映画 「ルックバック」を観る
普段映画はあまり見ない。
お恥ずかしながら、すぐ飽きてしまうからだ。わくわくしながら観始めるのに、いつも途中で、早く終わらないかなと思ってしまう自分がいる。
そんな私が、初めて予定を調整し、隙間時間を見つけて観に行った映画。
それがルックバック。
もともとチェンソーマンは読んでおり、ルックバックなる読み切り作品があることも知っていた。
ただ、漫画アプリでは半分しか試読できず、結末まできちんと読むことができていなかった。
そのままなんとなく時は流れていたが、ルックバックのアニメ映画が決まり、YouTubeで予告編を何気なく見た。
ルックバックの映画が観たい。単行本でも最後まで読みたい。
普段いろんなことに情熱が薄い自分としては珍しく、強烈な衝動な駆られた。
単行本はすでに本屋では品切れとなっており、しばらく探し回ったあとなんとか手に入れる。映画の上映館も調べまくっていたところ、近くの映画館での追加上映が決まり、観に行った。
以下、映画の感想。
(ちょっとネタバレあります)
観てよかった。
泣ける場面ではないところでも、涙が滲んできた。
漫画を読んでいても、映画を観ていても、自ずと自分の過去を振り返った。
絵を描くことが好きだった子ども時代。
親友と二人でイラストや漫画を描いていた。
そして、そのまま中学校でも迷わず美術部に。
それが、いつからか、だんだん描かなくなってしまった。
あんなに好きだったのに。
たくさん、たくさん落書き帳もチラシの裏も、ノートの端っこも、ルーズリーフも使ったのに。
特にきっかけがあったわけではないのに。
なぜだったのだろう。
さて、映画の話に戻ろう。
藤野と京本は、学生時代の全てを漫画に捧げ、春夏秋冬、ひたすら描いていた。
そして、高校卒業後、
藤野は漫画家に、京本は美大へ。
さらっと描かれているが相当すごい。なかなかあのように夢は実現できないし、美大にはなかなか入れない。
そして起こる、悲しい出来事。
京本が美大へ行かず、藤野と漫画を描く道を選んでいたら、何か変わっていたのだろうか。
考えても結論は出ないが、自分で進路を決め、一歩を踏み出した京本があのようになるとは、言葉がでないほどしんどい。
二人はどうしたらよかったんだろうと、わたしも映画を観ながらたくさん考えたが、もちろん結論は出ない。
そして、映画は終わる。
藤野は前を向き、また描き始める。
田んぼの畦道。
雨の降る通学路。
雪の中、ポツンとある小さなコンビニ。
ストーリーだけではなく、風景も郷愁を誘う。
感想の具現化が難しい映画だと思う。
うまく言えないけど、迷っているなら観た方がよい。
昔、描くことが好きだった人は特に。
観に行けてよかったとつくづく思う。
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