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業務アプリケーションシステムの開発・構築・運用管理の標準化(Ⅱ .企画・計画における要件定義とプロジェクト管理)

業務アプリケーションシステムの開発・構築・運用管理の標準化
Ⅱ .企画・計画における要件定義とプロジェクト管理
Standardization of the software development management、infrastructure construction management、and operation management of business application systems
(Ⅱ. The requirement definition in a planning process and project management)


鈴木一明
Suzuki Kazuaki

1 .はじめに
 「第I編」でも述べたが、汎用機時代においてはシステム開発やシステム運用管理は専門的な部署において行われていた。近年、サーバー機器の普及に伴い、システム開発・導入、システム運用管理が業務担当部署に分散化された。そのため、ITの未経験者が品質管理を行わなければならない状況である。更に システム開発やシステム運用管理の上流工程である企画・計画フェーズで行う要件定義の作成もITの未経験者が行うため、的確に可視化できない状況である。
 企画・計画の上流工程において、「何を要求するか」、 [何を検討するのか」が理解できず、業務的な要求概要のみでITベンダーに発注し、納品・検収において変更したり、途中で仕様変更を求めたり、ITベンダーの負担増となる事例が見られる。
 業者側においても、要求されない機能は実現しない、要求されない成果物は作成しない、要求されないテストは実施しない、要求されない会議・レビューは実施しないと経費のみを考え、品質の低下となる事例が多く見られる。
システム開発フェーズや運用フェーズにおいて、プロジェクト計画書の良し悪しで成功するかどうかはほぼ確定してしまうと言っても過言ではない。
 しかし、方針・計画がないまま、システム開発やシステム基盤構築を進め、途中で基盤の増設を行ったり、機能拡充を行ったりと後戻りする事例がある。その結果、設計作業の重複による過大は経費増を引起したり、スケジュールの遅延を引起したりする。
 失敗プロジェクトの典型的な事例は上流工程での計画やプロジェクトマネジメントに起因する事例が多い。失敗プロジェクトに成らないためにも、企画・計画段階で要件定義やプロジェクト計画を明確にし、 ITベンダーの要求は可視化しておく必要がある。更に、実施段階においても、プロジェクト監視は重要な位置付けであるため、怠ってはならない。

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