果患者さんは苦痛から早く抜け出すことができます。また患者さんだけではなく、周囲の看護師にとっても患者さんの苦しむ顔を見なくて済むので、診療看護師は関わるみんなにとって明るい作用を生みだすことができるわけです。」

チームスタッフにPICC手技の準備の仕方について指導する木村さん

超高齢化社会だからこそ住民の考え方や文化を尊重した医療も必要

木村さんは現在、群馬県にある超高齢化が起きている地域の病院で働いています。近ごろは『消滅可能性自治体』が話題にあがっていますが、今後超高齢化する都市が増え続ける日本。それであれば、木村さんが働いている地域で今起きている医療体制について気になるところです。この件に関して木村さんは、「医療格差はもう始まっています。」と話を続けてくださいました。

医療格差はもう始まっている、患者は増える一方で医療従事者の数は少ない、医師も高齢化が始まりマンパワー不足が顕著

「超高齢化による医療格差が始まっています。この地域には、私が勤務している病院以外にも他の病院はあるのですが、地元の方同士のクチコミの影響もあり、勤務先の病院に患者さんが一極集中している側面があります。毎日80〜90歳ぐらいの患者さんが、外来にズラーッと並んで座って待っています。患者さんはご高齢なので耳が遠い方もいらっしゃれば、腰が痛いから早く治してほしい、先に診てほしいなどさまざまなご要望をいただきます。」

「ここまでの話から、予約取ってないの?と疑問がでてくるかもしれません。一部の診療科では、予約なしで今も診察しています。当然ながら、予約制でないため予定時間通りの診察ができず遅れることもあります。また、長時間待つことで体調を崩される患者さんもたまにいらっしゃいます。」

「一方、予約制を取り入れない一部の診療科の医師も、『高齢の患者さんが多いからこそ地域に根ざす病院であるべき』という意見を持っています。なぜなら、そのような考えを持つ医師自身も高齢だからです。そのため、高齢の患者さんの気持ちに共感して、『いつでもお越しください』という感じで、地域に密着した医療を提供しています。」

「そういった複雑な背景もあり、医師不足によるマンパワー不足が顕著にでていると感じています。この先、ますます医師の高齢化が進んでいくと、今以上に医師や診療看護師の負担が増える。考えるだけで今後の医療現場に対する不安があります。」

「はたから見ると、医師と患者さん双方のことを考えれば、予約制にして回転率を上げた方がよいと思いますよね。その一方で、超高齢化した地域だからこそ、高齢者の考え方や文化も尊重しなければならない側面があるのもまた事実です。この地域で働いてみて、住民それぞれを尊重する多様性の考えも大切だと日々学んでいます。」

『超高齢化した地域でこそ診療看護師が必要』と思い転職を決断

「私はもともと、群⾺県内の基幹病院で働いていました。大きい病院だからこそできる、診療看護師としての仕事も楽しかった。ただ、あるときから『超高齢化が進んだ地域の病院でこそ診療看護師は必要なのでは?』と考え始め悶々としていた時期がありました。そんな時に今の勤務先の院長先生からお声掛けがあり、その波に乗って転職を決断しました。」

診療看護師に病院が求める3つの役割

「転職したときに病院から求められたことは、『救急外来の初期診療をする』、『超音波エコーを使って患者さんの心臓の評価をする』、『PICCという中心静脈カテーテルを腕から挿れる手技をする』の3つでした。

「最低限その3つを行ったうえで、その時に余裕があったり緊急事態で加勢が必要な場合は、全体の補助をしています。」

救急外来を医師に代わって木村さんが行うメリットとは?

「まず初期診療の目的(ゴール)からお話します。目的は、搬送された患者さんの状態を迅速に評価することと、症状から考えられる病気に対して検査と処置を行い、医師へ引き継ぐことです。極端に言うと、救急外来は『患者さんの容態がこれ以上急変しないように専門医へ委ねる』という一次対応の側面もあります。」

救急外来の目的がわかったうえで、僕が代わりに行うメリットは、医師が自分しかできない専門分野の仕事に注力できる点です。例えば、専門分野の外来診療や入院患者さんへの対応、カンファレンスという医師同士の会議に遅滞なく参加できたりと、さまざまなメリットが考えられます。」

「一方、患者さん側のメリットは2つあると考えています。1つは、医師と比べると時間に追われにくい私が診察するため、問診の見落としの軽減につながり、結果的に患者さんが検査や処置を受けやすくなることです。もちろん、私も人間なので見落とす可能性はありますけど。」

「もう1つは、医師よりも気軽にコミュニケーションを取りやすい点です。『医師には話しかけづらいけど、診療看護師であれば話しかけやすい』という患者さんのお声が多いのでメリットに挙げました。」

心臓の評価を医師に代わって木村さんが行うメリットとは?

