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アートがファッションから学ぶもの イブ・サンローラン展/一日一微発見414

ファッションの展覧会を現代美術館で行うのは、もはや当然の世になった。
もちろん僕はファッション評論家でもないしバイヤーでもないから、アートバーゼルに行くような感じでパリコレを観に行ったこともない門外漢だ。

しかしべンヤミンが「パサージュ論」で描いたようなファッションのショーウインドウが発する「ファンタスマゴリア」に酔うのが好きだし、京都時代はヒッピーだったけど東京に来てからは最近までずっとコム・デ・ギャルソン党だった(アンチファッションという逆説的なブランディングが好きだった)。
ファッションブランドに興味がある。

今年の夏のディオール展に続いてのサンローラン展である。あらためて書くまでもないが サンローランはディオールの急死によって 21才で後継者に抜擢された。
お洋服好きの天才少年がいかにファッション帝国に君臨し、リタイアしていったか、それがサンローランの物語となる。

ディオールがシュルレアリスムと同時代的に出現したのとは違い、サンローランの成功と悲愛は、彼が「ポップアート」が出てくる時代を背景に、クチュリエの座をまもりながら、プレタポルテという大衆性を実現しなければならないという課題が宿命として降りかかったことを意味する。

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