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山が好きってあまり思ったことないけど山に行く理由

週末、山に登った。
標高2,200m、4時間歩き続けた。
岩場が多く、登っても登っても終わりが見えない。
ひたすら足元を見つめて、いかに身体に負担をかけずに登れるか、最短距離を探し続ける。

登って1時間もすると、軽く後悔する。
山頂に着いていないのに、これだけ苦しい。
帰りは今来た道のり以上を歩く必要がある。
自然は好きだけど、数時間も息を切らしながら歩くような、苦行を経る必要ってないよな。

そうして、次第に無心になる。
ただ歩き、休み、歩き、休み。

2時間後、たどり着いた山頂。
眼下は曇って何も見えない。
吹き付ける風。

でも、心は踊っている。
なぜなら、空腹だから。
そして、やっとやっと、お腹を満たせるから。


カップラーメンにかき卵、おにぎりもつまむ


これがとにかく沁みる。

普段食事に30分は掛かる私が、ものの5分で平らげる。ジャンクフードであるはずのカップラーメンに身体が喜び、汁すらも滋養になる。

そして下山、テント泊。
静かな夜を照らすライトの灯り。

翌朝、筋肉痛を引きずりながら下山し、
近所の温泉で洗い流す1日分の汗と疲れ。

さっぱりとした身体で食べる、
地元の素朴なお昼ごはん。

…山頂からずっと、脳内麻薬が出ている。

私が山が好きな理由は、
木漏れ日の美しさや、
風の気持ちよさや
山地で見られる悠然とした景色、
だけではなく、

限界までに疲れ果てた身体に、
「身体が喜ぶもの」を流し込めるのが
気持ちいいからかもしれない。

勿論、静かな山道を歩く非日常感も、好きです


また、スポーツは得意でない自分にとっても、
登山はシンプルで分かりやすい。
なにせ、登って降りればいい。
複雑なルールや、チームの絆も問われない(エベレストなんかだと勿論別だけど、素人登山であれば)。
一旦、生きて帰れる準備をして、最低限の知識を身につけて、多少の体力をつけて、あとはひたすら歩くだけ。
そして、歩き終えた時には、巨大な達成感が勝手に舞い降りてくれる。


結論、行ってよかった、と思う。
だからまた、行ってしまうんだろうな。


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