「超音波エコー検査の目的は、心臓の病気の原因を探るために行います。この検査は、診療看護師でなくても看護師資格があれば行える検査ですが、実際には検査技師、放射線技師が⾏う傾向が多いです。理由は、検査を行ううえで相当な知識と経験が求められるからです。

その一方で、私の勤務先では、医師・検査技師でさえも人によっては不得意な領域とすることもあります。このような背景から、⾃らやりたいという医師・検査技師が少ないのかなと思います。」

「このように、医師は多忙で、検査技師もマンパワーが不足している中、私が代わりに⾏うことで、医師・検査技師のそれぞれの貴重な時間を他の仕事に注力させる効果をもたらします。つまり、医師・検査技師としては私が貴重な戦⼒になるわけです。」

超音波エコーを使って心臓の評価をする木村さん

PICC手技を木村さんが代行をするメリットとは?

「PICCの手技とは、カテーテルと呼ばれる管を腕から挿れる行為です。この行為の目的は、カテーテルの先(出口)を心臓付近の太い血管に置くことです。抗がん剤などの刺激の強い薬を流す時、血液の流れる量(血流量)が豊富なところに流すことが推奨されています。」

「人間の場合、一番血流量が豊富な部分は心臓付近の血管です。ですから、PICC手技により、心臓付近の太い血管に直接薬を流せる仕組みを作ることができ、患者さんとしては遅滞のない計画通りの治療を受けることができるわけです。」

「これがもし、腕などの細い血管に普通の点滴のように直接流してしまうと、炎症(静脈炎)という合併症を起こす可能性があります。腕の血管は、心臓から遠く血流量が少ないため、薬の刺激を薄めることが十分ではありません。そのため、刺激に負けて炎症を起こすわけです。炎症を起こした箇所の血管は、その後の治療で他の薬を流せなくなるというリスクもあり、さまざまな影響を及ぼします。」

「また、PICCはカテーテルを挿れる位置が腕(上腕)であるという特徴があります。一般的に中心静脈カテーテルを挿れる位置は、鎖骨付近や首です。ではなぜ腕を選択するかというと、腕の方が患者さんへの負担が少なくて済むメリットがあるからです。」

「さて、私がPICC手技を代行する理由ですが、それはPICCの手技時間が関係しています。慣れない医師が行うと30分以上時間を要しますが、私はこれまで1500症例以上の経験があるため、10分ほどで終えることができます。つまり、私が代行することで、医師の貴重な時間を他の仕事に注力することができるわけです。」

「またPICCは、定期的に患者さんの腕に針を刺さなくて済むようになるので、患者さんにとっても精神的なハードルを下がったうえで治療を受けることができ、みんなにとってメリットのある行為です。」

PICCカテーテルを挿れている木村さん

診療看護師が置かれている現状と問題点

木村さんの仕事は、医師の一部の医行為を手順書にもとづき行います。ですから、医師の指示のもとと言えども、判断を誤ることで重い責任が伴う仕事です。

木村さんは、誰かに頼まれて診療看護師を目指されたわけではありません。患者さんや家族への看護を通してご自身で歯痒さを感じた経験がきっかけで、自ら志願しました。診療看護師の方は、木村さんのような志を持った方がたくさんいらっしゃるのでしょう。

では、診療看護師になったからこそ感じる、医師が抱いている診療看護師への見方や問題点について、病院ごとの姿勢が垣間見える形でお話をご共有いただきました。

診療看護師は国家資格ではない、一部の医行為を行える法的根拠は?

