見出し画像

~第35回~「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)の話」

12月に入り、年の瀬が近づいてまいりました。そろそろおせち料理の準備も…と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。数多の食材で彩られるおせち料理から、今回は食の神様のお話を。

私どもの境内に稲荷神社があります。稲荷神社の御祭神は宇迦之御魂神(※『古事記』では宇迦之御魂神とありますが、『日本書紀』では倉稲魂命)。宇迦之御魂神は食物を司る神でして、宇迦(ウカ)は食物を意味します。食物を司る神は他にもおりますが、総じて御食津神(みけつかみ)とも呼ばれます。先に『古事記』と『日本書紀』では名称が異なる旨をお伝え済ですが、『日本書紀』では伊弉諾尊と伊弉冉尊の間に誕生した食物神と記されており、いずれも食物神であることは同じです。

『古事記』に話を戻しますと、宇迦之御魂神は氷川神社の主祭神である須佐之男命が稲田姫命の次に娶った神大市比売との間に生まれた神様とあります。また、兄神に大年神(おおとしのかみ)がおられます。大年神の「とし」は穀物の意味であり、収穫に1年を要するところから年を意味するようになったとも。歳神でもありますので、一年の変わり目である正月に訪れ、新しい1年の実りをもたらす神様でもあります。

ともあれ、古事記によれば須佐之男命から食物の神や歳神が生まれているのです。
年の瀬から大晦日、そして新年。実りある1年のための初詣に向けて、新型コロナウィルス対策を整えておりますので、どうぞ下記からご確認くださいませ。
http://musashiichinomiya-hikawa.or.jp/news/topics.php?id=191

画像1

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?