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#1 良問日誌〜2024一橋③


はじめに


2024旧帝大+早稲商+一橋の文系数学を解いた。その中でも類題経験があると役にたつと筆者が考えた問題を取り上げ、解説していく。

筆者の実績(理系)


京都大学入試実戦模試(夏) 偏差値79.6
京都大学オープン模試(夏) 偏差値75.2
京都大学入試実戦模試(秋) 偏差値74.2
阪大入試実戦模試 数学全国2位
その他全国模試では常に偏差値70↑をキープ




問題

$${f(x)}$$は$${x}$$に関する4次多項式で4次の係数は$${1}$$である。$${f(x)}$$は$${(x+1)^2}$$で割ると$${1}$$余り、
$${(x-1)^2}$$で割ると$${2}$$余る。$${f(x)}$$を求めよ。


問題方針

問題を解く上での基本方針は「問題文にある全ての条件を使う」ことである。特に一意に定めようとするこのような問題では使わない条件というものは基本的にない。よって、問題文の条件に番号をつけて思考を整理する手がかりにする。
$${f(x)}$$は$${x}$$に関する4次多項式ー$${①}$$
4次の係数は$${1}$$ー$${②}$$
$${f(x)}$$は$${(x+1)^2}$$で割ると$${1}$$余るー$${③}$$
$${f(x)}$$は$${(x-1)^2}$$で割ると$${2}$$余るー$${④}$$
以上の4つが今回の条件である。条件が整理できたら今度は数式あるいは図にして表す。今回は図形問題ではないため、図は必要ない。
$${①}$$→$${f(x)=ax^4+bx^3+cx^2+dx+e}$$ 
$${②}$$→$${①}$$の$${a=1}$$
$${③}$$→$${f(x)=(x+1)^2(fx^2+gx+h)+1}$$
$${④}$$→$${f(x)=(x-1)^2(ix^2+jx+k)+2}$$
そして各条件を統合すると


$$
\begin{cases} f(x)=x^4+bx^3+cx^2+dx+e
\\ f=1
\\ i=1
\end{cases}
$$


となる。
$${b,c,d,e}$$を最終的に求める(代入する)ことになるので、結果的に解消するべきは$${③,④}$$の文字$${g,h,j,k}$$の4文字である。

解答①

条件$${②,③}$$より
$${f(x)=(x+1)^2(x^2+ax+b)+1}$$とおける。

$$
f(x)=(x+1)^2(x^2+ax+b)
\\=x^4+(a+2)x^3+(2a+b+1)x^2
\\+(a+2b)x+b+1
$$

—$${⑤}$$

条件$${②,④}$$より
$${f(x)=(x-1)^2(x^2+cx+d)+2}$$とおける。



$$
f(x)=(x-1)^2(x^2+cx+d)
\\=x^4+(c-2)x^3+(-2c+d+1)x^2
\\+(c-2d)x+d+2
$$

ー$${⑥}$$

$${⑤,⑥}$$を係数比較すると、
$${a+2}$$=$${c-2}$$
$${2a+b+1}$$=$${-2c+d+1}$$
$${a+2b}$$=$${c-2d}$$
$${b+1}$$=$${d+2}$$
これらより、

$${a=-\dfrac{9}{4},b=\dfrac{3}{2,}c=\dfrac{7}{4},d=\dfrac{1}{2}}$$

$${\therefore x^4-\dfrac{x^3}{4}-2x^2+\dfrac{3}{4}x+\dfrac{5}{2}}$$

まとめ

このような高次方程式の問題は、一橋大を受験するようなハイレベルな受験生なら誰しもが一度は見たことのある問題ではないだろうか。この問題は網羅系問題集や少しハイレベルな問題集にも類題が載っており、「類題経験」があると解けるような問題であった。解けなかった人は是非この問題を復習して、似たような問題が出たときに解けるようにして欲しい。
数学における基本方針はまず条件を整理してその条件を式や図にすることからはじめると今回のように上手くいくことが多い。方針に迷った時の参考にして欲しい。

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