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~第96回~「祈年祭の話」

2月17日は「祈年祭」です。
「としごいのまつり」ともいいます。
「とし」は稲、「ごい」は祈りで、豊作を祈願するお祭りです。
大祭である為、神職は前日より神社に籠り潔斎し奉仕を致します。

延長五年(927)に撰進され、奈良・平安時代の国家制度を知る根本法典とされている『延喜式』(五十巻)の巻八所収の「祝詞」(二十七篇。九条家本訓)に、「二月(きさらき)の祈年(としこひ)六月(みなつき)十二月(しはす)の月次祭」とあります。

「なぜ国家制度を伝える書物に神事の記載があるの?」と現代の方は不思議に思われるかもしれませんが、古来、日本は「祭政一致」。
政治と祭祀は国家にとって共に「まつりごと」とされ、大切な存在でした。
何より、生産物の収穫がなければ、私たちの生活も国の運営も成立しません。
ですから、春に年穀の豊穣を祈る祈年祭を、秋に豊作を感謝する新嘗祭を行ってきたのです。

実りへの祈りは、国やそれぞれの地域の中で、大切に育みながら残していきたい「心」ですね。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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