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ぼくはピート、そしてレイじいさん (あとがき)

一つの作品の連載が始まり、
そして、それが、終わる時、
何だか、寂しい気持ちになります。
登場人物たちとお別れしてしまう気がするからです。

でも、
いつだって、読み返せば、
いえ、
思い出すだけで、
登場人物たちと会うことができるのだから、
別に、
寂しく思わなくてもいいのでは、
とも考えるのですが。

たぶんですが、
いえ、
たぶんではなく、絶対に、ですが、
このメルマガを通して、
読者の方々と繋がっているから、なのだと思うのです。

ほぼ同時に、読者の方々と読んでいる、共有しているという感覚です。

普通の書店に置かれている本ならば、
いつ、どんな時間に読むかは分かりませんが、
メルマガは、配信時間が決まっているので、
ほぼ同時に読者の方々が読むことになりますよね。
その共有感です。

とは、いえ、
始まりがあれば、終わりがあり、
また、
来週から、
新しい物語を共有できると思えば、楽しみも増えてくるのですが。

しかしながら、
この作品「ぼくはピート、そしてレイじいさん」は、
配信しながら、発見することが多かった作品でした。

もしかしたら、
この作品が、
全ての作品の原点ではないだろうかという
考えにも至りました。

この作品があったから、
「誰かの部屋のドアを開けて」
が出来上がり、
「オレンジとアップルと9cm王国」も
出来たのだと思うのです。

どの作品も、
主人公が、
当たり前の世界を
「なぜ?」と思い、
その「なぜ?」を探し、
そして、
その「なぜ?」を突き止めようとする、
その過程が物語になっていると思います。

その純粋に考え、
純粋に行動することが
時には、考えすぎたり、行きすぎたりするけれど、
それが、
ちゃんと考えて行動したことなら、
思わぬ結果や新しい驚きになってくる、
ということが
物語になっていっているのではと
思っています。

私は、
ストーリーを考えてから作るということはできないので、
まず、
登場人物ありきです。

こんな人物がいる、
という明確なものが現れた時、
自然とスタートできるのです。

ピートくんとレイじいさんも
そうです。

レイじいさんは、
魔法を使わない魔法使い。

これは、
私が童話を書こうと思った時、
「魔法を使わない」という
自分ルールを作ったところからの
コンセプトです。

明確に言葉にしていたのは、
たぶん、18歳くらいの時です。

もしかしたら、
もっと前かもしれません。

童話を書きたいと思った時、
「大人のための童話」を書こうと
決めた時です。

ですから、
その頃の作品は、
主人公は、大人でした。

でも、
2年間くらい書いて、
一旦は手放したのです。

童話から離れた、
という感じでしょうか。

その後は、
映画のシナリオを書いたり、
戯曲を書いたりしました。

当然、
登場人物は、大人たちです。

でも、
戯曲を書いていたあたりに、
短編の童話を書くきっかけがあり、
その時に、
ピートくんとレイじいさんが生まれたのです。

突如、現れた少年ピートくんが、
私の中で、
疑問に思っていることなどを
代弁してくれることになりました。

ピートくんの周りに登場する
友だちや動物たち、
島の人々、、、
彼らが、
一瞬しか登場しないのに、
ピートくんの成長に大きく関わってくる、、
それは、
自分の人生にも当てはまるような気がしました。

そして、
今回、このお話を配信することになり、
毎回、新鮮な気持ちで、過去の作品を読んでいくことで、
この世界観が、
「誰かの部屋のドアを開けて」

「オレンジとアップルと9cm王国」に
続いていっていることに気付いたのです。

ネズミになったおじいさん、とか、
先の尖った塔とか、、、

自分でも気付かなかったことが、
作品にはきちんと出ていて、
自分のことなんだから、
当たり前じゃないかと思いながらも、
作品作りは、
面白いな、と改めて思った次第です。

今後、どのような作品を書いていくのか、
それから、
過去の作品をどのように仕上げていくのか、
全く分かりませんが、
このように、
「メルマガ」というスタイルがあったことで、
自分自身を見詰め直し、
新しい作品を生み出し発表できることが
幸せだと感じています。

それも、これも、
読者の方々が存在するということ、あってのことです。

ありがとうございます。
感謝が尽きません。

お礼を言っても言い足りないと思いますが、
続けて、作品を書き、配信していくことで、
感謝の気持ちを伝えていきたいと思います。

どうもありがとうございます。

そして、
また、
次回からもよろしくお願いいたします!

おしまい。



この作品、「ぼくはピート、そしてレイじいさん」は、
「メルマガ」で、2021年8月8日開始 2022年2月6日終了したものです。
その時の「あとがき」をそのまま、掲載いたしました。

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