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~第11回~ 「粽とスサノオノミコト」


今回は、6 月5 日に斎行しました粽神事から「粽」(ちまき)のお話です。
古くは旧暦5月5日の節句で粽を御神前にお供えしておりました。
この粽は邪気を祓うといわれる真菰(まこも)を用いることになっており、当社では見沼地区の真菰で作ります。
真菰は古事記や日本書紀にも登場するイネ科の植物で、出雲大社などでも神事に用いられます。

粽に話を戻すと、京都の祇園祭(7月~)では、粽(祇園粽)が厄除けの縁起物となっております。
祇園祭の粽は「蘇民将来之子孫也」という赤い紙が付いているのが特徴で、これは武蔵一宮氷川神社の主祭神であるスサノオノミコトの蘇民将来神話の茅の輪に由来するものです。

祇園祭は、貞観11年(869年)に京都市中の神泉苑にて、祇園の神を祀って疫病や災厄の除去を祈った神事「祇園御霊会」が始まりです。
この祇園の神とは、スサノオノミコトと仏教の寺院「祇園精舎」の守護神・牛頭天王が習合したものです。
当時、スサノオノミコトも牛頭天王も、行疫神(疫病をはやらせる神)として、また同時に疫病を鎮める力がある神として信仰を集めており、これが後に祇園祭になりました。
この信仰は全国に広がり、現在でも全国各地で祇園祭が行われております。

それは、疫病を鎮めたい私たち日本人の願いであり、鎮める力を持つ神・スサノオノミコトへの祈りでもあるのです。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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