~第4回~ 「樹木とスサノオの神話」
(今回はスサノオノミコトが高天原から日本に降りてきてからのお話です。)
スサノオノミコトは、八岐大蛇退治以外にもいろいろご活躍をされております。
例えば「日本書紀」巻第一の第八段第四と五の一書にそのご活躍の様子が記されておりますので、一部をご紹介いたします。
日本に来られた後、スサノオノミコトは息子のイソタケルと筑紫の国から始めて大八洲国、つまり日本各地に種をまきはじめました。
その時、「さあ、このアゴの毛はスギとなれ。さあ、胸の毛はヒノキになれ。
おおそうだお尻の毛も使おうじゃないか!お前たちはマキの木になれ。眉の毛はクスノキとなれ」と御身の体毛から様々な樹木をお生みになりました。
そして「木々よ、育て、育て。スギとクスノキで船を作ろう。
ヒノキは家に使おう。マキは大事な人が亡くなった時の棺にしよう」とおっしゃったのです。
こうやって生まれた数多の樹木の種を、スサノオノミコトの子である、五十猛命(イタケルノミコト)と大屋津姫命(オオヤツヒメノミコト)、枛津姫命(ツマツヒメノミコト)の三柱の神が全国に植えていかれました。
スサノオノミコトは日本の樹木をお生みになった神であり、樹木の使い方を示してくださった神なのです。
今、四季を彩る様々の樹木は、私たちの暮らしをあらゆる形で支えてくれています。
あらゆるところにスサノオノミコトの想いが息づいているのですね。
〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕
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