「看護師の資格は国家資格ですが、診療看護師はまだ国家資格として認められていません。診療看護師は、日本NP教育大学院協議会が認定している資格です。世界的にみると、アメリカでは国家資格となっています。日本では今後国家資格にすべく認知活動を推進しているところです。」

「このように、日本では国家資格としてはまだ認められていないが、国としては医師不足の打開策の1つとして診療看護師の増員を後押ししている、という複雑な立ち位置の資格が診療看護師です。」

「ちなみに、診療看護師が一部の医⾏為を行える根拠は、保助看法という看護師の法律にあります。保助看法には、医師の指示のもと診療の一部を補助すると明記されています。このことを根拠に厚生労働省をはじめ国は、診療看護師増員の後押しをしているのです。」

出典:日本NP教育大学院協議会とは 日本NP教育大学院協議会HPより

医師不足の打開策として推進されているのに、なぜ多くの病院がまだ診療看護師を雇っていないのか? 

「私が考えている理由は2つです。1つは診療看護師の認知度がまだまだ低いこと。もう1つは、看護師が医行為を行うことに対して疑問を抱く医師がいるからだと考えています。つまり、医師の協力を得にくい病院がまだ多いのが実情だと感じています。」

「診療看護師の医行為は「医師の指示のもと」が前提なので、医療現場のマンパワー不足という根本の問題を忘れてしまうと『看護師の医行為の責任を負うのは・・』と躊躇される医師もいるかもしれません。」

「また『診療看護師がいることで自分の仕事がなくなってしまうのではないか?』と心配される医師もいるのではないかと思います。日本では、医師の仕事は医師しかできないと法律で定められているので無用な心配だと思いますが、医師も人間なので必要以上に不安になっている現状もあるのかもしれません。」

気になる診療看護師の給与水準は

「医師と比べると診療看護師の給与は低いのが現状で、平均すると年収600万円弱だと思います。ただ具体的な金額に関しては、勤務する病院や役職、年齢によると思います。」

「例えば国立系列の病院であれば月収にプラスして数万円の手当がでたり、私立病院であれば手当の他にインセンティブがでたりとさまざまです。人によっては、年収1,000万円という方もいらっしゃるようです。」

「とはいえ、一般的な看護師の平均年収と比べて、プラス100万円ぐらいの年収が相場というイメージです。」

『早期診断と早期治療』を受けられる患者視点の病院の選び方を教えてください

「あくまでも個人的な意見ですが、候補の病院に『そちらの病院では診療看護師が働いていますか?』と聞いてみたらよいと思います。

診療看護師を採用して活躍させているということは、裏を返せばその病院自体が医師不足問題に対して正面から向き合い、先見性をもって社会的責任を果たそうとしていると思うからです。そういう意味では、患者さんと医療従事者双方の視点をもった病院であると思います。」

「もし直接病院に聞くのが躊躇してしまうのであれば、『医療安全支援センター』に電話して相談するのもよいと思います。このセンターは、各都道府県や保健所に設置されている窓口です。」

「医療安全支援センターでは、医療の相談や苦情、病院情報など、幅広い内容を受け付けているので、医療知識がなくても気軽に相談できます。困ったらまず医療安全支援センターに電話して聞いてみましょう。」

出典:医療安全支援センターとは 医療安全支援センターHPより

家族が病気と診断された・・どうやって病院を探しますか? 

この質問にあなたは答えられるようになりましたか?

少子高齢化社会となった日本において医師不足は深刻です。早期発見や早期治療の観点から、医師不足は私たち患者側にとって受け入れがたいリスクがたくさんひそんでいることがわかりました。

国は医師不足を打開すべく、チーム医療推進に舵を切り、診療看護師に期待を寄せています。その一方で、全国の病院では、チーム医療の推進及び基本方針に賛同するも、そのスタンスは病院ごとに異なっており、それが病院の特色となってあらわれています。

この背景を理解したうえで、自分が候補となる病院の情報を集めて、自分たちの考えと合うかどうかの判断をするため、2つの方法を知ることができました。

それは、「その病院に診療看護師が働いているか?を聞いてみる』ことと、『もし直接病院に聞くのが躊躇してしまうのであれば、医療安全支援センターに相談する』という内容です。この機会に重い腰を上げて、自分たちで病院情報を取りにいって、自分たちで病院を選んでみませんか?

医療に絶対はありませんが、自分に合った病院と巡り会えることを祈っています。大切な人と過ごす時間には限りがあります。今を大切にしましょう。

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